今日は秋らしい天気。日差しはあるけど少し肌寒くて風が強い。


授業中に校庭の方を見ると鳥が二羽仲良く飛んでいた。

少し飛び、校庭に降りて、また飛ぶ。その動きが息がぴったりで愛らしかった。




カサッ


真海の机の上に紙の切れ端が置いてある。


(何だろう?)


折ってある紙を開くと文字が書いてあった。


『何見てるの?』


青山君の方を見ると紙を指さしてる。

真海は『これ青山君?』と口パクで聞くと、彼は頷いた。


(懐かしー。授業中よくやってたな。)


そんな事を思いながら返事を書いた。


『鳥見てた』


カサッ


うまく青山君の机に飛ばせた。

横目で見ると、彼は紙を見てまた何か書いている。


(次は何てくるかな。)


カサッ


『今日予定なければ一緒に帰らない?』


(え?何で?)


ビックリして青山君を見ると、真っ直ぐ前を向いていた。


(別に予定ないけど…断る理由も無いから良いか。)


『いいよ。放課後校門で待ち合わせね。』


カサッ


彼を見るとピースしていた。つられて真海もピースする。




何だか不思議な人だな。転校してきて1ヶ月位たったけど、クラスの皆とは普通に仲良くなってるし『陰』が無い感じ。だから皆から好かれるんだろうな。


後で麻美に話さなきゃ。変に騒がれないように女子トイレでね。

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