第38話 サイズの町2
「それじゃまず、この町長の屋敷を制圧するわよ?」
町長の家は町長しか住んでいない訳ではない。他にもいるだろうし、悪い事を知らない人もいるだろう。
屋敷の中には使用人しかいなかった。
「これで全員かしら?」
使用人は全て集めて首にした。
それから、帰って来たけど屋敷に入れないでうろうろしていた悪い執事は捕えた。
みんなに聞いたらこの執事にもずいぶんと虐められたそうだ。
他にも誰かいないか聞いたら、町長には息子がいて、その息子にも虐められていたという事だった。
という事は……この屋敷にいた悪人は、全部で3人という事になる。
そういえば、この屋敷は奴隷以外は女っ気が無かった。
多分扱いが酷くて逃げたんだろう。
その町長の息子がどこに行ったのか、捕えた執事に聞いたら奴隷商の所に出入りしているらしい。
この屋敷は、結界で守られているので、中にいれば安全であることを説明して、私は、その奴隷商の居場所を聞いた。
ここの奴隷達は、全てその奴隷商から連れてこられたようだ。
「さぁて、その奴隷商と町長の息子を捕えましょうか?」
エミリィは町長の屋敷でお留守番してもらって、セルフィーさんを護衛に置いて行った。
私とアマンダお姉様の二人でその奴隷商がいるという店に向かった。
サイズの町は、寂れる事も無く通常運転で、何も無かったかのように賑わっていた。
この町が本当に税率8割なの?
「ここみたいだねぇ」
「これが奴隷商の店?」
奴隷商にしたは派手な造りで四階建ての立派な店構えは、どこかの豪商のようだった。随分と悪いことして儲けてそうね……。
「結界を張るわ」
私は絶対に逃げられないように、悪い人を閉じ込める結界を地面の中まで張り巡らせた。これで、他に逃げ道があったとしても悪い人ならば逃げられない。
ここから出られなければ悪い人という事になる。
「行きましょう!」
「あいよ!」
私はアマンダお姉様と二人で、奴隷商の店に突入した。
「いらっしゃいませ!」
「こんにちわ?」
店に入ると、赤い髪をした可愛らしい店員さんが店番をしていた。20歳くらいかな?……いや、よく見ると首輪をしているので、この人も奴隷のようだ。
「店員さんは売ってるの?」
「え?わたしですか?あはは!わたしなんて売れ残りですよぉ!もお!」
そうなんだ?店員さんは売れ残ったので店番をしているらしい。可愛いのに勿体ない。
「店員さん可愛いじゃないですか?今ならいくらです?」
「ええ!?買ってくれるんですか?どうしよかなぁ……」
ごめんなさい……買いに来たんじゃなくて、店ごと貰いに来たのよ?
「さて余計な話は後にして、ここに町長の息子が来てない?」
「余計な話!?わたし余計でした?そうですよね?余り物ですものね?」
店員のお姉さんは、私が余計な事を言ったばかりに、人差し指をツンツンくっ付けながらいじけてしまった。
「あの……町長の息子は?」
「それなら!店長が二階の応接室に連れて行きましたよ?」
店員のお姉さんの機嫌は、まだ直ってないみたい。唇を突き出しながら話すのって難しくない?
「ありがとう!二階に行くわね?」
「え?ちょっと!え?」
私は、店員さんを無視して二階へと上がっていった。
二階にはドアが一つしか無かったので勢いよく開けて中に突入すると、でっぷりと太ったあご髭の男と、30過ぎに見える黒髪の男が、小さな私くらいの裸の少女を鑑賞していた。こいつは許せない!
「そこまでよ!」
「なにやつ!」
「なんだ?」
私は捕縛用の魔法を使用して二人を拘束した。
「むぐぅうううう!」
「ぐむむむ!」
何も言い返せないようにその場で自白魔法で、全ての悪事をしゃべらせた。
「言い訳なんてさせるわけ無いでしょ?」
聞くだけ無駄だ。
思った通り、このデブは違法奴隷を扱っていた。
自ら盗賊を率いて、周辺の村や他国から人を攫っては売っていたのだ。
その盗賊も潰さないといけないわね。
町長の息子は町長と同じく違法奴隷を見逃す代わりに奴隷を受け取っていたようだ。しかも奴隷商の売り上げや利益は、全て嘘の報告がされていた。
この分だと商業ギルドも、嘘の報告をしているのだろう。
さて、問題となるのは掴まっている奴隷達だ。
「さて、どれだけの奴隷を隠し持っているのかしら?」
奴隷商の店にいた奴隷は、受付と2階にいた女の子以外は、地下の檻の中に閉じ込められていた。
幼い少女が多く、獣人や男の子も含まれていた。子供専門の奴隷商のようで、大人は、受付の女の人以外はいなかった。
売れ残りと言うのは本当のようだ。
ここで問題が起きた。その子供の男の子の中に、あのクズが含まれていたのだ。
クズレイア・クロズフィルネ……クロズフィルネ男爵家は無くなったけど、ゲームで私やお姉ちゃんを凌辱しようとしたこのクズがまだ生きていたのだ!
クズレイアは今14歳。こいつは解放してはならない。
なので、違法奴隷と正式に奴隷となった者に振り分けることにした。
クズのように正式な奴隷は、他の真っ当な奴隷商に引き渡すことにした。
違法奴隷は、身寄りがはっきりしている者については親に引き渡し、身寄りが分からない者は私が引き取ることになった。
あと、正式奴隷でも犯罪を犯していない可愛い女の子は、私が貰う事にした。
受付の赤い髪の店員さんがそうだった。他国の貴族の出らしいけど、特に悪い事はしていないのに親のせいで奴隷にされてしまったらしい。
それから、2階で裸だった少女は、身寄りが無かったので私が引き取ることになった。
私が引き取ったのはその二人を合わせて、四人となった。全員だったら大変だったのでまだ四人でよかった。だって、町長の屋敷にはまだ七人もいるんだから。
今日の所は四人を引き取り、親に引き渡す子を運んで引き合わせたりして、疲れたので町長の家で休むことにした。
正式奴隷はまだ地下室にいるので、私は今のうちにある仕掛けをしておくことにした。
正式奴隷はそのままでは売れないので、全員美少女にしてあげることにしたのよ?
「女神降臨!」
私は教祖の仮面を被り、女神ユリィに変装した。
目指すは、正式奴隷のいる地下室!
取り合えず全員魔法で寝かせておいて……。
「アトロポス!出番よ?」
「はぁ……よう!マリィ」
黒髪黒目の女神アトロポスが黒い翼を広げて顕現した。
「この子たちを軽くお願い!」
「軽く?仮死くらいか?はいよ!」
「ありがとうアトロポス!」
「クロッティ!出番よ?」
「いいよー♡エッチする?」
次に銀髪碧眼の女神クロッティが顕現した。
「まだしない!」
「ちぇ♡」
そういえばクロッティと約束してたもんね?
私は性女の力で、奴隷の男の子の体を美少女へと造り変えた。
「今よクロッティ!」
男の子たちは、クロッティの力で女の子として生まれ変わった。
「私は……女神ユリィ……」
「ん……女神様?」
「そうです。貴方は女の子としてやり直しなさい。これは私からの祝福です」
「あれ?ボク女の子になってる?」
「おい!俺もだぞ?」
「僕もだよ?」
これで、クズレイアも心を入れ替えてくれるだろう。
私は女神としてこの地下から姿を消した。
そして、町長の屋敷に戻った私は、この子たちをどうするか考えていた。
町長の屋敷に七人、奴隷商から引き取ったのが四人になり、全部で十一人となってしまったからだ。
でもまさか、あのあと奴隷商の店の地下で……百合なエッチが繰り広げられているとは思わなかった。男の子の性欲を甘く見ていたわ。
読者様へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。
続きが気になると感じて下さいましたら、
☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。
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