探鉱場ブラックロック―――――――――

5人は馬車に2度揺られながら、世界最大の炭鉱場、ブラックロックへとやってきた。ダンジョン入り口ではジーンズ売りやテントなんかを売っている場所があったが、僕らが挑もうとしているダンジョンはジーンズなんかの恰好でいどめるようなダンジョンなんかじゃない。

プロのダンジョンマスターでなければいけない場所、それがブラックロックの本当のダンジョンだ。

自らが強いと過信して間違って挑むPTパーティーもいたかもしれないが、1階からデーモンやレイス、ハイクラスの忍者などが集まっている。すぐにチリジリになってしまうだろう。

ダンジョンの下見に来たが、すぐ後ろに崖があり、そこから小さな町が一望できる。

「今日はあそこの街の宿屋で寝てから、朝またここに来よう」

盗賊がそう呟くと、徒歩でゆっくりと降りていった。僕らもそれに従う。


夜――――――――


魔法使いピピンと盗賊キースと侍モンドはギルド1階で酒を飲んでいる。過疎地なのにギルドがあるのには驚いた。

「あまり飲み過ぎないでよ?また午後からーなんて愚痴こぼさないでね」

そう言って忍者アリンはステーキをワイルドに食べていた。

その横で僕がいつものコーラを飲んでいるという状態だ。

キッドはよっぽど疲れたのかすぐに部屋に入って寝てしまった。

そういえば馬車に揺られている時も口数が少なかった。

「もーだめ!限界ね」

アリンが3枚目を食べてる途中の一言だった。

「エット君もほら肉食べて!じゃないと元気になれないわよ!」

アリンがフォークで肉を突き刺し、僕の口へ無理やり入れる。なんて日だ!


そんな夜も収まり、いつものように朝がやってくる。

「カッティングエッジ団集合~!特に昨日酒飲んでたヤツは来ないと、しばき倒すわよ!」

さすがに今日は初日という事もあり全員すぐに起きてきた。

「じゃー早速、ダンジョンに行くにあたって、タンク役を探します。」

タンクというのは、体力があり盾をもってまずはタンクへ敵のヘイトを呼び、他のメンバーに敵がいかないようにする職である。

「あのー俺一応タンクできるんすけど」

侍モンドが挙手をする。

「あっそ。じゃあ早速転職なさいよ」

「パンツ一枚の姿になるんで、部屋でなってもいいっすか?」

「もちろんそんな姿、誰も見た事ないからどうぞ。じゃあエットと私でタンク用の装備を買ってくるわ。装備か闇市があるかどうか不明だけどね」

そう言って2人は出入口へ出ていき、盗賊が、

「1本くらいなら構わねーよな?」といってビールを飲んだ。

「こんなもん水と同じだぜ」





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