第4話 修行!
ドリアードはインスタンスダンジョンから出られない。お金はジダンからアマールにならほぼ確実に稼げる。つまり時間がある。
まずはルウラさんとアルダスさんの強化訓練を行おう。あえて街から離れて、安全度ランクが低めなところへ行って敵を倒す。敵には賊も含まれているよん。
「安全度ランクが低いところには、バグベア、バーグーキング、ハチバーグとか、『バグってる魔物』が多いね」
「バグっていて強いのがきついな。ま、処理が後回しなんだろうな。まずは中央からバグ取りしてるんだろ」
「パワー足りんのかね。そこメール送信してみる。お金ないなら私の傘下に入らせてしまおうか……? 私の会社は常になにかしら増刷かかってるウハウハ企業だぞ、がはは」
諸々含めてメール送信。帰ってくるのはこちら時間3~6ヶ月くらい先。あっちで交渉もあるし、動かしたまま増設するなら――増設のためにシャットダウンしたら私消えるがな!!――それも相当に時間かかるし、超長期戦略だね。当たってるかもわからないし。
妄想、いやいや、想像しながら戦っていくとバグポイントも順調にたまっていく。今のところ5341バグポイント。付与を一気に取得。4500ドルエンなり。
バグ潰したし何か解放されないかなーって思っていると、パーティ会話が解放された。
『ルウラさん、パーティ会話が解放されたので連絡してみたよー』
『おめでとうございます。1対1のパーティ会話ですか?』
『あ、そんなことも出来るのですか。今回は全体ですねー。1対1はまだ先かな。イノブタがとれたからその場で締めてバックパックに入れたよー。あとで半分市場に売って残りは食べよー』
『といくか本題をだな。転職できそうか?』
『神官様に聞いてみないとわかりませんが、十分だと思います』
よっしゃ。一時帰還。ルウラさんを転職神殿へ。
戻ってきたルウラさんは大変綺麗なお召し物を身につけられていた。
「えーなにそれすごーい! コートにすらっとしたパンツですか! 上は何を?」
「ありがとうございます、過剰に強かったらしく祝福の贈り物を頂きました。上はフリル付きブラウスです。エキストラARというもので、今まで着ていた服の上に実体があるように重ね着して装着するので、防御性能も向上いたします」
「何それ凄い、ジダンに売ってるかな」
「魔法の品に相当するのでお値段が……」
ガックシ。ま、私は今の、青と赤のメイガス銃闘士スタイル好きですからね。
あ、下にサイバーパンク来てるから、逆にスチームパンクの衣装着ても良いかもしれない。考えておこうっと。
さてと。転職もしたし。
もうちょっと強化訓練です。ここは森が多いんだけど、そこから供給される木材が安くならん。時間問題らしいので待つしかない。木の成長には成長ブーストかかってるんだけどね。
「本当に二人だけで大丈夫かよ……」
「あまり深いところには行かないようにする。GPSスキルもコンパススキルもミニMAPスキルもとったしね。目のインターフェースありすぎてごちゃごちゃしてるよ、あはは」
「普通ならヘルプさんが必要な物だけを取り出してくれるんだがな。まあ危ないことはしないでくれ」
死んだら死ぬので、危ないことは本当にしませんって。
街に
街からドローンに乗って遠くの街へ。二人乗りドローンはレンタル費用安いねー。
街……じゃなくて村か。村に着いたら冒険者の館で死に戻りポイントをアキちゃんだけ作成。これは保険だけどアキちゃんだけは何があっても生き残って欲しい。
そして山奥へ。敵の場所はアキちゃんが教えてくれる。
マガジン交換がなくて属性も付与された9ミリアサルトライフルは文句なしに強い。掃射できるし、反動軽減と私の体のおかげでほぼぶれないから
ただし取り回しがキツい。身長175センチメートルだったらなあ……。良い武器だけど取り替えを検討するか。
接近してきた魔物は容赦なくアキちゃんの力でねじ伏せられる。
バグポイントが3500になったので「他スキル同時使用」を一つ取る。次は5250ポイントかー。そこまで上がってないかな?いやいやいや、50パーセントアップしてるから後半えげつないのでは? 単純に50パーセントアップで計算して4万ドルエンちょっと。実際は上昇率も右肩上がりだろうからやはり10万位を覚悟した方がいいか。まあ次くらいは取ろうかな……。
そういえば「放熱強化」というスキルがあったので取得。750ドルエン。見逃してたわー。銃は連続で撃つと熱がたまってしまって、故障するんだよね。
スコープ倍率強化とか未発見時攻撃倍率増加とかもあった。スコープ倍率強化はぱっと見でわかるけど、後者は狙撃やバックスタブだね。未発見なら数発打ち込んでも効果発揮しそうなので、取得候補かなー。
で、戦闘の方ですが、凄いのを見つけました。
『バグベアが集団でたまっている洞窟の入り口か……いくなよ』
『行かないよ! まさにバグが生んだダンジョンだね。中には何があるんだろうねえ。目線だけ移動させたい』
『視線移動や霊視というのはありますけど、どちらも上位の上位、つまり上級スキルですね、お金かかりますよ、きっと』
『ひーん。やめておこう。じゃ、帰るよアキちゃん』
『美味しそうですけどしょうがないですね』
そっか、バグはアキちゃんにとっては美味しいのか。
と思いながら帰還。4人になったら食べに行こうね。
ほかの場所で数日狩りをして過ごす。ランク5くらいにいる賊やバグ魔物なら倒せるな。
『なあ、そろそろ帰ってこれるか』
『いいけど、どうして?』
『傭兵の連絡板でインスタンスダンジョンが不安定になってきたって出てきてる。もしかすると外に出るんじゃねえか』
『すぐ戻る』
木だから成長しちゃったとか? くっそースキル構築しきってない。とりあえず他スキル同時使用をLv2にして、複数ターゲットをLv1に。4万残った。他スキル同時使用は1万、複数ターゲットは6万ドルエン必要。あとはライドの収入を頼るか。頼れるか?
インスタンスダンジョンから外に出現するとなると避難民の誘導も必要じゃない? うへぇ……。
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