第24話
「私は重量感のある音と共に閉じられたドア、そのドアハンドルを押し引きしたのですがピクリとも動きませんでした。ドアが閉まった時にロックされたようです。そのドアハンドルの上部には暗証番号式のデジタルドアロックが付いており、0から9までの数字のキーと入力を確定するENTERキーが並んでいます。おそらくは、それで謎の解答を入力するのでしょう。傍らには文書が記載されていました。そこには『※入力は1度のみ許可されます』と書かれていたんです」
乃済さんが足を踏み入れたトレーラーハウスで催される脱出ゲーム。かなり本格的みたいですね。確かに語られた通りにドアには暗証番号を入力する装置が取り付けられていました。
そして
「せっかくですし……私の体験した脱出ゲーム、皆さんもやってみませんか?」
おぉ……これは面白い試みですね。楽しそうですし、やってみたいです!
「やります!」
「それでは……どうぞ。ご自由にトレーラーハウスの中を探索してください。頑張ってくださいね」
両手を広げながら……
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
「
「ん……了解」
コムさんは適当に返事をすると……
さて……
「そりゃ、出ないですよね」
蛇口から水が出てくることはありませんでした。それは当然ですよね。設定上は移動中のトレーラーハウスなんですから、上水に接続されているわけがないんです。別に閉める必要はありませんでしたが、
そういえば……水は出ないけど、照明は灯っていますね。どうしてでしょうか、ちょっと聞いてみましょう。
「乃済さん、お水が出ないのは理解できるんですけど……電気はどうなっているんですか?」
「それは……私にもわからないんですけど、何処かに発電機があるんじゃないでしょうか」
「多分だけど、外付けで発電機が付いてるんじゃないかな」
乃済さんが明確な回答を返すことが出来なかった代わりに、コムさんがそれっぽい回答を用意してくれたようです。まったく、美人に甘い人ですね。
質問を終えた
「って……あった。でも……何? これ?」
まさかの一発ツモ。いきなり当たりを引いて、
【次丁巳】
そう書かれていたんです。なんて読むんですかね、これ……。とりあえず、わからない事は後回しにするとしましょう。
そして、
【九十九百恵】
「誰?」
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