3マス目  ヒーローは遅れて……


 とにかく街を歩いてみることにする。

 少なくともベンチでぼーっとしてるよりはいいだろう。

 武具店、魔導雑貨店、魔道書専門店。

 ゲームに出てきそうな店が、さも当然のように立ち並ぶ。


「異世界……、異世界かぁ。

この目で見てるってのに実感わかないなぁ」


 俺は店頭に並ぶ不思議な形をした杖を手に取ってみた。

 見たことない形、触ったことのない手触り。

 だが値札にははっきりと円の価格単位。

 この不釣り合いっぷりには、思わず笑みが込み上げる。


「……魔法の杖売ります買いますって。

古本屋のキャッチコピーかよ」


 何だか既視感を覚える看板を見上げていると、どこか遠くの方から肉を焼くいい匂いが漂ってくる。

 この匂いどっかで嗅いだことがあるような……。

 

「あ! ……ケバブ!?」


 ナンのようなパンに削ぎ落とした肉を挟むトルコの料理、ケバブ。

 よく屋台などで食べた懐かしの匂いに、俺はふらっと釣られた。

 匂いの方向へ行ってみると、人でにぎわった大きな広場が眼前に広がった。

 近くに立っている看板には中央広場の文字。

 真ん中の大きな噴水が綺麗な虹を創り出し、幻想的な景色が広がる。

 そんな噴水のそばから匂いは漂ってきていた。


「おじちゃーん、僕も!」


「はいはい、順番だよ」


 即席で立てたような簡素な屋台に、肉を焼くいい音。

 俺と同じようにおいしそうな匂いに釣られたのだろうか、そこには子供が集まっていた。

 売ってる食べ物は、ケバブというよりは焼肉のような物に見える。

 子供たちがフォークで突き刺して美味しそうに食べていた。


「そういえば、飯まだだっけ……」


 顔を上げた俺の視線の先には、街のシンボルとも言えそうな大きな時計塔がそびえ立っている。

 この広場からは、その時計塔がよく見えた。

 今の時刻は11時半。 

 昼飯を食べるのにはちょっと早い気もするが、このいい匂いを我慢するのは胃袋に毒だ。

 俺は財布を取り出して屋台の列に足を運ぶ。

 味の想像をしつつ肉が焼ける様を楽しんで見ていると、鉄板の音に交じってどこかから泣き声のような、とにかく普通ではない声が俺の耳に届く。


「……誰かが叫んでる?」


 耳を澄まし音の出所を探る。

 少し屋台を離れると、聞こえてくる方向は噴水の向こう側。

 ここからでは様子が見えない。


「―― けてく――い」


 今一瞬はっきりと聞こえた。

 女の子の声だ。

 俺は肉の事などすっかり忘れ、声の方向へ走った。

 







 俺が見たのは、泣き叫ぶ少女と目を合わせないように歩く通行人。

 少女は必死に声をかけているが、誰一人として立ち止まらない。


「お願いです! 私の家に強盗がいるんです!

凄く……すごく悪い人が! 誰か助けてください!!」


「お嬢ちゃん、そういうのは衛兵かなんかに……」


「間に合うわけないじゃないですか! 

お願いです、……妹が、……リリーが死んじゃうよぉ」


 さっき俺は悪人に惨殺された。

 そんな俺には、あの女の子の状況が他人事に思えない。

 泣いてる女の子に手を差し伸べる状況は何回か経験している。

 ……まあ、迷子の親探しとかだけど。

 でも今はそんなものとは比べ物にもならない。

 

「……それでも、見捨てらんないよな。

ここで助けなきゃ、あとで絶対に後悔する」


 俺は少女のもとに走り寄り、肩を掴んで叫ぶ。


「強盗がいる家はどこだ!?」


「え?」


「妹さんを助けたいんだろ?

なら早く!」


「は…はい、こっちです!」


 少女は黒い髪を振り乱して、全力で走り出した。

 俺もすぐにそれを追いかける。

 走る後姿から見て、年齢は中学生くらいだろうか。

 この世界では珍しく、日本人に近い見た目をしている。

 白のワンピースにサンダルの、割とラフな格好なのを考えると、偶然近くへ出かけていたか、命からがら逃げだして来たといったところだろう。

 こんな女の子があれだけ必死に助けを求めていたのに、周りの人たちはよく素通りできるもんだ。


「てか……、速……」


 俺も足は遅い方ではないのだが、少女に引き離されて追いつけない。

 どんどんと離れていく背中を追うので精いっぱいだ。


「あそこです!」


 たどり着いた場所は、人通りの少ない住宅街。

 少女の指さす家は小さく可愛らしい一軒家だった。

 だがよく見ると窓ガラスに血痕が付着している。

 

「お願いです! 早く妹を!」


「あぁ……ちょっと待って」


 俺は肩で息をしながら必死に呼吸を整える。

 その間に見える範囲で状況を観察した。


「玄関は壊されてるけど悲鳴とかは無し。

……よし、ちょっと待ってて」


 俺は少女をその場に待機させると、中から見られないように身を低くしつつ窓へ近づく。

 音をたてないように鞄からスマホを取り出して、カメラを起動。

 顔を出さずカメラだけを覗き込ませ、室内の様子を録画した。

 スマホを引っ込め再生ボタンを押した俺は、思わず口元を手で覆う。


「なんだよ、これ………」


 テーブルのあたりに頭を割られた女性、水道の下あたりに肉塊が一つ、大きさから見て父親だろうか。

 ふと食器棚の方を見ると、縛られた幼い女の子が横たわっている。

 頭からは血が流れているが、映像をよく見ると腹部が動いていて、まだ死んでは無い。

 そして問題の犯人は、見た限りだと2人。

 一人は細身の男、使い込まれたナイフで武装している。

 もう一人は2メートルはありそうな肥満体型の男。ドでかい鉈を軽々と肩に背負う。

 あれに潰されるのは、たとえ生き返れるとしたって勘弁してほしい。


「ねぇ、どうするの!?」


「ちょ、待っててって……ああいや」


 無理もない、家族が皆殺しにされる危機だ。

 待ってろなんて言葉で押し留められる不安じゃない。


「大丈夫、何とかする」


 俺が今持っている物なんてたかが知れてる。

 それこそ武器になりそうなもんなんて、文房具セットの中のカッターくらいだ。

 でも、じゃあ逆に何がある? 何を使えばこの状況を好転させられる?

 無謀だがやるしかない、そう思った俺は早速準備に取り掛かった。








「ねぇー、まだ見つからないのー? 衛兵が来ちゃうよぉー」


「どうやってだよ。

ガキでも逃せば話は別だが、そこに転がってるじゃねぇか」


「うーん、ねぇー? 子供って一人だったっけぇ?」


「知らねぇよ、ガキ縛ったのお前だろうが。

いいから手を動かせ手を」


「そうだけどよー、あんまり長い間いてもー、危なくなるだけだよー?」

 

「ビビりすぎなんだよ。

てめぇみたいなデブはカロリーだけ気にしてりゃいいんだ」


「ひどいなぁー、これでも結構気にして……」



「「「ラジオ体操第一!!!」」」



 それは近所迷惑になるほどの音量で響き渡った。



「「「テーテレ テッテッテッテッ テーテレ テッテッテッテッ」」」



「何だこりゃ!? 誰の声だクソッタレ! 


「アニキ! これって敵!? 敵!?」


「騒いでんじゃねぇよデブ! てめぇはトビラ固めとけ!!」


「う、うん、わかったよぉー」


 細身の男が窓から外に出たことを確認すると、俺は正面玄関から室内に飛び込んだ。


「ええ!? 誰?誰? 敵!? ア……アニキィィィ!!」


 ヤバい奴が固まってるなら、まずは分散させる。

 大人数を一人でなぎ倒すなんてスーパーマンがやればいいことだ。

 俺みたいな凡人はスピードもパワーもない。

 戦えない奴が無理に剣を振るうくらいなら、卑怯な手を使ってでも弱点を狙う!


「くらえ!!」


 手に持つのは科学技術の結晶、スマートフォン。

 そこから発せられるのは、スピーカーアプリで音量を限界まで上げた大音量の落雷音源!

 俺は落雷の音に合わせてシャッターのフラッシュを焚いた。


「ひいっ、雷魔法!? どこからどこからぁ?」


「ここだよ、デカブツ!」


 俺は太った男の股間を、ボールペンで思いっきりブッ刺す!


「んぎゅあぉぉぉぉぉっっっ」


 太った男は獣のような声をあげて、泡を吹きながら地面に突っ伏した。

 ペン先に滴った血がとても生々しいが、何はともあれまず一勝。

 俺は額の汗を拭うと、すぐさま落雷の音を止めた。


「世の中ってホント、なにが役に立つか分からねぇもんだなぁ」


 スマートフォンに入れていた自然の音コレクション。

 前半は小鳥のさえずりがメインだから、仮眠にピッタリなんだけれど……。


「まさか、こっちの音が役に立つとは」


 スマホに視線を向けていると、ついにラジオ体操の音が掻き消える。

 リピート再生にしていたはずだから、自然に止まることは無いはずだ。

 俺は窓の外から戻って来る男を強く睨み付けた。


「ふざけたもん仕掛けやがって! 

ぶち殺してや……、おい、ダップ!?

おいてめぇ、弟に何しやがった!?」


 男の持っているのはタブレットの液晶の破片。

 外に仕掛けていたが粉々に破壊してきたようだ

 だが、一人を戦闘不能にできれば十分。

 あとは俺のハッタリがどこまで通じるかの勝負。


「残念だが遅かったな。

毒を注入させてもらった」


 俺は血濡れたボールペンを見せつける。

 異世界の人間からすれば、ただのボールペンも奇妙な謎の物体に見えるはずだ。

 俺の読み通り、細身の男は徐々に顔が青くなる。


「……げ、解毒剤はあるんだろうなぁ!?」


「時計塔、見えるだろ?

あそこのどこかに隠してある。

毒が回るまで三時間ってとこかな?」


「どこかじゃねぇ、今言え、ぶち殺すぞ!!」


 まるで鬼の形相。

 人殺しの怒号は何度聞いても足がすくむ。

 だが俺は可能な限りそれを表情には出さず、威嚇するような声量で張り合った。

 

「俺だって知らねぇよ!

こいつは組織から預かってる自決用だ。

信じたくなきゃ拷問でもするか?

その間に弟はあの世行きだろうな」


 こっちにも意地がある。

 命がかかっている分、嘘にも熱が入る。

 その気迫に細身の男はまんまと騙されていた。


「ちくしょうちくしょうちくしょう!!!

ダップ、今助けてやるからな、待ってろよ!!」


 細身の男は素早く太った男を担ぎ上げると、そのまま窓から逃亡した。


「……勝った?」


 全てがハッタリ。

 嘘偽りしか使わず、あの子の家族を救うことが出来た。

 俺は喜びのあまり、歓喜に腕を突き上げそうになる。


「っと……そうだ!」


 俺は救助対象だった妹さんの元へと駆け寄った。

 心臓は動いている、呼吸もある。


「良かった、今解いてやるからな」


 後ろ手に縛られたロープに手をかけるが、相当しっかり結んでるようで俺の力じゃ解けそうにない。

 仕方なく持っていた鞄の中からカッターを取り出そうと中身を漁る、……その時だ。


「足音?」


 外からではない。

 下、地下からの木をたわませるような音だ。


「まさか……、地下室!?」


 もう一人の敵。

 俺は想定していなかった事態に背筋を凍らせる。


「武器……、いやこれじゃ駄目だ」


 俺は手にしたカッターを鞄の中へねじ込むと、地面に転がる鉈に目をやった。


「よし、これで不意打ちすれば……って重っ!」


 見た目以上の重量を持つ武器は、持つことさえも一苦労。

 振るったら間違いなく体ごと振り回されるだろう。


「……どうする、時間がない。

くそっ、今あるのはこのくらいか」


 台所に置いてあった包丁。

 武器として何とも頼りないが、丸腰よりはよほどマシだ。

 その時、奥の扉から物音がした。

 もう隠れる時間もない、ただ真正面で包丁を構えて扉が開くのを待ち構える。

 すると中から現れたのは、鼠色のローブ姿の女性。


「ありがとうございました。 おかげで助かりまし……」


 俺は包丁の切っ先を女に向けた。


「嘘をつくな」


 小さな子供まで縛ったうえで殴ってるんだ。

 容姿の良い女が無傷で済むとは到底思えない。


「あらぁ……、やっぱりバレちゃったぁ?」


 女は一転して、薄気味悪い笑みを口元に浮かべる。

 しかし見えるのは口元だけ。

 顔のほとんどをローブのフードで覆っている。


「慣れない演技はするものじゃないわねぇ」


 女はゆっくりと、大きく湾曲した独特の刃物を取り出した。

 女が持つ武器を見て、過去に冒険すごろくという商品を扱った時の資料を思い出す。

 あれはたしかショーテルとかいう、世界でも珍しい形状の曲剣だ。

 その剣は盾を無力化できるように、巨大なフックのような形状をしている。


「あらぁ……、これを見て逃げないのねぇ」


「まぁ、飛び道具だったら逃げていたかもな」


「そう? こっちのほうが飛び道具より、ずーっと怖いかも知れないわよぉ」


 女の眼はこちらを観察するように、一挙一動を見逃さず見つめ続ける。

 静かだが少しも気が抜けない。 

 こういう相手が一番厄介だ。

 一切の考えが読めず、こっちの精神ばかりが疲労していく。


「そうそう、さっきの雷はあなたかしらぁ?

地下にまで響いてたわよぉ」


「ああ」

 

 深くは答えない、情報を与えるだけだ。

 しかしそれを聞いた女の眼が変わる。


「黒い髪に、黒い瞳の電撃使い。

前に聞いたことはあったけど、……なるほど。

この短時間であの二人を倒したのも頷けるわぁ」

  

 俺を誰かと勘違いしてる?。

 誰だかわからないが、口ぶりからして俺を強いと勘違いしてくれたか?


「さあ……どうだろうな、確かめてみるか?」


 俺が大げさに言ったとたん、女が半歩距離を取る。

 この勘違い、うまく利用できるかも。

 

「なぁあんたは……ん?」


 カマをかけようとした瞬間、女の姿が眼前から消え去った。

 俺の本能が全力で危険信号を出している。


「やっべ!!?」


 とっさに身を投げ出すような前転で床を転がる。

 すると今の今まで俺が立っていた場所が、バッサリと家具もろとも切り裂かれた。


「あらぁ~、隙だらけに見えてカンは良いのねぇ」


 横一線に切り裂いているから、左右に飛んでいたら死んでいた。

 別に今のは考えて動いた行動じゃない、俺ができる回避行動が飛び込み前転くらいしかなかっただけの話。

 この女、警戒してるんじゃない。

 ……遊んでやがる。


「この野郎……、人をおちょくりやがって」


「うふふっ、怒ったぁ?

でも今のを避けられるのは、結構ショックよ」


 そう言いながら女は、剣を刺突の形に持ち替える。

 もはや会話が成り立つ状況じゃない。

 どう避ける? どう防ぐ?

 そもそも家具の金属部分もスッパリ切り裂く剣撃に対抗できる防御手段なんかない。

 焦りが思考の停滞を生んで泥沼にハマる俺に、女は構えたまま1つの質問をぶつけてくる。


「……イエローハート、この言葉に聞き覚えはあるでしょう?」


 ……黄色い心臓?

 合言葉か、コードネームか、隠語か業界用語。

 俺がこの場で出せる答えなんて持ってるはずがない。


「イエローハート、忘れたとは言わせないわぁ~」


 どうやって、なんて誤魔化す?

 早く答えないと、でも……待ってくれ、攻撃するなっ!

 待って、やめてくれ、やめろ、やめろ、やめろやめろやめろ!


「……やめろ」


 極度の緊張が焦り切った俺の口を滑らせる。

 この女が今の発言を見逃してくれるわけがない。

 

「どういう意味かしらぁ?」


 今の俺の置かれてる状況は、普通の答えで切り抜けられるものじゃない。

 こうなったら、……無理やりゴリ押す! 


「あんたなら、もうわかってるんじゃないのか?」


 もちろんこの発言に深い意味はない。

 だがあの女は妙に深読みする癖があるようだ。

 それを利用して、それっぽい行動と言動で勝手に勘違いをさせまくってやる。


「正直言って、俺もあんたと戦ったら無事じゃすまない。

俺はまだやることがあるんだよ」


 そう言いながら、俺は鞄から口臭スプレーを取り出す。

 もったいつけながら蓋を開けて、中身を床に垂らす。

 もちろん意味なんてない。

 キシリトールの香りで鼻がスースーするだけだ。

 その隙だらけの光景を見た女は、俺に向けていた攻撃の構えを静かに解いた。


「……見ない魔道具ねぇ」


 俺は空になったプラスチック容器を後ろへ投げ捨てる。

 

「来たければ来いよ」


 俺は来ないでと内心叫びながらハッタリをかます。

 もう俺にできるのは、ポケットに手を突っ込んでいかにも強者っぽく振る舞うことだけ。


「あんまり私をなめちゃダメよぉ、今殺してあげるから」


 その言葉が嘘ではないと証明するように、女は滑らかな動きで武器を構え直す。

 失敗したかもしれないと思いつつも、今更どうにもできない。

 来いといった手前、下手に発言もできないし、逃げられるとも思えない。

 俺はただ強く目を見開いて、心の中でその剣を降ろすことを祈る。

 そして一瞬、女の頬が緩んだようにも見えた。


「うふふっ、さようなら」


 ……俺はまばたきをしていない、でも景色が大きく変わったのに気づかなかった。

 あまりに早い動きは、俺に状況の変化を認識させる隙も与えない。

 俺の目に映るのは、視界を縦に分断する銀色の線。

 

「本当に命が惜しくないのねぇ……」


 女の剣が俺の顔から遠ざかる。

 そこでやっと、瞳の前で刃を寸止めされていたことに気がついた。  

 

「仲間を呼ぶ術式? 人に取り付く呪術?

それともカウンター系の魔術かしらぁ?

うふふっ、まあいいわぁ。

折角だけど、その誘いには乗らないことにするわぁ~」


 俺はただ女の顔を睨む。

 まあ本当は怖くて言い返せず、睨むことしかできないんだけど。

 

「私もこんなところで消耗戦をするつもりはないのよぉ。

この家も調べ終わったし、もう用はないの。

うふふふっ、また会いましょう」


 女はそう言い残すと玄関から走り去っていった。

 その時一瞬だったが、ローブの隙間から女の顔をはっきりと目で捉える。

 色黒で紫の瞳に銀髪の美女。

 出会い方が違えば見惚れていたかもしれない美貌には恐怖しか感じず、あとに残る緊張とやり切った感に俺は顔を引きつらせる。


「これって、……俺の勝ち?」


 そう言った瞬間、全身の力が抜けて倒れこんだ。

 この後、少女が呼んできた衛兵がやってきて大騒ぎだったようだが、正直よく覚えていない。

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