第3話 エルフのお姉さんを拾った


 私がマリィに転生してから1年が経った。


 アンナお姉さんとの結婚生活も順調で、サリィお姉ちゃんとの仲もいい。


 問題があるとすれば……出会いが無いという事。


 何処かに私のハーレムに相応しい可愛い女の子はいないものだろうか?


 そもそも農家と言うのが良くない。


 とにかく近くに人が少ないのだ。


 七歳の体で行けるところに、家は数えるほどしか無い。この辺りは町というよりは村という感じだ。

 この町の名前は何だったかな?イノールだっけ?


 同じくらいの年の子や、私よりも小さい子に可愛い女の子がいない事はないけど、たとえ将来を誓い合ったとしても学校にも行ってないので、スクールライフも楽しめないし、私には聖女として王都に行く運命が待っているので、聖女認定された時に王都まで同行させるなんて事は年齢が下がるほど難しい。


 従者として連れて行けるとしても、ギリギリお姉ちゃんとお姉さんくらいだろう。


 そんなことを考えていたら……。森の入り口で倒れている人を見かけてしまった。


 男だったら見なかったふりして、見捨てていたかもしれないけど。私は見てしまった


 綺麗な白に近い銀色の髪の美少女。その耳は尖っていて……とても綺麗な人が倒れていた。


 私はその倒れた人に近づいてみると、あちこちに傷があって……背中には大きな傷が……綺麗な顔にも醜い傷があって血が流れていた。


 致命傷になったのは、腹部の傷だろう。魔物に噛まれたのか……無惨な事になっていた。


 これはもう、死んでると思ったけど……。私は迷わずに聖女の力をその女の人に使った。


 何でもいい!この人を助けられるなら!


 回復魔法を……かけてもだめ?それじゃ修復魔法?……これじゃ無い!上位回復魔法は?え?……これも効かない!?……もう、だめなの?


 神様!この人を助けて!


 その時、頭の中に一つの魔法が浮かび上がった……これって?蘇生魔法!?


 ……私は、それに賭けた。


 初めて使う蘇生魔法。多分神様が私に教えてくれた新しい魔法。


 倒れている女の人に、新しく覚えた蘇生魔法をかけると……息を吹き返した。


 まだだ!大きな傷が残ってる。


 私が上級回復魔法をかけると……綺麗な女の人のお腹の致命傷、顔の傷、背中の傷がみるみるうちに治っていった。


 聖女の力って凄い。


 私は、倒れていた綺麗な女の人の目が覚めるまで付き添うことにした。


 だって、そのままにして置けないし?


 重いから運べないし?


 こんなに綺麗な人を、放って置けなかったから。



◇◇



 銀髪の綺麗なお姉さんの意識が戻ったのは、それから約二時間後だった



「ん……は!!ここは!?」


「おはよう?綺麗なお姉さん?」


 綺麗なお姉さんは自分の体を触って、傷の確認をしている。


 傷は治してあげたけど、破けた服に傷付いた防具、大量の血の跡は残っている。


 そのどれもが、その人が致命傷を負っていた又は死んでいたことを物語っていた。


「私は確かに……ここまで逃げて来ましたが、力尽きて死んだはず……なぜ生きているんでしょう?……それに致命傷を受けたはずなのに……全て?消えているなんて……あり得ない……」


 綺麗なお姉さんは何かブツブツ言っているけど助けたのは私だから!


「綺麗なお姉さん?どうして死んでたんですか?」


「え?死んでいたのですか!?そう……ですね……死んでいた……のですね」


「お姉さん綺麗だから、私……思わず助けちゃったけど?」


「そうですか……貴方が私を助けてくれたんですね?ありがとうございます!よく分かりませんが、死んだところを助けて頂きありがとうございます、心優しき少女……」


 綺麗なお姉さんが聞かせてくれたのは、これまでの経緯、何故あそこで死んでいたのかだった。


 

◇◇



 綺麗なお姉さんの名前はセルフィー。やっぱりエルフだった。


 ゲームでは見てない名前だった。


 この時点で死んでいたんだから登場人物として出て来なかったとも考えられる。


 セルフィーは冒険者で、仲間に罠にかけられ大量の魔物に襲われ、何とか必死に倒しながら逃げて来たけど、ここで力尽きたという事だった。


 何よ……その仲間許せない!


 仲間と言っても臨時で組んだパティーだったらしく、知り合いでは無かったらしい。

「あぁ……優しい少女……お名前を教えて下さい?」 

 

「私はマリィだよ?」


 セルフィーさんは、私をじっと見つめて……跪いた。


「ありがとうございます!マリィ様。私は確かに死んでいました。私を蘇生した力……貴方は、貴方は聖女様に間違いありません!是非!私をお傍に置いて下さい!私は、生涯あなたをお守り致します!この命にかけて!」


 えっと、私……聖女ってバレちゃった?


「はぁ……内緒だよ?確かに私は聖女だけど?」


「御意に……」


 それから私は、セルフィーさんを連れて家に帰った。


 家族には、私の配下として紹介した。


 まぁ確かに親は、なんとも納得しなかったので、私専属の家政婦として雇ってもらった。


 セルフィーさんは給金はいらないと言っていたけど。うちは、貧乏なので一緒に働いてもらう事で家に置いてもらう事になったのだ。


 





読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。


これは、百合ハーレムを目指す女の子の物語です。


続きが気になると感じて下さいましたら、

☆☆☆♡にて評価コメント、応援よろしくお願いします。

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