マッパーの愚痴

ステーキを食べながら出た結論は、


「5階メインで、少し6階を回ってみる」


という結論を決めて店を後にした。


宿屋に入ると、バーも兼ねた1階を後にしつつ、各々の部屋へ戻った。


自分の部屋に戻ると、久々なこの感じが実に心地いい。


もうすぐ蘇生の呪文スキルがマックスになるので、どのスキルに割り振ろうか悩んでいた。1つはビショップ唯一の攻撃魔法、光の玉をぶつけるスキルだ。


ダンジョンは下の階に行くほど悪魔系が多くなるので、光玉はすごく相性の良いスキルだ。


もう一つは魔法陣を出し、そこにいる間はHPが回復するスキル。


でもヒールもオールヒールもマックスしているので、やはり光の玉攻撃が良いように感じた。


レベルが上がるほど、次までに上がりにくくなっていく。


だからスキル振りの失敗は致命的となる。そんな事を考えていたら眠気が襲ってきた。呪文書がベッドから滑り落ちる。


翌朝――――――――


「カッティングエッジ団、集合~~~!」


忍者アリンはすでにモーニングを食べ終え、他のメンバーを待っていた。


相変わらず低血圧なピピンが、遅めに部屋から出て来る。


「もうちょっと遅くてもいいんじゃないかな?」


ピピンは目をこすりながら1階へと降りて行った。


盗賊は部屋ですでに起きていたらしく、階段の手すりに身を預けながらスイーっと降りて来た。


「よう、おはようさん」


僕と侍モンドが一番遅く、モーニングの席へ着いた。


「僕はコーンポタージュだけでいいや」


「朝食は元気の源よ!しっかり食べなさい」


「じゃあサラダもつけて」


それから2人は黙ってしばらく朝食を食べていた。


「6階は初だな…」


侍モンドが呟く。


「ザコ敵なら余裕だぜ。ビショップさえ死ななきゃな」


「僕は光の玉を飛ばすスキルを取る事に決めたよ。MPは結構減るけど、お荷物にはならないようにしてる!」


「そうか。いいな光属性は」


盗賊キースは珍しくほめてくれた。


忍者アリンは叫んだ。


「じゃあ早速1階から5階へ行きましょう!」


ピピンは、


「マッパーの職が増えたなぁ」


と沈んでいた。


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