4話 出会い3

少年と少女は小さな森の中に入った。森の中は暗く少し湿っぽい。どこかで鳥の声がする。2人は大きいギャンプに入る。真ん中ら辺にある陽樹の下にのこぎりと縄がある。少年は少女を置いてそこへ向かう。

「こっち来て、これで飛ぼうとしたんだ!2つあるからエミリーもつけてみてよ。」

少年は少女に彼が両腕につけているのと似た2枚の木の板を渡した。彼女はつけるのを拒んだ、

「やだ、、、、あれ?君の名前知らない。ん?」

「"あ"」2人は同時に口を漏らす。

しばらく沈黙が続く、あたりには小さき者が草の中を通る音が、林冠の葉が風になみく音がする。2人は顔を合わせず、下を見いたり横を見たりする、お互い相手がこの沈黙を破るのを待った。

自然音を遮るろうに、沈黙に耐えかねて、少年は言う

「僕の名前はハリー、エド そのーよろしく?」

彼女は笑って、

「私たちバカね、お互い私の名前しか知らないのに行動して。よろしく! ハリー」

お互いほっとした顔になった。そしてハリーはこの話題から抜け出そうとして言う

「そうだね、さ、これをつけてよ、そして飛んでみて。」

「ハリーあなた本当に馬鹿ね、さっきあなたがやって飛べなかったじゃん」

ハリーは当たり前のことにようやく気づいた。その次の瞬間、恥ずかしさが込み上げ桃のように顔を赤くする。

「う、うんそうだね。ごめん。」

エミリーは聞く。

「でここに来たのはこのため?」

ハリーは無言で頷いた。


森の外からラッパの音と馬の集団が歩く轟音が聞こえた。エミリーは残念そうな声で

「あ、お父様が帰ってきちゃった。もう終わりね。今日は帰るね、ハリーまた今度」

エミリーは音のする方へ行こうとする。

「置いてかないでよ」ハリーはエミリーの手を細い手を引く。

「んーお父様のとこまではついて来ていいよ」

「うん!」

2人は歩き出した。


森を抜けるとちょうど重そうな鎧をつけた馬が通る。それに気づくとエミリーはハリーに今いる位置から動かないよう指示し。森を抜け出した。そして震えた声で

「お、お父様ー」

さっきの馬に乗っていたガタイの良い男が馬から降りた。エミリーはその肉体に怯え体を震わせながらも話している。ハリーはその様子を見てなんとも言えない無力感に襲われた。


次の瞬間、男はエミリーを捕らえて一気に馬に乗り、すばやく城の方へ消えてった。

ハリーは呆気に取られた。馬の列を、雲の移り変わりを、鳥たちの飛ぶ様子をただ眺めることしかできなかった。気づいた時には馬の列は消え辺りには自分にしかいなかった。

ハリーは歩き出す。


太陽の夕日がハリーを慰めるように優しく温かく彼を照らして。

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