第6話 八歳の日常と非日常



 私は八歳になり、冒険者ランクはBまで上げたけど、私のハーレム計画はセルフィーさんで止まっていた。あまり欲張りすぎて手を出し過ぎても良くないのは分かってはいる。前世のように失敗したくはないし……。


 でも、そろそろ……もう一人増やしてもいいかな?



 私の朝は、サリィお姉ちゃんから始まる。


「おはよう♡サリィお姉ちゃん♡ちゅ♡」


「うん、おはようマリィ♡ちゅ♡」


 おはようのキスとお休みのキスは、忘れずに習慣になっていた。

 

 私のお姉ちゃんは、私より5歳年上なので、今は13歳だ。


 もう、おままごとは必要なくなった。だってサリィお姉ちゃんと私は恋人だから。


 あれからサリィお姉ちゃんの胸も成長して、13歳にしては大きくグレープフルーツくらいの大きさになっていて、私はサリィお姉ちゃんの柔らかい大きな胸に抱かれていつも寝ている。


 サリィお姉ちゃんは優しいので、一緒にお風呂にも入ってくれるし、隣のアンナお姉さんの所にも私と一緒に行くようになった。


 いつも、私の嫁のアンナお姉さんと一緒にご飯を食べたり、お菓子を貰ったりしている。


 アンナお姉さんは私の10歳年上なので、今は18歳になっている。年頃のアンナお姉さんには、言い寄ってくる男が何人か来ていて、アンナお姉さんの浮気が心配だ。

 だから、嫌らしい目でアンナお姉さんを見ている男が近寄ってきたら、親子のふりをして追い払っている。


 もう、私の嫁には指一本たりとも、触れさせないんだから!


 アンナお姉さんは、暖かい目で私の行動を見守ってくれるけど、子供扱いされてないよね?


「マリィ?今日は、朝ご飯どうするの?お昼は?」


「朝はお姉ちゃんと食べるよ?お昼はアンナに作って貰うから……向こうで食べる予定だよ?」


「それじゃぁお姉ちゃんも、お昼はアンナさんにご馳走してもらおうかな?」


「うん、それじゃ朝ごはんは……今日はお母さん?」


「ううん、今日はセルフィーさんが作ってくれるから、もう出かけたよ?」


「えぇ?もう出かけたの?」


「うちは、朝早くから仕事があるから、仕方ないよ……」


 そう、うちは農家で仕事はあるのに貧乏だった。そう、だった。


 最近はセルフィーさんと私が、両親の何倍も冒険者として稼いでいるので、もう貧乏じゃないんだよ?


 もっともっと稼いだら、そのうち私の家族には、もっと大きな屋敷に住まわせてあげるつもりだ。


 台所に顔を出すと私の恋人セルフィーさんが、テーブルに料理を並べている所だった。


 セルフィーさんが来てからうちの食卓は、メインが野菜から、肉料理に変わった。

 私と森に入るついでに、ご飯のおかずまで取ってきてくれるから助かっている。


「マリィ様、もう出来ますので、椅子に座って待っていてください」


「うん、ありがとうセルフィー♡」


 セルフィーさんは私が来ると、手を止めて優しい笑顔で迎えてくれた。



◇◇



 朝の食事が済むと、次はセルフィーさんとギルドに顔を出しに行く。めぼしい依頼が無いかチェックしてから狩りに出かけるためだ。


「いってきます!」


 お姉ちゃんは、家の手伝いでほとんど家にいるので、いつも外に出稼ぎに出ている私を心配していた。


「今日も行くの?怪我しないようにね?無茶はダメよ?」


「大丈夫だよ?セルフィーさんも付いてるし?」

 

 ギルドに寄ってから、今日の獲物を探しに行く。


 今日は、お昼には帰ってくる予定なので、比較的浅い森にいる獲物を狙う。


 ついでに、可愛い女の子は落ちてないかな?


 こんな農家ばかりの僻地に美少女が落ちている訳もなく、お昼まで狩りをした後。帰ろうとした所でセルフィーさんが立ち止まった。


「どうしたの?セルフィー」

「いえ、ちょっと気になる音と気配がしたもので……」


 セルフィーさんは、気配察知も出来るけど耳が良い。


「気になるなら行ってみようか?」


 セルフィーさんが気にするなら何かあったんだと思うし、行ってみる事にした。


 一応何があるか分からないので、用心しながら気配があった方へ近づいていく。


「ここは……」


「崖みたいだけど?何もないんじゃない?」


 気配のあった場所に着くと何も無かった。魔物らしきものもいないし……。


「……下かもしれません」


「え?この崖の下に何かあるの?」


 セルフィーさんが下が怪しいというので……恐る恐る崖下をそっと覗いてみたら……馬車が……大破した馬車が落ちていた。


「ねぇ……見つけたよ?下に……何か落ちてる……」


 セルフィーさんも確認したようで、難しい顔をしていた。


「この落差では……生存者はいないかもしれません」


 セルフィーさんは、それでも行くんでしょう?


「分かったわ連れてって!セルフィー!」


 私の力なら助かる命があるかもしれない。そう言いたいのは分かっていた。


 セルフィーさんは、私をお姫様抱っこすると、風魔法を体に纏い空を飛んだ。


 ええ!?飛んでるよ?ええ!?セルフィーさん飛べるの?


「しっかり掴まっててください」


「もう飛ぶなら先に言ってよ!?」


 セルフィーさんに捕まり、崖下に降りると……大破した馬車の周囲に、ばらけた積み荷に……大人が二人と子供が一人、大破した馬車の下敷きになっていた。


 着ている服からみて貴族に間違いない。面倒ごとに巻き込まれそうな気がした。

 見た感じここの領主とかでは無さそうだけど。

 

「マリィ様……助けましょう」


「はぁ……もう」


 覚えたての重力魔法を使って、馬車を軽くし退けると……虫の息というか、ほぼ手遅れのような感じで……普通だったらあと数時間で死んでいただろう怪我を負っていた。

 大人の方は夫婦のようで夫人と旦那様って感じの服を着ていた。


 そして子供は……とても可愛い女の子だったけど、既に手遅れで……。


 私は、躊躇なく蘇生魔法を女の子に掛けた。すると、女の子の体に生気が戻り、顔色も良くなったので、大人2人と女の子に上級回復魔法を掛けると、落下と馬車の下敷きになった時に負った傷が全て綺麗に治っていった。


「これで……命は問題ないけど、このままにはしておけないよね?」


「そうですね……馬と御者がいれば馬車を魔法で修復すれば……」


 そういえば……これ馬車なのに馬がいないし、御者も見当たらなかった。


 逃げたのかな?馬ごと? 何か怪しいなぁ。暗殺の匂いがする……。


 やっぱりこのままにはしておけないよね?


「仕方ないか……」


 私は3人を浮かせて、家まで運ぶことにした。そう重力魔法で。


 周囲を警戒しながらの帰りだったけど……セルフィーさんに警戒してもらっていたので問題なく家に着いた。


 助けた3人は増築してあったうちの空き部屋に運んで、ベッドを用意して寝かせてあげた。ふぅ……疲れたよぉ……。


「あらあら、また拾って来たの?今度はだれ?」


「お姉ちゃん……えっと」

 

 お姉ちゃんが、私を心配して見に来たくれたので、彼女らを助けた経緯を話すと、来客用にご飯を用意してくれるって言ってくれた。


「お貴族様じゃないの?ちょっと!大丈夫なの?」


 あ、ご飯って言えば、今日はアンナお姉さんとお昼を食べる予定だった!


「えっと……多分……この人達、暗殺されかかってたからちょっと匿っておくかも?」


「えええ!?」


 それからアンナお姉さんには、家に来てもらって一緒にお昼を食べることになった。

 うちのお野菜をふんだんに使った野菜炒めに、私が取って来た魚のムニエルに、鶏肉の和え物。うん美味しい!


「やっぱりアンナお姉さんのご飯は最高だよ♡」


「うふふ……いっぱい食べてね?お姉さんの力作だよ?」


「確かに美味しいですね……もぐもぐ」

 

 セルフィーさんも一緒に食べてくれて、今日の昼は最高に幸せだった。


 それから、3人の意識が戻ったと聞かされたのは数時間後だった。






読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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