第28話 アンジェとお泊り
私が暫く部屋の外で待っていると、ドアが開いて……アマンダお姉様の部屋から満足そうな顔をしたアンジェが出て来た。
「マリィ様♡気遣いありがとうですわ」
「いいのよ?アンジェは、お祖母様にはなかなか会えないんだから」
私はアンジェと一緒に私の部屋に戻ると、アンジェを私のベッドに座らせて……優しく押し倒した。
「ねぇ……アンジェ♡来てくれて嬉しいよ?」
「あ……マリィ様♡わたくしも会いたかったですわ♡」
私の下で紅潮したアンジェの綺麗な顔が可愛くて堪らない。
アンジェの透き通った綺麗なエメラルドのような瞳は、潤んでいて私だけを見てくれていた。
「アンジェ……大好き♡んちゅ♡……ちゅ♡」
私は、我慢できず……愛しいアンジェにキスをした。
「ん……ちゅ♡……ちゅ♡……嬉しいですわ♡マリィ様♡」
ゲームの中では悪役令嬢だったアンジェは、第三王子の婚約者だった。でも、私はアンジェを誰にも渡したくない。
私は聖女の力を解放して、会えなかった分の時間を埋めるように……大切なアンジェをたっぷりと愛してあげた。
◇◇
「ん……あはぁ!……んん!んん!」
ぴくぴくと痙攣するアンジェが可愛くて、アンジェに濃厚なキスをしてあげるとアンジェは恍惚な表情で私の首に腕を巻き付けて、激しく答えてくれた。
「マリィ様♡……はぁ……はぁ……大好きですわ♡」
「私もよ?アンジェ♡」
「マリィ……♡」
アンジェとは、その後……朝まで裸のまま抱き合って寝ることになった。
以前アンジェには、私達は大切なお友達って言ったけど、もう恋人って言ってもいいよね?
私はアンジェとは、既に友達を超えた付き合いをしてしまっているし、アンジェも受け入れてくれている。
「んちゅ♡……おはようアンジェ?」
「ちゅ♡……おはようですわ♡」
「アンジェ♡可愛かったよ?」
「え?……もう!恥ずかしいですわ♡」
恥ずかしがるアンジェも可愛いので、私はまたアンジェを抱きしめてキスをしてあげた。
「そうそう、アンジェに渡すものがあるのよ?」
「何かしら?」
アンジェは私と同じ歳なので、王都の学園に通うのは二年後、正確に言うと一年半後になる。アンジェには婚約者を作って欲しくないので、私は婚約指輪をアンジェに渡すことにした。
「婚約指輪よ?私が作ったの♡」
「まぁ♡嬉しいですわ♡」
私はアンジェの左手の薬指に、私が作った誓約の指輪をはめてあげた。
これでアンジェは、私と婚約したことになる。
「外さないで、ずっと付けていてね?私達の婚約の証なのよ?」
「ええ……分かりましたわ♡」
誓約の指輪には、私以外の人と婚約しようとすると拒絶する効果があって、私との婚約指輪になっている。
また、追加効果の貞淑の効果で、悪意を持つ男性は一メートル以内には近づく事が出来ない。さらに生命の危機には、自動的にクロッティの効果が発動して装着者を守ってくれるという、私特製の魔道具だ。
アンジェの危険を察知すると、位置情報とともに私に通知される機能も付いているので、私の婚約者には必須のアイテムになっている。
これで婚約指輪を渡したのはアンジェで三人目になる。一人目はライリーちゃんで二人目がセーラだ。
三人とも貴族の令嬢なので、婚約対策が必要だったから指輪を作ったのだけど……。他の女の子の子の事を考えていなかった。
やっぱり欲しいよね?女の子だもんね?
サリィお姉ちゃんにアンナお姉さん、セルフィーさんにアマンダお姉様、それに愛人のミスティちゃん。
私の嫁と恋人、愛人には、結婚指輪を用意する事にした。またアマンダお姉様に相談して作ることにしよう。
アンジェは、婚約指輪を眺めてうっとりした表情を浮かべていた。
気に入ってくれたみたいね?
「私以外の人と婚約しちゃだめよ?」
「絶対にしませんわ!」
その指輪をしている限りは安心なのだけど、貴族だからね……。
アンジェとは一緒に朝食をとり、その日はアンジェとの王都デートを楽しんだ。
たまには、こういうのも良いかもしれない。
「王都にも、こんなに色々なお店がありましたのですわね……」
アンジェの町も王都みたいだったけど、やっぱり王都の方が人も多いし、店の種類も多かった。
「アンジェ♡今日は楽しかったわ。ターコイズのお屋敷まで送るよ?」
「わたくしも、マリィ様と一緒に過ごせて楽しかったですわ♡」
王都にあるターコイズ公爵のお屋敷は、私が滞在しているセルクロッド伯爵の屋敷よりも大きかった。特に庭が広い。王都にあるのに庭園のような大きな庭だけでもすごいのに屋敷がお城のように大きかった。
「さすがに公爵家ね……すごい大きなお屋敷ね……」
「わたくしには、大き過ぎますのよ?」
ターコイズ公爵家の庭園を二人で歩くと、涼しくて……庭だけでデートが楽しめるじゃない?
「とっても綺麗なお庭だけど、手入れが大変じゃない?」
「専用の職人を何人も雇っていますのよ?」
この綺麗な花が咲き乱れる庭園は、庭師と言われる職人によるものらしい。
大きな屋敷ともなると、警備の方もしっかりしていて、門番に見回りの警備員、お屋敷の周りは特に厳重な警備が敷かれていた。
これなら大丈夫なのかな?私は心配だったのでさらに結界魔法を屋敷にかけて悪党が入らないようにしてみた。もし悪人が中にいたら排除されるようにした。
すると……屋敷の中から使用人が五人くらい吐き出されてきた。こいつらは悪人だ。
「何だ?何が起きたんだ?」
「何よ?え?入れない?この壁はなに?」
「いててて、なんじゃこれは?」
「突然押し出されたぞ?」
「くっそ!俺を誰だと思ってるんだ!」
私は魔法で五人を拘束し、縄でぐるぐる巻きにしてやった。
「マリィ様?この方たちは?」
「どうやら悪い人が屋敷の中にいたので捕えておいたわ?」
「え?こ、怖いですわ!そんな……王都のお屋敷に……」
アンジェは不安そうな顔をして、おびえていた。
「アンジェのお屋敷には、悪人排除の結界を張ったからもう大丈夫よ?」
「ああ!マリィ様!……ありがとうですわ!」
騒動に気が付いた屋敷の住人がお屋敷から何人か出て来た。
「何の騒ぎですか?これは!」
私はこのままだと、この五人が悪人だという事が証明できないので、自白魔法を使って捕えた五人を自白させた。
「俺は……隣国のスパイで、毒殺を……何で勝手に口が動いて……」
「わたしは、お嬢様を誘拐するために忍び込みました……」
「購入代金を虚偽報告してました!私腹を肥やしてすみません!」
「くそ……取り入ってお嬢様を犯す計画が……」
「放せ!俺はただの愛人だぞ!乗っ取ってこの屋敷は、俺の物になる予定だたのに!くそ!」
ちょっと、ヤバイ奴まで混ざっていたようね……。愛人はどうなの?アンジェのお母さまの愛人だったの?
「全員捕えて、牢屋に入れておきなさい!」
執事と思われる人が悪人を牢屋に入れておくように指示してくれた。
「お帰りなさいませ、アンジェリーナお嬢様」
「ええ、ただいま帰ったわシーズ」
「そちらのお方は?」
「私はマリィ・エイシェルト子爵です。以後、お見知りおきをお願いね?」
「これはご丁寧に、私はここで執事を務めております、シーズ・マルチェリ―と申します」
シーズと名乗った執事は、清潔感のある白髪のお爺ちゃんだった。
「して、この騒ぎは子爵様が?」
「ええ、このお屋敷に悪人を締め出す魔法をかけたわ。結果は御覧の通りね?」
シーズは、きょとんとした顔をしていたけど、普通はそうよね?
「それは……もし、それが本当ならば凄い事ですぞ……世界が変わるやもしれません……」
え?私またやらかしちゃった?
私は、ターコイズ公爵のお屋敷に歓迎され、歓待されることになってしまった。
そして、またエスパーニャの王様から呼び出しを食らう事になってしまったのよ?
読者様へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。
続きが気になると感じて下さいましたら、
☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。
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