第18話


 森に入った頃から三年と半年が過ぎ、十一歳になった俺とリアは、二人で森の奥に足を踏み入れていた。


 そんな俺たち努力は、ステータスとして反映され伸びていた。



 ――ステータス――


『ディオ・オルトラーク』Lv4 ポイント「4」


【固有能力】・睡眠耐性Lv10(MAX)

 「おまけ」・ステータス閲覧権限


【能力】

 『身体能力』

 ・体力Lv1 ・スタミナLv2 ・自然回復Lv4

 ・腕力Lv1 ・脚力Lv2


 『魔法』

 ・土属性Lv1 ・無属性Lv3

 ・魔力量Lv2 ・魔力質Lv2

 ・魔力強度Lv1・魔力操作Lv4

 ・魔力放出Lv1


 『武器』

 ・剣Lv1 ・弓Lv3


 『耐性』

 ・睡眠耐性Lv10(MAX)


 『技能』

 ・解体Lv3


 【スキル】

 ・鑑定Lv2



 こんな感じになっていたのだが、三年間も俺は毎日森に入っていた為『身体能力』辺りの伸びはなかなか好調に進み、寝ないで活動してる時間が多い為か自然回復に関してはLv4まで伸びていた、おかげで魔力の回復も早く徹夜の反復練習の効率は上がり、一人で森に入っている際の休憩時間を、削減できていた。


 その御蔭で狩りの時間が増え、剣では無く使い続けた弓のLvは3になった。結果、今では止まっている相手なら外す事はない腕前に至り、狩りは順調だった。 




――ステータス――


『リア・フィンダ』Lv2 ポイント「2」


【固有能力】・魔力強度+3


【能力】

 『身体能力』

 ・スタミナLv1 ・自然回復Lv1

 ・脚力Lv1


 『魔法』

 ・氷属性Lv2

 ・魔力質Lv1

 ・魔力強度Lv3 ・魔力放出Lv1


【スキル】

 ・魔力消費軽減Lv1 ・アイス・バレットLv1



 それよりも俺が驚いたのは、リアの【固有能力】魔力強度+3だ。最近になってその凄さを実感し、それがどんなけ強いのか思い知らされていた。


 リアの魔力強度+3を確認するために、リアに高さ2m横1m暑さ10cmの氷の壁を作ってもらい。それに向かって俺が矢を放ったが少しの傷はついたが、使っていた矢の鏃やじりは壊れ、使い物にならなくなったのだから、その強度には驚くと同時に頼もしいとも思った。


 リアは母さんに魔法の知識や氷属性の技などを教えられたらしく、今は魔力が足りなく行使出来ない技もあるとかで、かなりの成長を遂げていた。


 そして今は俺と一緒に森に入り狩りをしている。


 今回の獲物は、一角うさぎが居る場所よりも更に奥に進み、レッサー・ウルフという魔物を探して狩る予定だ。


「ねぇ、さっきからボーっとしてるけど、大丈夫?」


「あぁ、ごめん、大丈夫だよちょっと考え事してて」


「そう、ならいいんだけどさ」


 リアは、あれから背が伸び今では一四○センチはあり、俺が一四五センチぐらいなので目線があまり変わらない、その他は変わりなく、セミショートの髪型の丸っこい顔は、可愛いさMAXだった。     


 他が変わらなければ胸にも変わりはなく。本人も全く大きくならない事を気にしているらし、だがその年では気にしなくても問題ないと思う、まだまだ成長期のはずだ。


(俺はどこまで背が伸びるかなぁ~日本人だった頃は全然背が伸びず一六○もなく、女性と背丈が変わらない。もしくは俺のほうが低いということが多々あったのだ、この異世界では伸びる事を期待している)


 そうして朝から森に入った俺たちは二十キロ程進んだ森の中で、ようやく一頭のレッサー・ウルフを見つけた。


(あれか)


 その見た目は狼型の四足歩行の魔物の体長が一メートル程で、毛色は青寄りのグレー、顔つきはそこまで怖くはないが、小さな牙が鋭く飛び出ていた。


「居たわね」


「ああ、ようやく見つかった。今日のお昼ごはんはあいつだ」


「ぇぇっ、レッサー・ウルフって美味しいの?」


「父さんに聞いた話では、美味しいらしいぞ」


「わかった」


 リアは少し嫌そうな顔つきだったが、渋々頷いていた。


「俺が最初に弓で攻撃するから仕留めキレなかった場合や、外した場合は魔法で足止め頼む」


「了解」


 背中に下げていた弓を取り出し構え、矢筒から一本の矢を取り右手の指で挟み持ち、弓にセットする。


 矢のシャフトの部分を、初期の物より僅かに長くした為、前より弦を引くことが出来、反発力が増した矢の射程距離も伸び、威力も上がっていた。


 弓を構え、レッサー・ウルフを狙う。


 慣れた身体の動作で弦を引ききった状態の矢を安定させ、放つ―――


 風を切り進む矢が音を出し、速度が増した矢の音をレッサー・ウルフが耳にし、矢に視線を向けた途端、レッサー・ウルフの眉間に矢が刺さり。


 レッサー・ウルフは脱力し、静かに横たわっていた。



「お疲れ様、やっぱりディオが外してリ仕留め損なうなんて起こらないじゃない!私今日ずっと、付いてきてるだけじゃないっ」


「そんな事はないよ、たまに外れる事もあるから、油断しなでくれると助かるよ。それに、一緒に森を歩いてるだけは嫌なのか?」


「別に、そんなことはないけど…」


 下を向いたリアが、小さく呟いていた。


「なら、良かった。お昼ごはんにしながら、少し休憩しようか」


 倒したレッサーウルフに近づき俺が解体する。


 流石に何年も森に入りながら一角うさぎの血抜きから始り、次第に解体も行い慣れた今の俺の解体Lvは3になり、体の構造がそれ程違わない生物なら、所見だろうと難なくこなせていた。


 そして葉と枝を集め、火属性魔法でそれに火をつけ肉を焼く。


 マッチぐらいの火属性魔法なら、苦労無く使えるようになったのは良かった。


 おかげで火をつけるのが楽になり色々重宝している。

まさに魔法様様であっった。(異世界最高!!)



――

――



「ふぅ~、食った食った、美味しかったな、レッサー・ウルフの肉」


「私は、一角うさぎの方が好き。一匹は放置しないで持ってこれば良かった、てかディオ何だか叔父さんみたい…」


 地面に座っていた俺が食べた後に空を見上げ、一息ついてると、訝しむ様な視線をリアが俺に向けていた。


(って言われても、精神年齢では三十と言って違い無いからな、子供から見れば親の兄弟程の年齢で、まさに叔父だ)


「ごめんごめん、でも一角うさぎは持ってたら邪魔だからね」


 森に入って一角うさぎのエリアを抜ける際に見つけては矢で仕留め、直ぐに矢を回収し、また走って見つけては射貫くを繰り返し進んで来た。リアはそのまま無視して進んでもいいんじゃない?と言ってたが、一角うさぎでも経験値になるので無駄には出来なかった。


 自身でステータスを観れないリアに、重要度が分からない経験値とか言っても仕方ないので、レッサー・ウルフの時に外したら危険だから、弓の練習と言い納得してもらった。


「一角うさぎは村の近くに居るから、遠くにいるレッサー・ウルフを食べておくのも経験じゃないか、それに食えないレベルで不味いんじゃないしさ、あまり気にしないで行こうよ」


「そう、だね、うん。ごめんね」


「ううん、いいんだ、こっちこそごめんな」


 二人とも謝り、顔を上げ視線と視線が重なり合い、間をおいて笑っていた。


「よし、じゃあ牙だけ、回収して先に行くか」


「うん、りょうかい」


 一角うさぎなら角、レッサー・ウルフなら牙、その部位を回収することで討伐の証になり、冒険者ギルドや商業ギルドなどが買い取ってくれるらしい。村には買い取ってくれる場所がないので、街に行く時に持って行って、最初の資金にしようと考えている。


 素材を回収した俺達は、

 レッサー・ウルフを探し更に森の奥に入って行った。

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