第27話 叙爵お披露目パーティー3



 一通り男子の挨拶が終わり、私は解放された。


「ふぅ、やっと終わったわ」


 ひと段落して休憩しようとしたら、金髪縦ロールで緑目の可愛いアンジェが私の元へやって来た。


「おめでとう!マリィ♡」


「あ、アンジェ♡久しぶり!」


「びっくりしましたわ!まさかマリィが戦争に参加していただなんて……あまり心配させないで欲しいですわ?」


 そっか、アンジェには心配かけちゃったかな?


「アンジェには言ってなかったね……でもちゃんと帰って来たよ!」


「マリィは、お強くなられましたわ♡わたくしのお友達が空の上のような存在になってしまったかと思うと……わたくしなんか相手にされなくなるんじゃないかって心配で……夜も眠れないのですわ?」


 私はアンジェを、とても大切な宝物のように抱きしめた。


「アンジェ……?大丈夫だよ?アンジェは私の大切な人なのよ?王都にはいつまでいる予定?」


「しばらくは、いる予定ですわ?」


「それなら私の屋敷に泊まらない?来て欲しいの♡」


「ええ……もちろんですわ!」


 あぁ……アンジェ可愛いよ!アンジェ!

 私はアンジェに頬ずりすると、耳元でささやいた。


「好きだよアンジェ♡」


「マリィ……わたくしも……」


 再度、私はアンジェをきつく抱きしめた。もう離さないという願いを込めて。


「それじゃ、アンジェ、屋敷の方で待ってるからね?」


「いいわ!また後で、会いましょう?」


 そう言うとアンジェは、ターコイズ公爵の元へ歩いて行った。


 公爵も来ていたようだ。挨拶に来るのは子供ばかりで大人は挨拶には来ない。


 これは、私が子供だという事もあるけど、子供同士の顔合わせの意味合いが強いと考えられる。次の世代の人脈づくりのようなものだろうか?どうでもいいけど?


 アンジェが私から離れると、私の彼女のセーラとライリーちゃんがやって来た。

 二人には私から婚約指輪を渡してあるので、男は寄ってこないはずだ。


 アンジェにも、私の婚約指輪を渡してあげたいと思っているので、あとでアンジェにプレゼントしようと思う。


「マリィ様……叙爵おめでとうですわ♡さすがマリィ様です」

「マリィ様。おめでとうございます。マリィ様はついに英雄となられたのですね?」


「ありがとう。セーラ♡ライリー様♡」


 私はセーラとライリーちゃんを、順番に愛情をこめて抱きしめてあげた。

 セーラもライリーちゃんも、私の大事な恋人だから。


 二人の指には、私があげた婚約指輪がはまっていた。


 ちゃんと付けてくれているのね?嬉しいわ。

 二人とは、もちろん本当に結婚するつもりなので、婚約指輪をあげたのよ?


「魔法の方は大丈夫?」


 セーラは、水系魔法が使える。ライリーちゃんは土魔法で、私が教えてあげたから問題は無い。


「問題なく使えています。これもマリィ様のおかげです」


「ライリー様だけなんて、ずるいですわ?マリィ様?私にも手解きお願いしますわ?」


 うん、セーラも魔法使えたのよね?魔法学校なんだから、そもそも魔法が使えないと入学すら出来ないんだった。もちろん忘れてないよ?


 セーラには、家で魔法の練習に付き合う事を約束して、パーティーは問題なく終了した。


 セルフィーさんも、何人かの貴族に言い寄られていたけど全てお断りしていた。私の恋人だから誰にもあげないよ?


 それよりも、パーティーに出席するならアンジェも危険だ。アンジェにもわたしの婚約指輪を渡しておかないと、今は攻略者達の視線は、不本意だけど私に集中しているから、今のうちに手を打っておくべきだわ。


 そして、パーティーの片付けを行なっていると、アンジェがうちに泊まりに来てくれたのよ。


「いらっしゃいアンジェ♡」


「約束通り、泊まりに来ましたわよ?」


 アンジェを私の部屋へ案内するついでに、アマンダお姉様の部屋に寄る事にした。

 

 アマンダお姉様は若返っているので、パーティーには出席出来なかった。


 それにアンジェは、お祖母様っ子なので遊びに来た時はいつも顔を出すようにしている。


 アマンダお姉様の部屋は私の部屋の近くなので、寄るにはちょうど良かった。


「どうぞ?」


 私はアマンダお姉様の部屋に入ると、アンジェに部屋に入るように促した。


「ええ……」


 アンジェが部屋に入ると……年若い色気を出した二十代くらいのアマンダお姉様が椅子に座って微笑んでいた。


「あら……アンジェじゃないの?来ていたのね?いらっしゃい?」


「お祖母様!」


 若返っているので私はお姉さまと呼んでいるけど……アンジェにとっては、アマンダさんはお祖母様なので、姿が変わっていても呼び方は変わらない。


「よく来てくれたね?元気だったかい?」


 アンジェは、アマンダお姉さまに向かって走って行き、飛び込んで抱き付いた。


「……!!!」


「おっと……元気すぎやしないかい?」


「お久しぶりですわ!お祖母様」


「それで、魔法はしっかり練習しているのかい?」


「えっと……そうですわね……」


 私は暫く二人にしてあげることにした。積もる話もあるだろうし、大好きなお祖母様に会えたのだから……。







読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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