さまよう幽霊

疲れがたまっているのか、僕は今日、体調が悪かった。


でもそれはPTには告げずに今日は3階へと歩むわけだ。まだ3日目だよ?


ピピンが嬉しそうに言った

「今日はレベルがあがったら、すぐヒールに割り振ってね。マックスになった時点で終わりにしよう。なんてったって3階の敵は結構つよいからね。トラップも多いし」


今はもうヒーラーとして頑張る他はない。1階、2階へと順調に向かい、3階の地下室の所で止まった。


「3階にもまだマッピングされてない所があるんだよね、そこに行こう」


ピピンはマッパーでもあるし、内のPTの中では強力な魔法使いでもあるので、チビだけど頼もしい。


僕はトーチの呪文をとなえ、杖の先に大きな光をつけてから、ゆっくり3階の階段へと降りていく。


3階はどんな敵が出て来るんだろう。1階はスライム、2階は+コヨーテ、3階は…


向こうに人影が見える。盗賊団のような8人組!


「ピピン!魔法で足止めしろ!」


ピピンは魔法詠唱で氷を足にまき付け、身動きをとれなくした。


残りは忍者が横一線8人の首を跳ね、敵をあっさりと倒した。


忍者は2次職なので強力なパワーを秘めている。と、ポインとレベルが上がったので、言われた通りヒールに割り振る。


他にもデバフスキルが沢山あったけど、ヒーラーがヒール出来ないなんて情けないじゃないか。


「いいよいいよ~どんどんマップを埋めていこう!」


盗賊アリンは今日も元気1杯だった。アリンの太陽のような存在が皆にモチベーションを与え、支えてくれている。


「俺の出番もふやしてくれよぉ?」


戦士ミッドレーが剣を持ちながらぼやいた。


「ここの袋小路をマッピングしたいから通ろう」


袋小路のもっとも先に、幽霊が現れて驚愕してしまう。


「なんぞこれ!」


『私はこの場で倒れた幽霊…もはや現生に未練はないのですが、同じ階で死んだ女性にこのリングを届けて欲しいのです』


「マッピングしてないこの辺りですね、はい指輪どーも」


ピピンは冷静にマップを見ていた。


「イベントは経験値を沢山もらえるからチャンスよ!」


早速マップを付けられてい地点へと向かいながら、僕はヒーラーのスキルを上げ+4にした。

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