肉をほおばりながら

しばらくは各々無言で飯をがっついていた。もちろん僕もだ。ただ少年姿になってからはお腹の限界はすぐやってくる。


女盗賊はチキンを頬張りながら言った。


「明日はどうする?3階に行く?」


忍者は断固反対した。


「ヒーラーがヒールLV10になるまで2階でいいじゃろう」


「そうだよなあ。おれもそろそろ侍になるしな」


「でも三階はなかなか敵が強いからなぁ」


盗賊アリンは急に立ち上がった。


「3階まで行くわよ!経験値が大きいからエット君もスピードアップでレベルあがるし」


「レアモンスターは無理だぞ」


「そんときゃ逃げればいいだけよ、幸いレアボスは動きがのろいからね」


そう言って僕の背中をバンバンと叩いた。あんまり刺激されると食べた物がリバースしそうになる。


「けほ…アリンさんはどうして盗賊になったんですか?」


「秘密ぅ」


「…もうそろそろ帰りましょうか」


「え、ちょっと待って私のせい?」


会計は金貨一枚でよく、お釣りの銀貨も戻ってくる。レアボス様様である。


「3階のレアボスだけはまだ倒せないとだけは言っておく」


忍者は僕の耳元でささやいたので、ささやき返す。


「忍者さんの名前ってなんですか?他の人なら知ってますが」


「影鋭。もちろん本名ではないぞ」


「おぼえました。」


「エット君もそろそろダンジョンになれてきたでしょう?」


盗賊アリンは実に嬉しそうな表情で下にいる僕に視線を向けた。


「でもあっさりレアボスでてくるし…」


「あれはまぐれまぐれ!普段はないから。ただレアボスだけを退治するPTあるからなぁ」


そう言ってアリンは話を続けた


「明日は3階、頑張りましょう!」

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