第77話
「もー、壁しかないじゃないですかー!」
開けた扉の先は全てが壁でした。
エスカレーターに着くと、
そんな事を考えている間にも、
わかりますでしょうか? 今、
「あっ」
その後、
広間から登れる階段のほとんどは行き止まりでした。地下に降りる時は階段が途中で切れていましたが、こちらの場合は階段を登ると天井が近づいてきます。つまりは、二階への開口がなされていないんですね。よって……階段は天井まで接して終わるのです。いったい、この階段に何の意味があるのでしょうか。いえ……愚問ですね。意味がないのに意味があると見出してしまった方の館です。常識を語ったら負けなんでしょう。
「ちなみに、そういう階段は【無用階段】と呼ばれとるんやで」
平安名さんは無用階段に苦しむ
結局、すべての階段はニ階に通じてはいませんでした。
そこで
「いや……何となくわかってましたけどね」
期待したシャッターの向こう側は、壁でした。ここまで何度も何度も、扉の向こうの壁と対面してきた
「そういうシャッターは【純粋タイプ】って言うんやで。だから、これは【純粋シャッター】っちゅう事や」
そうですか……。【純粋タイプ】の芸術を見せられる度に、
そうだ……コムさんの方のシャッターも【純粋シャッター】だったんでしょうか? ちょっと見てみましょう。
そして……それは念願の二階へと通じるものでした。
結果としては……
きっと、この怒りは【純粋タイプ】でしょう。
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