地図
「真海、やったじゃん。彼と隣だなんてさー。」
「え?青山君?茶化さないでよー。でもあの席ホント最高。もうずっとこのままがいい。」
「確かに最高だよね。いーなー。はい、これ新商品だって。」
「ありがとー。」
甘いチョコが口いっぱいに広がる。
「これ食べる?抹茶クッキー。」
「CMで見たやつだ。食べるー。」
休み時間はこっそり持ち寄ったお菓子を皆で食べる。先生は休み時間に教室に来ることがなく、生徒だけの自由な空間になる。
「あの花火大会以来何か進展あった?」
「何もないよ。でも前に連絡先は交換したんだった。」
「やるじゃん。連絡してみた?」
「してない。特に用事ないしさ。」
「代わりにメール打ってあげるから貸して。今度デートしましょうって。」
「やめてよ。青山君だって嫌がるって。」
「何でよー。そんな事ないって。」
麻美との話題は青山君のことばかり。転校してきてからこんな感じでちょっかいを出されてる。
次の日、珍しく青山君が休んだ。体調悪そうでも無かったしどうしたんだろう。
「あ、笠井ちょっといいか?」
「はい。」
「確か青山と家近かったよな?」
「え?そうなんですか?知らないです。」
「結構近いぞ。ほら。」
先生が地図を広げ、青山君の家を指差す。
「本当だ。全然知らなかったです。」
「この地図コピーしてくるから、青山の家に今日の課題とプリント届けてくれるか?」
「はい、良いですけど。」
「頼むな。じゃ、ちょっと待ってて。」
先生から書類が入った封筒を渡される。地図を片手に青山君の家に向かうことになった。
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