第12話“先生”に血縁がいたことに驚く教え子たち

ちなみに“先生”には名前がたくさんある。変装とによって化けるのだ。例えば、この学校では佐藤麗華女史であり、アパートなんかでは田中愛紗という名を使っている。だから俺も他の人いるところでは近衛さんじゃなく、“先生”と呼ぶのだ。先生もそれがわかっているからの遊びだから俺もぎりぎり避けられているが、戦場で彼女と当たった相手はご愁傷さまだな。

「それで、結局その特別な武器は誰が持っているんですか?」

「ああ、それは私の弟じゃよ。」

「弟さん? え? あなた、兄弟いたの!?」

天王寺が驚いた顔をしている。そりゃあ驚くのも無理はない。だって、彼女は末っ子らしい(本人談)し、この人が家族のことを話すなんて聞いたことがないのだから。

「うむ。とはいっても血は繋がっておらんぞ。孤児院にいたのを私の親が引き取って私と一緒に暮らしていたのじゃ」

「そうなんですね」

「ふぅ〜ん」「むっ、なんじゃその反応は!」

「「別に何もないですよ」」「もっと何かないのか?その子は独身ですか、とか」「「ないですね」」

「ふん! まあ良いわ。それでだ、私が持っている武器は、死神の鎌だ」

「「え?」」

「まあ、驚くのも無理はないが、人も狼も切れるのは意外と便利なんだぞ」

「でも、それならなんで今まで人狼を殺してこなかったの? そっちの方が手っ取り早いじゃない」

「それは簡単だ。狼を殺せば、自分と相手の間にえにしができて自分が人狼に近づいて行くからだ。

それに、狼殺は同じ狼の弟たちに任せておいたほうが効率が良いしな」

「へぇー、そんな仕組みになってたんだ。でも、弟さんっていくつくらいの人なのかしら? あなたのことを呼び捨てにできるくらいなのかしら?結構上なの?」

「いや、下だよ。今はもう19歳かな、確か。今はギルド、と言うよりクランか、を率いて活動に精を出しているよ。今戦えばどっちが勝つかな」

「若いのにあなたとやり会えるくらい強いの?やっぱり教育かしら?」

「いや、そんなことはない。あいつはもともと強いわ。あれこそじゃないかね」

「どういうこと?」

「語れん。悪いがこれ以上はの」

「わかりました。……ありがとうございます」

俺は礼を言いながら頭を下げた。

「うむ」

そうして俺たちが会話をしていると、 キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。

「おっと、時間切れのようだな。私は仕事に戻るよ。ぜひ、研究に役立ててくれ。さらばだ」

そう言って彼女は飛んでいった。比喩ではなく本当に浮いてるのだ。

「相変わらず凄いわね」

「そうだな」

「私も頑張らなくちゃ。ねぇ、この後空いている? ご飯食べに行きましょうよ。最近忙しくて行けなかったから」

「ああ、いいぞ」

「やった! どこ行こうかな〜」こうして、俺らは昼休みを満喫し、職場である日本科学研究所へ戻った。



一旦休幕

次から裏仕事入ります

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人狼!?〜白き人狼は世界を変える〜 四ノ宮拓斗 @tact_magician0

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