第4話 申し込むと…


そう考えると、やはり日本で人狼の〈ギルド〉の取りまとめ役『マスター』についている高坂さんのところに行くべきでしょう。この方に関しては、正直よくわかっておりません。情報が少ないのです。なので、とりあえず行ってみることにしました。

私が、地図を頼りに高坂さんのギルドに向かっていると、偶然にも住人と思しき方に出会いました。ちょうどいいところです。聞いてみることにいたしましょう。

「すみませーん、ちょっとよろしいですか?」

「はい、何でしょう。」

「高坂、という方はこのあたりに住んでいらっしゃいますか?」

「ああ、高坂さんならこの道を進んでいって突き当たったところを右回りで左に曲がってスキップしながら進むと見えてくるとても大きな家の最高層に住んでいますよ」

「ありがとうございます。助かりました。」

(やけに細かいしわかりにくいな)

「いえいえ、それでは失礼いたします。」

「はい、本当にありがとうございます。」……………………………… 本当に着きましたね。さて、どんな方なのでしょう?私はインターホンを押しました。すると、

「はい、どちら様でしょうか?」

「私、成田恭也と申します。人狼の〈ギルド〉マスター、高坂聡さんですよね、あなたの〈ギルド〉に興味があってお訪ねいたしました」

「ほう、人狼と分かっていて声をかけるとはなかなか面白いですね。今開けるので少し待っていてください。」

ガチャッ!ドタッドタッドンガラガッシャーン!!凄まじい音を立てて扉が開かれ、そこから出てきたのは、なんとも美しい男性でした。

一目では、女性と見紛ってしまいそうです

「初めまして。私が〈ギルド〉のギルドマスターをしている高坂聡です。よろしくお願いします。」

「はい、よろしくお願いします。私は、人狼ではありませんが、人狼系の一員としての自覚はあるつもりです。よろしくお願いします。」

そうして、私たちは握手を交わしたあと、応接室に案内されました。

「さて、早速ですが本題に入りましょう。なぜ私のところに来ようと思ったのでしょうか?理由をお聞きしても?」

「ええ、構いませんよ。まず、私は人狼系です。そして、〈ギルド〉には所属しておりません。しかし、私も人狼系の端くれですので、あなた方の力になりたいと思っております。そこで、このギルドに入ろうと思いました。」

「なるほど、そういうことですか。いいでしょう。私たちの〈ギルド〉〈万死の祝福〉への加入を承認します。しかし、まずはその実力を見たいと思います。結果の如何によっては、入る位階が変わってきますよ。」

「わかりました。喜んでお受けします。」

「では、こちらへどうぞ。」

そう言って連れていかれた場所は訓練場のようなところでございました。

そこには、高坂さんが呼んだのか、〈ギルド〉中核メンバーらしき方々が勢揃いしていました。その数は10人ほどでしょうか?

「さて、これからあなたには模擬戦をやってもらいます。」

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