第23話 戦争の終結と帰還
帝都を落としても、すぐに戦争が終わる訳では無い。戦争に駆り出されている部隊は帝都では無くて、前線にいる訳だから。
前線での戦いには、女神を使う訳にはいかないので、私は山脈を山越えしてきた部隊に賢者の魔法で対応した。
山越え部隊は、過酷な山越えにより既に疲弊していたので簡単に撃退可能だった。
粗方山越え部隊は片が付いて、山越えしてくる部隊は、もう越山してこないようなので、私達はもう一つのルートの海へと向かった。
帝国の艦隊のルートは、当初考えていたサンマリーナへ上陸するルートを通らず、直接エスパーニャの王国直轄領に向かったようだ。
「王都方面に直接向かったようですね」
「まずいわね……」
「追いかけましょう!マリィ様!」
「絶対に阻止するのよ!」
王都方面は、前線のサンマリーナと比べると守りが薄い。王国軍はサンマリーナに終結しているからだ。
私は王都方面に向かった船団を追いかけ、王都近郊の港に接岸しようとしている艦隊を発見した。
「アマンダお姉様見つけました!」
「人目が多い。ここは派手に全部凍らせるよ?」
「はい!」
私とアマンダお姉様は、最大級の氷結魔法を艦隊に向けて放った。
すると、十隻以上もあった帝国艦隊はすべて凍りつき沈黙した。沈没はさせていない。
そして私達は凍らせた船を、魔法で移動させ、全ての船を集めて王国軍に引き渡した。
引き渡し時に対応した王国の騎士に聞いたところ、乗っていた帝国兵は全て捕虜になるとの事だった。凍らせていたので、引き渡す時に少しずつ溶かしていくのはちょっと面倒だった。
ゲームでは、戦争はもっと長引く事になって、聖女の活躍もあったものの、それ以上に戦死者も多く……多大な犠牲を払った上で帝国を撃退し、戦争は終結した事になっていたと思う。犠牲を無くせたのは本当に良かった。
帝国にはもっと反省して貰わないといけないので、帝都以外の周辺の皇族が反乱しないようにしなければければならない。
帝都に入れなければ、自分が皇帝だとか言い出すバカが現れるかもしれないし、帝国の見張りもしっかりしておく必要がある。
攻略対象も忘れてはいけない。うろ覚えだけど……ゲームでの攻略対象であるカイン・サンマリーナには、二人の兄がいたんだけど、二人ともこの戦争で亡くなっていたので、研究が大好きなカインは、「何で私が家を継がなければならない」って感じで家督を継ぐのを嫌がっていたような気がする。
アマンダお姉様と私とセルフィーさんの活躍で、戦争も早く終結した事もあり、興味はないけど、カイン・サンマリーナの兄二人は、戦争で亡くなる事もなく健在らしい。
それから……サンマリーナの冒険者ギルドへ戻ると、戦争は終結したので、国王より褒賞が出るから王城まで来るようにと言われてしまった。
「なんか報償貰うのが怖いんだけど?」
「一番の功績者が何を言ってるんだい?」
確かに、私はアマンダお姉様と二人でかなりの帝国兵士を撃退していた。
帝国の帝都を混乱に陥れ、女の子ワールドにしたのは、百合の女神のせいにしてあるし、王国にバレることは無い。
誰も死んで無いし、殺していないので、捕虜だけは多かった。
私は味方にもバレないように、回復魔法を少しずつかけていたので違和感はなかったはずだ。
「聖女なしで戦争を終わらせるためとはいえ、やり過ぎたかなぁ……」
「マリィ様は、立派に戦われました。戦争にしては甘すぎる程です」
セルフィーさんはそう言ってくれるけど……。王様に呼ばれたなら行かなければならない。
「行ってみるしか無いよね?」
アマンダお姉様は隠居の身なので、王城へ招かれたのは、ギルドに登録している私とセルフィーさんの二人だけとなる。
王都に凱旋する王国軍の隊列……。その隊列について行くのはお断りして、私達は一足先に王都の屋敷へと帰還した。
「ただいま帰りました」
「マリィ!心配してたのよ?指名依頼とかで帝国との戦争に行っちゃうんだもの……でも、良かったわ……無事に帰って来てくれて……」
「お姉ちゃん……ただいま♡」
「お帰りマリィ♡……お嬢様♡」
うちに帰ると……サリィお姉ちゃんに思いっきり抱きつかれた。
王城に行くのは、王国軍が凱旋してからでいいだろうし、私は疲れた体をしばらく休める事にした。
そう、休める事にしたのよ?私は自分の部屋でちゃんと寝ていたし、ちゃんと休んでいたはずだったのよ?
「……ん♡……アンナお姉さん♡」
「マリィちゃん♡……ん♡」
私が寝ていると、アンナお姉さんに抱きつかれて……おねだりされてしまったの。
「アンナお姉さん♡大好きだよ♡」
私は久しぶりだったので、アンナお姉さんとの子作りを再開する事になった。
読者様へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。
続きが気になると感じて下さいましたら、
☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。
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