第3話 裏切りと反撃
まずは、先程確認した『人狼』の〈〈
おそらく、彼もこのゲームの参加者でしょうから、彼がどの位置にいて何をしているのか調べ、人柄によって活かすか殺すかを決めなくてはなりません。…… おっ、いましたね。
私は彼に近づき、話しかけることにしました。
「こんにちは、少しよろしいでしょうか?」
「はい、なんでしょうか」
「あなたは、エネルギーに関して某米雑誌に論文を投稿して一躍有名となった佐藤さんですよね? 私は、近衛家現当主、近衛実典の専属執事をしております、成田恭也と申します。我が主が、あなたに会ってみたいと申しておりまして……」
「えっ!?そうなんですか?ありがとうございます!」
「いえいえ、こちらこそ。こんなところで立ち話もなんですから、どこかに移動しませんか。」
「あっ、はい、わかりました! それでしたら、うちの〈〈ギルド〉〉ホームに来てください。そこなら落ち着いてお話しできますから。」
「その前に、佐藤さんは、どこの【ギルド】に所属してらっしゃいますか?私の知る限りでは、人狼、なのですが。」
「はい!そうですよ。僕は人狼【ギルド】に所属しています。よろしくお願いします。あっ、それと僕のことは名前で呼んでもらって構いませんよ。僕の方が恐らく年下なので。敬語とかもいいです。普通に接してください。」
「了解いたしました。さすがに、人狼だとは言いづらいですよね。しかし、私は伝令役にございますので。それでは、ご案内お願い致します。」
私と彼の交流と言う名の腹の探り合いが始まりました。
「ここが僕らの〈〈ギルド〉〉ホームです。どうぞ、お入り下さい。」
そう言って、彼はドアを開けてくださり。
「お邪魔させていただきます。」
中に入ると、そこは立派なリビングルームでございました。
すると、突如として、〈〈ギルド〉〉メンバーであろう人が二人現れ、私を拘束しました
「残念ですが、ここで亡きものとさせていただきます」そう叫んだ佐藤さんは、俊敏に我が懐に飛び込み、ナイフでありましょう、刃物で我が胸を一突き。とは行きません。、というか行かせません。人狼系の端くれとして刺されても再生する、とは言っても、相手の思惑通りに刺されるのは御免です。驚いた顔を見るのも一興ですが、それはまたの機会にしましょう。私は拘束から手を抜き、袖から暗器を出して刃を弾きました。
「全く、味方になろうという人を攻撃するのは褒められた行為ではないですよ?人狼、いや、狂有者の佐藤翔さん?」
「くそっ、バレていたのか!」
「えぇ、まぁ、あなたの態度を見ていれば大体察しはつきます。」
「仕方がない。お前は絶対にここで殺させてもらう!死ねぇ!!」
「全く、味方だと言ったのに。困ったお人だ。」そう言って私は素早く首筋に手刀を叩き込んで3人を気絶させました。
誠に残念ながら、あなた方は私の期待を裏切りました。もう見限ります。そう呟くと、私は、人狼の〈〈ギルド〉〉ホームに地点登録をして館に戻りました。
次に向かうべきは誰のところでしょうか??
失礼します。
作者の拓斗です。
「ギルド」と言う言葉が多くて混乱しているかもしれないと思いました。
【ギルド】は”天から授けられ、世界中の人達が役職ごとに集まって存在している空間“を、これから出てくる〈ギルド〉は人が設立した同じ役職の仲間たちの集合、を指します。そしてこの話で出てきた〈〈ギルド〉〉は、佐藤翔という人が作った、『〈
基本〈〜〜〉が出てきたら『〜〜』という名前の〈ギルド〉だと思ってください。
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