タンク用装備

僕と忍者アリンは小さい待ちをくまなく探したが、装備を売っている所はなかった。


「もうちょっと小道にいかないといけないわね」


そう言って横の路地に入ってみる。それでもなかなか見つからない。


と、そこへ盗賊風情のヤツが狭い路地に入り込んできた。


「なによ!邪魔よ!」


「お前さん方、装備が欲しいんだろ?嗅覚でわかるぜ」


「どきなさいよ!」


「そう邪険にするな。俺は装備屋だ」


「…嘘じゃないでしょうね」


「嘘なんかついても金にならねぇ。来い」


半ば無理やり連れてこられた装備屋は、やはり横道を入った場所にあった。


「何が欲しいんだ?剣か?ダガーか?」


「タンク用の装備を頂戴」


「タンクかーまいったな。なるやつが少ないからろくなもんしかねぇよ」


盗賊、いや装備屋はバツの悪い顔をした。


「でも大盾なら最高のがあるこれは軽くて丈夫。最強だからな」


悩んでいるアリンに


「大盾買ってくれたら、中くらいのタンク装備全部タダでやるよ。そのかわりこの盾は20金貨だ」


「20金貨ぁ?」


流石に戸惑ってしまう。僕は、


「あとでモンドさんからお金もらえばいいじゃないですか」


「そ、そうよね。おごりってわけじゃないし」


「ちょうだい」


「まいどどうも!」


タンク用の装備を持って僕らは、日の沈まない内にギルドへと急いだ。


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