凄惨なる争い

皆ダンジョン前に集結している。10階に行くためだ。


ピピンは悪寒がして身震いをしている。侍モンドも死ぬ覚悟ができている。


「ハーイエブリバディ!そんな固くならずにいきましょー!」


誰も反応しない。


「9階と10階に混ざったモンスターが出てきますユーノウ?」


「…とにかくいきましょう」


1階のテレポ指定場所にキッドによって誘導される。


「この場所でテレポすると、10階の一直線の通路にでますボーイ?さぁ魔法陣を」


ピピンは無言で魔法陣をつくる。そしてキッドを先頭に盗賊、魔法使いとドンドンと中へ入ってゆく。


僕はとまどっていた。足を引っ張るかもしれない。でも入るしかないじゃないか。


10階へとワープした。凍える程の寒さだ。盗賊は知っていたが、他の人種は何も知らされて無かった。


「先に行ってよね!こんな寒い場所だなんて…」


アリンは激高気味に言った。


「やばいっすよこれ…」


ピピンは耳が良い。


「何がやばいんだ?」


「両側から敵がきます。」


僕はトーチの印を踏み、杖が明るく光る。


サシャ…サシャッとかすかに両側から音がする。


「10階の敵なんで無謀です…」


盗賊は冒険用の棒状のスコープで敵を絞る。


「左側、ハタモトとドラゴンゾンビ!エット今度は反対側を照らせ…右側グレーターデーモンとブラック!以上4名さぁどうする」


「あてくしはドラゴンゾンビを先に片付けるとしますか。」


侍モンドは、


「小生はハタモトを攻撃する」


「じゃあ他のメンバーはこっちをやるわよ」


エットはアリン側をトーチで照らした。


キッドはドラゴンゾンビに例の竜巻を繰り出し切り刻んでいった。そして愛銃FNファイブセブンで40発ぶち込むと、ドラゴンゾンビはチリとなって消えた。


侍モンドとハタモトはレベルが少し違った。ハタモトの攻撃に押されている。攻撃を剣で受け流すか、身をもってかわすかの2択になっていて、こちらから攻撃ができない。


アリン組。ピピンとエットは同時に魔法の玉を発射し、敵をよろめかせた。と同時に盗賊キースは吹き矢でグレーターデーモンに猛毒のデバフをかける。アリンはブラックの首を狙っていたが、見透かされ逆にアリンに短刀肩あたりを切られダメージをくわえられた。


エットはとりあえずオールヒールで全員のHPを上げた。これに皆助けられた。


アリンは隙を見てブラックの首を跳ねた。と同時にグレーターデーモンが地面めがけてパンチをくりだした。そして悪魔の咆哮を吐き出した。


恐ろしい身も縮むような恐怖を与える咆哮であった。

侍モンドとハタモトはまだ戦っている。今現在もハタモト優勢だ。キッドは時間が経たないと魔法も銃も使えない。そこでガンホルダーの奥にある草のようなものをムシャムシャ食べるとMPが回復した!


即座にハタモトに竜巻が起き、ダメージを食らわす。そこへモンドが止めをさして、上から宝箱が降って来た。


グレーターデーモンはとにかく強い。首を切るなんてとてもできない。しかし毒のデバフが地味ながら効いている。そこでアリンも毒の吹き矢を拭き、デバフを重ねておいた。


「どうやってたおせばいいんすか!?」


「まずピピンとエットが魔法弾をくらわす。その隙に侍モンドとアリンと俺で一斉に攻撃していこう。敵のパンチをくらうなよ。即死するから」


ピピンとエットは同時に魔法を食らわせた。特に光性能の玉は悪魔系に絶段な効果を生む。


それを合図に3名は一斉にデーモンを切り刻む。毒のデバフのおかげで、敵はあらゆる威力が落ちていた。敵がドスンと倒れる


宝箱が落ちて来た。これで宝箱は2つである。


「10階の宝箱は即死する罠があったり大変なんだ。みんな離れてろ」


盗賊はそう言うと開錠キットを取り出し、慎重に作業をしていた。


「一個開いたぞ」


たくさんのゴールドと装備が一つ入っている。鑑定すると忍者のブーツだった。


「もーらい!」


ブーツはアリンの物となった。


2つ目の宝箱も大量の金とカシナートの剣がはいっていた。


「いやー運がいい。こりゃ高く売れるぞ。2個の宝箱で3か月分の宿賃になるだろうな。とにかく今は魔法陣で1階に戻ろう」


ピピンが魔法陣を作ると、皆はそこへ入って行った。

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