小さな家族
朝食を食べ終わり顔を洗って部屋に戻る。
今日は学校だと思って起きたから、何だか得した気分。
トレーナーとジーパンに着替えて、顔と手に日焼け止めを塗る。窓の外を見ると、昨夜より雪がまた少し積もっていた。
(雪だるま、雪で隠れてる。直しに行くか。)
帽子とジャンパーを羽織って、母に貰った防水手袋をして外に出た。
日差しが眩しくてギュッと目を細める。冬の紫外線は侮れない。
雪だるまにかかる雪を払い、少し崩れてしまった形をポンポンと優しく整える。
顔と手を刺し直して『新生雪だるま』が出来上がった。
「前より少し大きくなったな。良かった良かった。あ、一つじゃ寂しいからもう一つ作ろうかな。」
近くの雪を丸めて、小さめの雪だるまを作った。庭をウロウロして顔と手のパーツを探す。あっという間に二つ目の雪だるまが出来上がった。
似た顔の雪だるまが仲良く並ぶ。真海は何かを閃き黙々と雪だるまを二つ作る。
全部で四つ出来上がった。寄り添う雪だるまはまるで家族のようだった。
「これがお父さんで、こっちがお母さん。葵は小さいからこれだな。私はこれ。」
さっきまで眩しかった日差しが徐々に曇り空に変わった。真海は寄り添う雪だるまをしばらく見つめていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます