スーパー

放課後、携帯を見ると母からメールが来てた。


『今日残業で少し遅くなりそうだから、冷蔵庫にある焼きそば作っててくれる?もやしと玉ねぎ無かったからお金あったら買ってきてー。よろしくね!』


『了解!仕事がんばってね。』


財布を見ると千円と小銭が少し入ってた。


(デザートもついでに買おうっと。)




「真海ーごめん。篤人から一緒に帰ろうって連絡きた。」


「分かったー。うちもスーパー寄って帰るから。また明日ね!」


麻美の彼、篤人君は隣町の高校に通ってる。小学生からの同級生だ。

高校からスーパーまでは歩いて10分ほどの所にある。地元の人達は皆ここで買い物する。少し大きいスーパーで、特に冷凍食品の種類が豊富だ。




出入り口のチラシを見て『お買い得品』をチェックする。


(今日は豆腐としめじが安いのか。でもお金そんなに持ってないもんなぁ。)


もやし、玉ねぎを計算すると250円くらい。

デザートコーナーに行く。新商品のティラミスを見つけて値段を見る。2つで400円。


(豆腐としめじも買っていくか。色々使えるもんね。)


折りたたみのマイバッグに買った商品を入れてスーパーを出る。




ザザーン ザザーン


スーパーの目の前は海。

潮の香りがする。波の音が聞こえる。


学校帰りの学生達が座って海を眺めている。

一面に光る波がいつも以上にキラキラしている。目を開けていられないほどに眩しい。


(早く夏なんて終わればいいのに。)


海に背を向け、真海は急ぎ足で家に向かった。

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