7階いっちゃおっか?

キッドがあまりにも分かりやすい二日酔い姿で1階へ降りて来た。


「ゲボがでそうでーす…」


「吐くなら外で吐いてね」


侍モンドも盗賊キースもやはり二日酔いらしく、


「頭がいてぇ…」


と、こめかみ部分をもみながら降りて来た。


僕とその他は普通の寝坊である。


「こんなんでホントに今日ダンジョンいけるのかしら」


忍者アリンは相変わらずサラダと肉を食べている。相変わらず元気だ。


「今日は行くの午後からにしねーか?」


「そのほうがいいな」


キッドが水を飲みながら言った。


「今日は7階でもノープロブレムなんじゃないですかボイズンガルズ?」


「7階?」


皆、一瞬だけ固まった。


「本気で言ってるのか?」


「本気で言ってるの?」


「イッツシリアス、バット少年がいるのがネックね」


僕の事だ。ショックを受けてしまう。


「エット君はもうオールヒールも蘇生もマックスなんだよ!」


「バット、その少年が真っ先に殺されたら、誰が蘇生させるんですかぁ?」


しばらく沈黙したが、


「僕は装備を最強にしてるんだ。絶対負けない」


「パードゥン?7階のレアボスを知ってるんですか?根拠は?ソースは?」


僕は何も言えなかった、事実2階も敵にやられて死んでいる。忍者アリンが、


「ルーティーンをまもれば倒せるはずよ、7階もちょっとみてみましょうよ」


「じゃメインは6階で、ちょっと7階視察しましょうか」


「オッケーガール」


他の人は何も言わなかったが、同意した感じで装備や装備を準備するために2階へ上がって行った。


「ごめんねアリン、僕をかばってくれて」


キッドが口を挟んだ。


「かばうも何も、シリアスを見て厳しい事もそりゃ言うわよバッドボーイ?」


「それにしても言い方ってあるでしょ!」


「言い方?パードゥン?」


もうキッドには言う事がなくなったのか、残りの肉を頬張ってから宿の入り口へと出て行った。


キッドは例のゼリーを30秒でかけて吸い、肩を回しながらアリンに続いた。


確かにそうだ。蘇生も、僕が生きてる前提での事。僕が死ぬわけには絶対にいけなかった。


でもキッドさんは実際強い。


何としても生きようと心に決め、肉をひと口食べてから外の光を浴びた。


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