第16話 ライリーを私にください!



 私は、ライリーの部屋で寛ぎながら、今後の私の百合ハーレムについて考えていた。


 はぁ……貴族になると条件が上がっていくのが問題ね。


 来年になると、セーラとライリーは王都の国立魔法学校に行ってしまうので中々会えなくなってしまう。


 私は王都の魔法学校へ通う為に、今は学校へ入学するための勉強も教えて貰っている。文字とか計算は大丈夫だけど、貴族向けのマナーとかそういった教科もあるので覚えるのは大変だ。


 魔法学校で覚える魔法は全部アマンダお姉様に教わっているので通う必要あるの?って感じだけど……行かないと貴族として認められないんだって?どうして?


 そうだ!来年になったら一緒に王都に行って王都で活動しようかな?


 そうすれば、セーラとライリーとも会えるし……。でもシーナちゃんとアンジェは同い年だからなぁ。


 まだシーナちゃんには手を出していない。今は恋人のセーラとの仲を大事にしているので妹に手は出せない。


 さすがにセーラの前でシーナちゃんといちゃいちゃしてたら嫌われそうだから。


 セーラとシーナちゃんの姉妹丼もいいなぁと思ってしまった私は、ちょっと壊れてきているかもしれない。


「無心になるのよ!無心に」


 百合ハーレムを目指している私には、もう突き進むしかないの。


「……何が無心なの?」

 

「お兄様!来てくださったのですね?」


 おっと、考え事をしていたら、私が蘇生して助けたファルシアスが来てしまった。


「えっと、僕を助けてくれたのは君?」


 まぶしい!なんなのこのオーラ!


 ファルシアスは、乙女ゲームの攻略対象にも劣らぬ美少年だった。金髪碧眼で顔は優しく、髪型はなんというか……そう!ドラゴ〇ボールのトラ〇クスみたいな髪型で、真ん中で分けているので、サラサラの金色の髪の毛が目にかかって色っぽい。

 ライリーが大好きなのも頷ける程の美少年っぷりだった。


 ……私、こんな美少年を助けてしまったの?


「……不覚だわ」


「え?」


「こっちの話……そうよ?私の回復魔法であなたを助けた。それだけの話。ライリーちゃんが泣いていたから、可哀そうだからついでに助けてあげたのよ?」


「ははは……面白い子だね?」


「僕はついでに命を救われたって事?」


「そうね……ライリーちゃんを助けるついでよ?」


「くっ……あっはっはっ!面白い!気に入ったよ。こんなに面白い子は大好きだ。良かったら僕のお嫁さんになってくれないか?」


 なんですって?なんて言ったのこの子!?あなた攻略対象じゃないでしょ?  


「お兄様!?」


「ごめんなさい……私……女の子が好きなの」


「あはは!そう来たか!あはははは!いいねぇ……ますます気に入ったよ?」


 ファルシアスは手を叩いて笑い転げていた。

 

 効かない!?どうして?女の子が好きなの砲が全く通用しないなんて……。


 ……これは強敵だわ。


「……えええ」


「女の子が好きねぇ……まさか妹を狙ってたりする?」


 ギクッ!こいつ……感が鋭くない?


「その顔は図星とみていいのかな?なるほどねぇ……」


「くっ……」


「でも、ライリーには婚約者を作って将来は結婚が待っているよね?」


「ライリーは、私が貰うわ!」


「ほう……子供はどうするんだ?作れるのか?」


「それは……何とかするもん」


 性女の力と女神の力を合わせれば何とかなるかもしれないけど。今は言えない。


 ちゃんと考えてはいるんだ、女の子同士で子供を作る事くらい。それくらい出来ないと百合ハーレムなんて作れない。


「だからライリーを私にください!」


「ははは……本気なの?」


「私はいつでも本気よ?」


「あの……お兄様?私は……お兄様が好きです」


「えっと……ライリー?僕が好きなの?兄妹としてだよね?」


「いいえ……男としてお慕い申しております」


 あら……ライリーちゃん言っちゃったよ?


「いいじゃない?兄妹愛。私も混ぜて欲しいな?もちろん欲しいのは妹だけよ?」


「ええ……だけど……」


「二人とも私が貰うって言うのはどう?偽装結婚。そして私はライリーを。ライリーはお兄様と結ばれるの」


「そんな事できるのか?」


「難しいでしょうね。跡取り息子だし?」 


「だから……私が跡取りになればいいのよ?」


 ――そしてこれから始まる壮大な計画を私は考え始めた。



◇◇



 そう、私の百合ハーレム計画は、今こそ次の段階へと進む時なの。


 この計画で、一番の問題は跡取り問題。


 女の子同士では子供が出来ないって事。これが今乗り切らないといけない山となる。

 これは今開発中の魔法で何とかなりそうな段階まで来ている。


 やはり女神の力が大きい。

 

 3柱の女神、一人目は生命を司る、生命の女神クロッティ。回復と蘇生はこの女神の力によるもの。生命の女神クロッティがいる限り私に死は訪れない。ある意味不死と同じ意味を持つ。


 この生命の力を用いて性女の力を合わせれば、生命の誕生を司る事が出来る。


 これを試したいけど、私はまだ9歳なので子供誕生までは……まだたどり着いていない。  


 二人目の女神は、寿命の女神ラキシス。生物の寿命を延ばす事が可能になる。

 エルフなどの長命な人種はこの女神の恩恵を受けている。もちろん自分の寿命も伸ばすことが可能で、実際に自分に試したけど効果のほどは良く分からない。


 セルフィーさんといつまでも一緒に居たいので、エルフ並みに伸ばしたけどいつになったら分かるかなぁ。


 三人目の女神は、死の運命の女神アトロポス。生命の運命を絶つことが可能になる。

 これは不死の魔物や不死属性のリッチなどにも有効で、そのものに本当の死を齎す力がある。浄化魔法などはこの女神の力によるもの。

 もちろん不死ではない生きている者にも有効なので、この女神の即死魔法からは誰も逃れることは出来ない。ある意味最強の魔法だ。



 えっと……よく考えたらこの女神の力凄くない?私……ほぼ神様じゃない?



 ということで、子供の問題は何とかなりそうなのよ。


 次に問題になるのは、法律とか世間体とか貴族のしがらみとか?あとは宗教とか?

 とにかく女同士の結婚を認めるところまでいかないとこの計画は進まない。


 これでだめなら、もう法律を作るしかない。


 女神の力を前面に押し出して、女の子同士の結婚を広げていくの。そして同性結婚を認める法律を作る。


 最終手段は……百合王国の建国!


 私が女神になって、同性もOKな王国を建国するのよ!


「そして、私は神になる!」


「マリィ様?神様におなりになるのですか?」


「え?ライリー様?聞いてたの?」


 聞かれちゃったじゃない。恥ずかしい!もう。


 とにかく当面の婚約は阻止しないといけない。





読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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