第3話 ごみ屋敷
今年1月、実家からのSOSで久しぶりに帰ると、玄関からすごいことに。。。
テレビでよく見る「ごみ屋敷」とはこのことかという状況が目の前に。
玄関を開ける前にドア周辺に生ごみが入っている袋が並べられ、ごみ捨てもままならない状況が見て取れた。
玄関を開けると、解体して平積みの段ボールが足の踏み場もないほど積まれている。その段ボールのわずかな隙間で靴を脱ぎ廊下を見ると、ミネラルウォーターの入った段ボールが積み重ねられ、ネット通販で頼んだと思われる荷物が未開封のまま並べられ、その上には明らかに読んでいない新聞やチラシが無造作に置かれている。
ただでさえ狭い廊下が、歩く場所をなくしている。
荷物をかき分け、その先の台所に進むと、こちらも見事に床が見えなくなっている。
野菜や果物の段ボールの数々、テーブルの上には山積みの保存容器。
かろうじて見える床は真っ黒、シンクはビニール袋やいつの物かも分からない干からびたみかん、歯ブラシ、欠けた食器。。。
想像以上の実家の惨状に言葉にならない。
居間から、杖をついてヨボヨボと呼吸が苦しそうな父がゆっくり出てきた。
「忙しいのにごめんな。」
私が声をかける間もなく、父の背後から
「じじい、さっさと持ってこい」
と荒れ狂う妹の声。
居間に入ると、糞尿のにおいが立ち込め、介護用ベッドが部屋のほとんどを占め、紙おむつやら、大量の服やバケツやらで埋もれている狭い空間となっていた。
ベッドには骨と皮の状態で横たわる妹と、部屋の奥にブツブツ独り言をつぶやく母がいた。
これから大変な日々が待っている。。。
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