第7話グゥレイトォ!!
デキアル銃器販売店に到着したんだけど、店が閉まってるような。
古ぼけていてドアもがたついてそう。自動ドアではないし。
キョロキョロ様子見、キョロキョロ、キョロキョロ。
ガラガラ
――引き戸の開く音がする。
「グゥレイトォ! ウチの店に用があるんだな! ヒャッホウ!」
て、テンションたっか。
茶髪で褐色、大きめの体格で30代くらいの風貌のおじさんが出てきた。
「はい、銃を取り替えたくて。あ、雪奈と申します」
「雪奈君か。今は何を使ってるんだい」
急に冷静になりおった。
「これですね。六ミリハイパーの拳銃です。ジャイアントシルクスパイダーを討伐したいんです」
そういって銃を差し出す。
デキアルさんは銃をよく観察しながら、
「ふむふむ。装弾数8発あるリボルバーか。悪くないけど護身用だね。ジャイアントシルクスパイダーだと銃弾が貫通しないな。3ミリ増やして9ミリ、弾種はロング弾くらいあると万全だぜヒャッホウ!」
にこやかにハイテンションになりながらそう言って、銃を私に返した。
「一気に口径が大きくなりますね。どれくらいの性能とお値段なんですか」
「9ミリロングで、威力が上がる長砲身。リボルバーではなくてピストルになるぞ。装填数が違いすぎると違和感を覚えるから12発入るマガジンがいいだろうね。ダブルカラムマガジンの拳銃は、装填数は増えるがグリップが太くなるから小さい君じゃあ持ちにくいだろう。となると……『バレルト
若干引く私。テンションがわからない……
「あ、そんなに高くない」
「拳銃はそこまで高くはないよ。値段は、フォレストイーグルみたいな大口径拳銃だったり、ショットガンなどの大型銃になると高くなるかな。ああ、バースト機構は必要かい? トリプルショットを持っていれば不要だけど」
トリプルショット? システム!
【トリプルショット:素早く3回銃弾を放つ。連続で弾丸を放てる場合は弾丸を放つ密度が上昇する。300ドルエン。銃士のスキル】
上位スキルや似ているスキルの存在は!
【上位スキルはマルチプルショット。応用可能なのは250ドルエンのトリプルアタックおよびマルチプルアタック。戦士のスキル】
なるほどね。
「取得するつもりなのでバースト機構は要らないですね」
「グゥレイトォ! 本物の銃士だな! おまけにマガジンを三つ付けようじゃぁないか!」
「ありがとうございます!」
マガジンを追加で3つ購入して、1650ドルエンを支払って退店。
最近は銃士が減って閑古鳥だったそうだ。
スキルがそろえば弓の方が強いみたい。スキルがバリバリ乗るからだそうだ。銃は初心者の武器、らしい。
いやー! めっちゃ異世界って感じだねー! 銃より弓が強いだなんて!
銃器店にいる間じっと待っていてくれたアキちゃんを抱きかかえながら、今度は薬品店へ。
耐性ポーションは結構長持ちするけどヒーリングポーションやマジックポーションは生ものなので一週間くらいしか持たないそうだ。
インスタンスダンジョンに挑む直前に購入しよう。
全部予約しておけばいいかな。一つ100ドルエンで七つ購入予約して700ドルエン。
ヒーリング5個にマジックが2個。
これで使える残高が大体1000ドルエンか。
マジックコートとトリプルアタック、後はケアのレベルでもあげて終わりにしようかな。
えーと、どれもアクティブか。マジックコートはオンオフで切り替える形なのか。
全部購入。800ドルエンっと。ケア結構高かったな。
これでアクティブは……
【スキル一覧:アクティブ】
生活魔法:Lv4
冒険者生活魔法:Lv2
狙う:Lv3
連射:Lv2
バッシュ:Lv1
ケア:Lv3
マジックアロー:Lv2
ホーミング付与:Lv一
テレキネシス:Lv2
トリプルアタック:Lv一
マジックコート:Lv一
【以上】
種類はあんまり増えてないなあ。
なにか攻撃手段は増えないものか。
うーん。
と悩みながら歩いていると――
「――らっしゃいらっしゃい! 爆弾あるよ! 水爆弾から火炎瓶、オイルグレネードに雷撃グレネードまで、なんでもそろってるよ!」
という声が。屋台で何か売ってるのかな。
声をかけてみよう。
「こんちゃー。何売ってるんです?」
「らっしゃい! 各種爆弾さ! 水爆弾で水を地面にまき散らしてから雷撃グレネードを投げれば、広範囲に感電をおこすことが出来るぜ!」
「あ、それは凄い。地面効果ってやつですか」
「そうだな! 他にも水爆弾の上に火炎瓶を投げれば蒸気が発生して煙幕代わりになるぜ! ウチの爆弾は特殊だから一瞬で効果が出るよ!」
普通の爆弾じゃなくて、魔法の効果がかかってるのかな?
「入門用の爆弾ってあります?」
「水爆弾に氷結グレネードだな! 爆弾で作った水たまりを凍らせて滑らせちまうんだ! 地味だが確実に効果が出るぜ!」
おー。
「凄いかもしれない。一ついくらですか」
「どれも25ドルエンだ!」
安い……のかなー。グレネード一個ってどれくらいが相場なんだろ。まあいいか、買っちまおう。
「じゃあ水と氷結を二つずつください」
「まいどあり! 有効に使えよ!」
というわけで100ルエン消費。まあいいか。
どこまでも明るい禿げだったなー禿げってすげーわ。
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