第5章カルダール紛争と風神ジン

第1話 レクチ行って女王やって、カリアナ行って酒飲んで

 もちろん行くのはレクチ。カルダール紛争に関与するなら夏休みと9月くらいを全部使って関与しないと駄目だと思う。なのでレクチで傭兵女王を再開するのだ。今回は2倍の人員……と思ったら5パーセントの人は無料で雇えるようになったので実質無限。傭兵の数にも上限はあるけど。


 今回は値引き前で5パーセントの人はレクチで雑用をやって貰って、10パーセント以上の人たちで船団を組み交易をすることにした。レクチの穀物をジダンに運び、ジダンから香辛料などを運ぶ。ほおって置くだけでウッハウハである。私は4人乗りドローンで着いていくだけ。海賊も出るけど、要求は突っぱねる。攻撃してくれればオッケー、反撃のマジックキャノンで船ごと破壊する。私の魔法は戦闘艦すら破壊できるのだ。もしかしたら魔法スキルを整えた方が強いかもしれない。


 ところでスキルだけど、貫通力強化とマジックキャノンはLv10にした。取っていってわかったけど、5万ドルエン、6万、7万、8万、9万、と上がるようだ。しかし射程距離増加では6万ドルエン支払ったあとは全部1万ドルエンですんでいる。解体剥ぎ取りに関しては1ドルエンだった。値段が設定されてないのかもしれない。解体剥ぎ取りスキル時代に効果はあったよ。トレーニング効率も1ドルエンだったな。天買人も上位職は作りきってないのかもしれない。原型は廃棄された職らしいしね。

 とりあえず、マジックコートの上位スキルオーバーコート外套とマジックコートをLv10にしたら時間を計ってレクチから離れることにする。というのはこのスキル……。


「いだっ。また誰か私の頭上に石投げやがったな。オーバーコートは自動展開する空間防御スキルだけど判定がでかくてまいる。オーバーコートに当たると痛いんだよ、マジックコートを発動しておかないと痛みの軽減率が低いから。私は痛いのは痛いんだよ……」


 というわけ。狙われたところから一番近い皮膚に衝撃が発生する。いたい。子供は空中で止まる石をおもしろがって石を投げるから。まったく。

 そんなわけで上げきっておかないと大きな範囲で痛いが発生して動けなくなる危険があるのだ。

 マジックコートLv5同時使用で痛みはほぼなくなるんだけどね。

 普通なら1次防御でオーバーコート、2次防御でマジックコート、3次防御で実物での防御となるはずなんだけどね。ちょっと取って失敗した感じがする。死ににくくはなるけどね。いたいのはいやだよう。




 ヘックスにもドティルティにもジダンにも近いレクチって凄い住みやすい場所で、弱点なのは交易力くらい。私も全部終わったらここかレングスに住みたいなあ。今はオーバーコートLv7でマジックコートLv8。マジックコートはLvが上がると急激にマナ消費が増えることがわかった。Lv5~6がちょうど良いみたい。

 コート類お金一気に使って取っちゃおうかな。もうちょっとここにいたいな。他スキル同時使用はLv5にしたし、マルチプルショットもLv5まで取ったし、複数ターゲット可能化もLv4まで上げた。5人同時魔法攻撃できるなら魔法主体でも良いな。


 4人乗りドローンに乗ってぷかぷか浮いてるとそんなことばかり考えてしまう。でも魔法銃士ってかっこよくない? よくないか。


 夏休みに入った。よし、カルダール紛争へ行こう。ここは快適すぎるし。道はアマールから出ている。Orderの契約はまだ生きてるからね。


 傭兵をまとめて解雇してからレンタル船も返して、ほくほくした金銭状態でジダンへ。今回はマジックポーションを自動追尾させているGTWー200に満載してジダンからアマールはスピリナへ。この200ちゃんは現在唯一のレンタル船。Orderの船に護衛されながら数回戦闘を挟みつつ、カルダール地方の大都市カリアナへと到着。


 5000もするマジックポーションを売り払いレンタル屋にGTWー200を返し、宿屋を確保してから一番栄えていると言われている酒場へ。

 まあ大都市なんでそこら辺中に居酒屋はありますけども。この酒場には今回の首謀者が頻繁に来ているというわけでして。


「っかー、やっぱ酒はうめえな! ここ最近戦闘をしてないから体がうずうずしてるぜ!」

「ごめんねぇアルダスさん。交易だと船同士の戦闘になりやすいからね」

「ジダンで解雇した状態で交易してくださっても良かったんですよ」


ルウラさんはそう優しくほほ笑みかける

「まあ、死なせちゃったと同じくらい死に戻りに時間かかっている人の研究にお金が注がれるようですから。まだ心に引っかかってますからね」

「あれは生きている私たちの方が不思議でしたよ、ご主人様」


 そんな話をしていると、首謀者とその一味が来店してきたようで。態度でかいからすぐわかるな。聞き耳を取って話を盗み聞きするか。


「おーい、いつもの!! はやくしろよ!! しかし相手側にジンがいる限りこっち側は手出しが出来ねえな。戦闘艦はどうなってる?」

「ヘックスで全力全開で作らせてる。Orderが頷けばもっと早くできるんだがな」

「4層のLAWといっても3層とはつながりが薄い。アマール以外の権益を分けてやらないと動かないだろう」


 小さい出力で探感知。人物鑑定だって探感知には出来る。

 3359NJ0675A23C

 6734HK7692F47B


 ――ここから、チャットルーム――


 にんにん


 雪菜

 3359NJ0675A23C

 6734HK7692F47B


 誰か照合できませんか? 私封印されていて。


 オットー

 少し待て。


 オットー

 3359は4層のLAW「夢の中へ」代表のネクセル・ライツミットだ。

 6734は4層の空賊「ベリクルオンザスカイ」トップのエネセア・北条だな。


 雪菜

 ありがとう! おそらくこの紛争にだろうけど、Order取り込みたい、艦船欲しいって空賊もLAWも言ってたよ。気をつけて。権益でつろうとしてる。


 オットー

 手が足りないんだろうな。おそらく紛争後にカルダール~ジダン間の人命および艦船保護業務と契約する企業を譲ろう、という話だろう。われらはアマール~ジダン間をもっと強く保護せねばならぬ。忠告感謝する。


 雪菜

 木材の輸送たまに襲われるもんね。美味しいからねえ。頑張ってね。


 ディンゴ

 4層の空賊抑えるつもりか?じつはそろそろうちらも4層に上がろうとしてるんだ、誰かさんの小説が爆発的に売れるもんでな


 雪菜

 抑えはしないけど、話はする。私はバグった4大精霊を退治するだけだから。豪傑ディンゴの大冒険は3巻目まで脱稿してあるから編集と校正すれば、契約を改めて作ってくれるなら売るよん。


 エリー

 ウチも欲しいッスよー! 短編売ってくれないッスか!? 腐った牛乳をぞうきんにしみこませる、めっちゃ笑ったッス!


 雪菜

 ディンゴもエリーちゃんも、契約をちゃんとしてくれれば書くよ。オットーさんも遠慮なく。言っちゃ悪いけど榊雪菜の小説と短編だからね。


 オットー

 LAWっぽい話で一つ長編をお願いできるだろうか。ディンゴのところだけ長編だとずるいと思われそうだ。


 雪菜

 任せて。「保安官ワルサーとp57」とかかなー。p57は実際にある銃だったよね。不遇職の銃が頑張る話なら良い感じになりそう。


 オットー

 もう話が出てくるのか……さすがだ。


 雪菜

 じゃあちょっとトップと話してくる。ジンが暴れてるから動けないらしいんで、私の力は渡りに船でしょう。


 アキちゃん派閥

 気をつけろよ


 ――ここまで、チャットルーム――


 一つ深呼吸。意を決してトップ2人に挨拶へ行く。

 すると、取り巻きに囲まれた。でけーいかついー。


「うちらは大事な話をしているんだ、邪魔しないでもらえるか」

「私はジンを相手にしたい雪菜という物です。お目通り不可能でしょうか?」

「雪菜……少し待て」


 一人の男が奥のテーブルへと近づいていく。なにやら私の話をしているな。丸聞こえだが。

 男が戻ってきて「通れ」と言うので奥のテーブルへと進む。


「お前が雪菜か、本当に小せえな」

「3層のアイドルが何のようだ」

「いやあ、ジンを倒したいと思いまして。バグってるんですよね?」



 男(LAWと空賊どっちだ?)はハッとした、軽蔑する目をして。


「3層の女が倒せる相手じゃねえよ。うぬぼれるな」

「大体お前に何が出来るんだ」

「3359NJ0675A23C。秘匿していたようですが……モロバレですよ。6734HK7692F47B」

「てめえ! チートしやがって! おい!  追い返せ!」


 後ろの男が襲ってきたので、テーブルナイフを早抜きして取って。


「トライアタック、トライショット」


 切断力強化Lv10の威力で強化されているナイフは男を6分割してしまいました。


「雑魚ですね。こんなのお飼いですか」

「なっ」

「わかった、話を聞こう」



 どういう風に話が転がっていくかなあ。

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