小さな家族

朝食を食べ終わり顔を洗って部屋に戻る。

今日は学校だと思って起きたから、何だか得した気分。


トレーナーとジーパンに着替えて、顔と手に日焼け止めを塗る。窓の外を見ると、昨夜より雪がまた少し積もっていた。


(雪だるま、雪で隠れてる。直しに行くか。)


帽子とジャンパーを羽織って、母に貰った防水手袋をして外に出た。




日差しが眩しくてギュッと目を細める。冬の紫外線は侮れない。

雪だるまにかかる雪を払い、少し崩れてしまった形をポンポンと優しく整える。


顔と手を刺し直して『新生雪だるま』が出来上がった。


「前より少し大きくなったな。良かった良かった。あ、一つじゃ寂しいからもう一つ作ろうかな。」


近くの雪を丸めて、小さめの雪だるまを作った。庭をウロウロして顔と手のパーツを探す。あっという間に二つ目の雪だるまが出来上がった。


似た顔の雪だるまが仲良く並ぶ。真海は何かを閃き黙々と雪だるまを二つ作る。


全部で四つ出来上がった。寄り添う雪だるまはまるで家族のようだった。


「これがお父さんで、こっちがお母さん。葵は小さいからこれだな。私はこれ。」




さっきまで眩しかった日差しが徐々に曇り空に変わった。真海は寄り添う雪だるまをしばらく見つめていた。

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