第63話
さて、いつもとは逆……先に
「こんばんじゃ~。呼ばれて飛び出てやってきました、アタイの名前は Delphyne 蛇理亞。今日もよろしくなのじゃ~」
呼んでません。はい、よろしくお願いします。
「お久しぶりです。瀬戸ですー」
はい、お久しぶりです……って、そこまでお久しぶりではないですよね。瀬戸さんの物語を伺ったのは最近の事でしたし。
「お久しぶりです」
コムさんは挨拶に即応できるくらいには、現況に適応しています。まあ、知らない人ではないですから警戒する必要はありませんけど……いったい何の用むきなんでしょう。
「今日はじゃな~、アタイと弥生で盛り上がった話題のお裾分けに参ったのじゃ~」
「布教活動と言った方が適切ですけどね」
デルピュネーさんが口を開くと、瀬戸さんがそれに続きました。布教活動と言いましても……そもそもここは死後の世界ですから、世俗宗教が伝播しやすい世界ではありませんよ。考え直してくれませんか?
「それで……何を布教しに来られたのですか?」
コムさんがツッコミを入れてくれました。冷静なツッコミです。頼りになりますね。
「はい。それはもう……私の趣味の話ですよ」
瀬戸さんが答えました。彼女の趣味ということは……間違いない。【オカルト】でしょうね。
「その趣味の話はアタイにも繋がりがあってじゃの……是非とも聞いてもらいたくて披露しにきたのじゃ~。心して聞くとよいのじゃ~」
デルピュネーさんがそう言うと……見慣れた室内が暗転しました。どうやら場を整えているようですね。
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気づけば室内は学校の教室のようになっていました。
「はーい、注目してー」
「傾注するのじゃ~」
先生のような喋り口を模倣した瀬戸さんとデルピュネーさんは教壇に並び立っています。デルピュネーさんは指し棒まで持っていますね。突つかれたくはないですね……しょうがないです。注目するとしましょう。
「今日はですね、歴史上の事件を解決しようと思いまーす」
「解決するのじゃ~」
わー、パチパチパチパチ。とりあえず様子見として、流れに身を任せたまま……
「しかもですね……事件の解決の鍵は【陰謀論】でーす」
「鍵は【陰謀論】なのじゃ~」
「え……【陰謀論】ですか!?」
あれ? 何故だか三人目の声が聞こえてきましたね。嫌な予感を感じながら……
つまり、
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