エットの現実

「この際忍者でもいいよ!」


ギルドの中にあるバーで円卓デスクに座ってビールを飲みながら忍者アリンが言った。


「エット君以外のメンバー!早く盗賊か忍者をスカウトして!」


そう言われると、メンバーは喧噪の中にうずもれた。


「忍者2人態勢でも良いってことですか?」


「強い忍者なら歓迎よ」


僕はコーラを飲みながらアリンの声に耳を立てていた。


しばらくして、僕がコーラを飲み終わった頃。


侍のモンドが、1人の盗賊を連れてやってきた。


「レベルの高いフリーの盗賊です。」


「宝箱も開けるのね?」


盗賊がやれやれと言った感じで口を広げる。


「俺は地下10階まで行ったんだぜ?宝箱なんてちょろいにきまってるだろ?」


盗賊のスキルをモニターで見ると、


「結構やれるわね?で、なんで今1人なの?」


「金がたっぷり手にはいったから、休息してたんだ。そろそろパーティに行こうかと思ってたら、侍に来いって言わされたのさ」


「わかったわ。はい採用。名前は?」


「キースだ、よろしく…ん?こんな少年がいるパーティなのかよ。地雷パーティーじゃねぇだろうな?」


「エット君はもうすぐビショップになるんだよ。強いヒーラーだから」


アリンがそう言った瞬間、激しい頭痛が走った。テーブルに突っ伏してしまう。



すると、僕が住んでいた薄暗いアパートの部屋に戻っていた。何が起きたんだ??


首つり縄はそのまま残っていた。どういう事なんだ…⁉神のいたずらか?そう思い、冷蔵庫に入ってある麦茶を飲んだ。


…長い夢を見ていたって言うのかよ?


疲労がたまりすぎていたので、とりあえず万年床に入って、寝てしまった」



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