第12話 アンジェリーナと仲良くなった



 私はアンジェリーナとお友達になった。

 歳は私とシーナちゃんと同じ八歳なので話しやすいし、なんと言っても……アンジェリーナは私に懐いてしまったのだ。


 ゲームに出てきたアンジェリーナは、第三王子の婚約者で、マリィを虐める悪役令嬢として登場していたので、私はゲームとのギャップに困惑するばかりだった。


 第三王子って実はBLだったりする……。ブラコンで確か……弟を溺愛していたような記憶がある……。なんとも腐女子に受けそうな感じだけど……。


 ゲームでアンジェリーナがマリィを虐めていたのは、BLな婚約者の第三王子にマリィが接触したせいかもしれない。だって、第三王子は攻略対象だから、仕方がないじゃない?


 そう考えるとアンジェリーナには同情してしまう。こんなに可愛くていい子なのに……婚約者がBLでは可哀想だと……。



◇◇



 アマンダお姉様との用事を済ませた私は、金髪縦ロールのアンジェリーナの部屋に呼ばれたので、今は部屋にお邪魔してアンジェリーナとお話ししていた。


 アンジェリーナは、ソファに座って私の隣で、にっこりと笑っていた。

 縦ロールはフワフワとしていてなんか可愛い。 


「気になってたんだけど、アンジェリーナって、長くて呼びにくく無い?」


「でしたら、わたくしの事は、アンジェとお呼びになっても良くってよ?」


「それと……マリィ様はやめて欲しいんだけど?」


 私はアンジェリーナの事をアンジェと呼ぶことになり、アンジェは私の事をマリィと呼んでもらうようにしてもらった。


「ねぇマリィ?わたくし、お祖母様のことは、本当は……もう諦めかけていたんですの……」


「アンジェ?」


 アンジェは天井を仰ぎ見ながら、アマンダお姉様の話をはじめた。


「2年もかけて、お祖母様の治し方を調べましたけど……わたくしには、何も出来ませんでしたわ?」


 まぁ多分、あの呪いを解くには、聖女くらいの力が無いと無理だと思う。


「それは仕方が無いよ?アマンダお姉様の呪いは、アンジェのせいじゃないでしょ?アンジェは頑張ったんだよ?だって、私をここに導いてくれたじゃない?」


「そ、そうかしら?」


「そうだよ?私がここにいるのが証拠だもん。アンジェがいなければ、私もここにいないよ?」


「いいえ、やっぱり……マリィがいなければ……私は、駄目でしたわ?」


 アンジェはそう言うと、私をギュッと抱きしめて……熱い抱擁をしながら話し続けた。


「アンジェ……」


「マリィ……ありがとう。今だけは……マリィ様と呼ばせて?」


「もう、しょうがないなぁ……アンジェは」


「マリィ様♡……」


 私は、興が乗ってしまったので、つい性女の力を使ってしまった。


「アンジェ♡アンジェって綺麗な髪で素敵。とっても可愛くて大好き♡」


「んふふ♡……マリィ様も可愛くてよ?わたくしもマリィが大好きですわ♡」


「アンジェは、婚約者はいるの?」

「まだいませんわ?」

「そう、なら婚約するなら、第三王子と第四王子は止めなさい?今なら間に合うわ?」


「あら、マリィ様がそう言うなんて、何かあるのかしら?」

「いい?アンジェが幸せになりたいなら、私の忠告は聞いておいた方がいいのよ?」

「あら、怖い♡マリィ様ったら予言の力もあるのかしら?」

「そ、そうね?そんな感じ?」


「そうね、理由は教えて頂けるのかしら?マリィ?」


 言っていいのかな?この情報。でも……仕方ないよね?アンジェを救う方法がこれしか思いつかないんだもん。


「第三王子のユミル様と、第四王子のエルクは出来てるのよ?」


「……え!?出来てるって?どういう事なのかしら?」


「第三王子のユミルは、エルクが好きなのよ!男が好きなの!あの王子は!だからやめときなさいな。絶対に幸せになれないわ。……それでも、もし断れなくて……ユミルの婚約者になってしまっても、私がアンジェを慰めてあげるから……」


「あら……そうなんですの?でも、私のお相手は、私が決める事では無いのですわ」


「だったら、そうね結婚するまでは、いえ結婚しても、アンジェは私の大事な、大好きなお友達♡そして……もっと、もっと大事な人だよ?」


「マリィ様は、わたくしにとっても、大好きなお友達ですわ♡」


 アンジェの顔が少し赤い。ちょっと恥じらいがあるようね。


「ねぇ、私の事どのくらい好き?キスできるくらい?」

「な、なにをおっしゃるの?そんな、キ、キスなんて……」


 ちょっと性女の力が足りないようなので、私は力を解放した。

 アンジェの首に手を回して、アンジェの可愛い唇にキスをしてあげた。


「ん……んはぁ♡……んん……ちゅ♡」


「キスなんて何?」


「キス……なんて……素敵なのかしら?……もっとして下さる?」


「いいよ?大好きよアンジェ♡」


 私は、アンジェに気がすむまでキスをしてあげた。


 アンジェとは、離れて暮らすことになるので、恋人にするのはまだ早い。



◇◇



 王都の学校に通うようになったらアンジェは、シーナちゃんと同じ同級生になる予定なので、早めに仲良くなれたのは良かったと思う。


 あとは、アンジェが悪役令嬢化をしないように、私がちゃんと監視して見てあげないといけないかもしれない。


 せっかくアンジェと仲良くなったのに、私は、早々にセルクロッド伯爵領に帰ることになった。アマンダお姉様は、隠居して私に付いてくることになったので、アンジェはとても寂しがっていた。


 仕方ないけどアマンダお姉様は、私の師匠なので譲れないよ?


 その後、アマンダお姉様に会いに行くという名目で、ちょくちょくとセルクロッド伯爵の屋敷にアンジェが私に会いに遊びに来るようになったのは言うまでもない。


「また遊びに来たわよ!マリィ♡」


「いらっしゃい!アンジェ♡とてもうれしいわ♡」


 そして、アンジェが遊びに来るたびに、私達の友情?愛情?は育まれていったの。

 もう、親友といてもいいくらい。アンジェとは仲良くなった。


 もちろん彼女のセーラも、シーナちゃんとも仲はいいよ?


 アマンダさんとの賢者としての修行も始まり、アマンダさんは私がすでに四大属性中級魔法や、重力魔法などが使える事に、大層驚かれていた。


 セルフィーさんは私と一緒に、アマンダさんとの修行に参加して一緒に頑張っている。


 そんな日々が一年続いたある日、セルクロッド伯爵領の西側のサントルデ辺境伯領で事件が起きた。







読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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