第4話 しっちゃかめっちゃか
「はい、あーん」
「あーん。おいしい」
不思議です、アキちゃんには何か特殊な魔法でもかかっているのでしょうか。
アキちゃんに看護されると不思議と心が落ち着き、ゆっくり療養しようと思うのです。アキちゃん看護のおかげで2週間、のーんびりと過ごしました。
「さあ4週間経ったぞ。これからは元気よく行くぞー」
「まだ血液が完全ではないと思うので無理は禁物ですよ」
「はーい」
そして一階入り口に転移。人が来ると襲いかかってくる連中がいますが、もう何度もこ……倒しているので恐れて何もしてきません。3層の人たちは大体
さて、向かうは傭兵の館。つまらないペリカンは今何をしているんですかねえ。
傭兵の館へ到着。
「わーたーしーはー! おーきゃーくーさーんーでーすーー!!」
出てこない。カウンターを乗り越え、来訪人侵入アラームを鳴らす。
「わ、私を倒しても何も出ないよ」
「倒さねーから傭兵契約してください」
やっと出てきたペリカン。今回はグゥレイトォ! から買った短剣で脅しながら(ちょっと切りつけながらケアしつつ)業務を行って貰った。ペリカンを嫌いになりそうだ。
「ルウラです、お久しぶりです! 元気だった? アキちゃん」
「げんきですよー」
「アルダスだ、大将、体は大丈夫か」
「トレーニングできなかったから体はなまっちゃったよ。魔法とかは出来たけどさ」
さて全員集合したところで3層へ転移。まずは防具やさんへ行こう。全員の防御を新調する必要がある。
「私たちにくださると、今度はそれも強化訓練で能力向上するのですよね。ちゃんと強化してくださるのがきっと一番お金がかからないのでしょうけど、防具を強化するのも手っ取り早い手段ですね」
「ですです。みんな特攻カミカゼを跳ね返す防具を買います」
といっても
「あっしを頼ってくれたんですね、アキちゃん! ますますお綺麗になられて!」
「なってないなってないです」
「毎回一人を頼るのはファンのみんなのことを思うとどうかと思うんだけど、知り合いがいなくてさ」
「え、じゃあけいじばんに頼りましょうよ」
――けいじばん――
雪菜のお頼みごと
雪菜
ルイッチバーグでよい防具屋さん、銃も扱う総合武器屋さん、エンチャント品が売れる場所ってどこでしょうか。
アキちゃん派閥
ぱっと思いつくのはエリー武具商会ですが、あそこ裏は海賊ですね。
24
エリーさんは武具屋としても海賊としても有名だな。海賊をおおっぴらにしてる。
雪菜
海賊さんと組んで、というか武具購入ですが、みなさん嫌になりませんか?
34
エリーさんのところなら、まあ
エリー
潜るつもりだったのにすみません。ウチ来てくれるんスか?
アキちゃん派閥も海賊やってますが、ウチはプレイヤーを殺すやつを殺す、PKKってやつなんでちょっと質が違うッスよ!
47
アキちゃん派閥! てめえ!
アキちゃん派閥
俺はアキちゃん派閥なだけだ。アキちゃんを愛するもの、それだけだ。信じてくれ
エリー
アキちゃん派閥と言ってるけど本名はディンゴ
雪菜
あ、それ海鮮酒場さんがうっかりこぼしてた
97
ディンゴって「ドエクサの交易旅団」の団長名じゃねえか! そこって有名海賊の表商店だろ!!
127
収拾つかなくなるぞこれ
385
やべー勢いだ。拾ってもらえるかな、とりあえずエリーさんのところに行ってみるといい、そこからもっと専門分野も紹介してくれるから
雪菜
エリーさんのところ行ってみるね。あと、ごめんねディンゴ、じゃない、アキちゃん派閥
アキちゃん派閥
団員も見てるんだぞ雪菜さんスレッド……。今雪菜さん目の前にいるんだけどさ。
614
>>アキちゃん派閥
>今雪菜さん目の前にいるんだけどさ。
そういうとこやぞ
830
3層有名海賊企業のうち2企業が雪菜さんについてしまった。LAW組早く来てくれーーー!!
正義の鉄槌
ウチも接触を図りたいんだが、団員はやはりチート気味な雪菜さんを受け入れることに抵抗があって、なかなかタイミングが……
1212
正義の鉄槌は4層のLAWじゃねえか! どうなってるんだよここは!
1430
そっ閉じ
――いじょう、けいじばん――
「どうすんのよディンゴ」
「そうっすよディンゴのお頭ー」
「お頭ーディンゴー」
「「「ぎゃははははは」」」
「アキちゃん、アキちゃんがいる前ではアキちゃん派閥と呼ばせてくれ」
「わかった。先にエリーさんのところにアキちゃんを向かわせて、私がディンゴって連発する」
「生き地獄だ、それは」
本当にかわいそうになったので、アキちゃんに強引に手を握らせて「いつもありがとう、アキちゃん派閥さん」って呼ばせたら昇天してた。気絶ってあんな感じなんだねー。
で、エリーさんのところへ向かう。場所をお店の人に尋ねたら、「10の10だよ」とだけ帰ってきた。
座標がX10のY10なのかな? そんな簡単な場所に? と思いながら近くに転移。
わあ。こりゃ凄い。
エリーさんの武具店は巨大武具店だった。10の10の意味がわかる。座標1ポイント占有してるくらい大きい。
店員に話しかけよう。
「あのー、エリーさんを探しているのですが」
陳列をしていたバリッとしたシャツを着ている店員はキリッときびすを返して。
「雪菜様ですね、お話はお伺いしております。奥の応接室へどうぞ。エリーを呼んで参ります」
「は、はいっ!」
思わずキリッと返してしまった。
応接室も広くて豪華。
豪華になれていない私たちはなんかそわそわしながら待っていた。
するとそこにエリーさんが登場。
「いやー雪菜さんにあえるなんて嬉しいッス! 私が首刈り兎ことエリー・キャスです!」
そう、小さな兎人のプレイヤーだったのだ。首刈り兎、この伝統は今でも生きている。
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