第20話 ライリーちゃんが遊びに来た。



 セーラとライリーちゃんが今年入学する魔法学園の入学式まであと3日という時、私とセーラの住む王都の屋敷に嬉しい来客が訪れた。


「マリィお嬢様?お友達がいらしたみたいよ?」


 誰かしら? アンナお姉さんが来客を教えてくれた。


「お邪魔します」


「あ!ライリー様いらっしゃい!」


「マリィ様♡お久しぶりです♡」


 うちにやって来たのはライリーちゃんだった。

 ライリーちゃんにはこの一年、魔法の手解きの続きをする為、何回も会いに行っていた。


 おかげでライリーちゃんは、中級土魔法を使える様になった。

 園芸魔法だった頃から比べると劇的な成長だった。


「今日はもう一度、マリィ様にお礼が言いたくて……来てしまいました」


「そんなぁ……いいのにぃ」


 ライリーちゃんを、魔法が使えるようにしてあげたのも、私がしたかったからだし……。

 魔法が使える様になったなら、使いこなして貰わないといけないし、私は最後までライリーちゃんが魔法を使える様にした責任は取るつもりだ。


「だって、こうしてお兄様と同じ学校に通えるのは……全てマリィ様のおかげですから」


 そのお兄様、助けちゃったもんねぇ……私。


「実は……私の魔法では、入学は出来ないだろうって言われてたんです……」


 え!?それは初耳なんだけど?


 ゲームでは学校に通ってたし……ちゃんと闇魔法も使っていた。


 え!?闇魔法!?ライリーちゃんは土魔法しか使えない筈……なのに……ゲームでは闇魔法を使っていたよね!?


 どういう事なの?


 ゲームでは……ライリーちゃんは、最愛のお兄様を亡くしていたから……推測に過ぎないけど、ゲームでは闇に飲まれていたとかいう設定なのかもしれない


「そっか、でもそれはライリー様が頑張った結果だと思うよ?」


 私は少しお手伝いしただけだよ?

 

「そんな……私は……マリィ様がいなかったら……一人で学校にすら通えませんでした」



 学校は通えたと思うよ?ゲームでは実際通ってたし?


「自分に自信が持てたのも、マリイ様が魔法を教えてくれたからです!いえ……違います……園芸魔法しか使えなかった私を、中級魔法まで使えるようになるまで教えてくれたからです」


 うん、それなら……。


「それで、第一王子との婚約は、断ってくれた?」


「それは……」


 ライリーちゃんは俯いてしまった。まだ断ってないのか?断り切れなかったか……。


「私はライリーを第一王子にあげる為に、魔法を教えたんじゃないのよ?」


「マリィ様?」


 ライリーは顔をあげて私を真っすぐに見つめて来た。


「私は……ライリーが好きなの!好きだから……ここまでしてるのよ?」


 ライリーの顔は泣きそうになっている。


「マリィ……ごめんなさい……私もマリィが……ぐすっ……」


「ライリー♡大好きだよ?」


「マリィ……♡私も……私もマリィが好き!大好きです♡……でも……」


 ライリーは煮え切らない表情をしている。大好きなお兄様をの事を考えているのだろう。


「お兄様とどっちが好き?」


「お兄様……ん♡……んちゅ♡……」


 私は……お兄様と言う口を、キスで塞いであげた。


 お兄様は、私より愛してくれるかしら?


「ん……んん♡……ちゅ♡……んちゅ♡」


「マリィ♡……私……どうしたらいいか分からないんです」


「ライリーは、私の事だけ考えればいいのよ?簡単でしょ?」


「……マリィが忘れさせてくれますか?」


 ライリーは心配そうな顔を私に向けていた。


「大丈夫!なにもかも、忘れさせてあげるよ?」


 私は性女の力を解放し、ライリーを優しく包み込んだ。


「ん……んあ♡……マリィ♡……んあああ♡……マリィ♡マリィ♡」


「ああ♡ライリー♡」


「好きなの♡……お兄様を助けてくれた、あの時から♡マリィの事を……考えると♡○〇○が○○になって〇○○が、あん♡んん♡♡○〇○なのです♡」


「うれしいわ♡ライリー?大好きよ♡」


 私はライリーが納得するまでライリーの事を愛してあげた。


 婚約者といってもゲームでも婚約者を差し置いて、聖女が攻略対象を篭絡していったんだから、あっても無くても支障は無いと思いたい。


 でも、婚約はこれからも阻止していくのが私の方針でもあるので、私の嫁候補は今後も死守していくよ?


 

◇◇



「で、終わりましたですの?」


 私がベッドで、裸のライリーちゃんと寝ていると……セーラが私の部屋に入って来た。


「え?……セーラ?……見てたの?」


「外まで聞こえてきましたわ?」


「そっか……ごめん……魔法で遮断するの忘れたよ」


「私の婚約者は、決まっておりませんわ!だって……私にはマリィしかいませんもの……♡」


 反則だよぉ♡セーラは私の恋人だ。それは相手に婚約者が出来ても、結婚しても変わらない不変の恋人。


「セーラ♡大好き♡」


「私もですわ♡マリィ♡」 


 私はそのままセーラと顔を合わせて口づけを交わした。


「んふんん♡……んん♡……んちゅ♡」


 ライリーちゃんはまだ寝ている。


「でも……ライリー様は、婚約を止められるのですかね?」


「何としても止めるわ!」


 それから、ライリーちゃんを起こして、お風呂に入れてからライリーちゃんの家まで送っていった。


 入学式まであと少し、私が入学するのは二年後なので、それまでは賢者の修行と冒険者活動を続けるつもりだ。







読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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