転校生

「おはよー!」


「久しぶり!元気だった?」


約一ヶ月ぶりの学校。久しぶりに友達と言葉を交わす。


「真海、痩せた?全然焼けてないじゃん。」


「だって全然外出てないもん。」


「マジ?だからこんなに白いのか。海行かなかったの?」


「行ってないよー。暑いの苦手だしさぁ。麻美は泳ぎ行ったの?」


「うん。行ったよ!5回くらい行ったかなぁ。」


「元気だねー!だからそんなに焼けてるのか。」


「真海誘っても全然来てくれないんだもん。寂しかったよー。」


「ごめん。海苦手なんだよね。暑いのも苦手だしさ。」


「前から言ってるもんね。でも普通にプールで50メートル泳いでたじゃん。泳げないって訳じゃないんだもんね。」


「プールは平気だよ。海は…底が見えないから怖いの。」


「なるほどねー。」




半分ホントで半分ウソ。とにかく海には行きたくない。早く夏が終わって欲しい。





「はーい、みんな席について!突然だけどみんなに転校生を紹介します。」


先生のその一言で教室がさらにザワついた。

180センチほどある長身で整った顔立ちのその人は、先生の隣に立ちはにかむ。


「じゃあ、青山君。自己紹介をお願いします。」


「はい。千葉から来ました、青山大地です。5歳までこの辺に住んでました。今日からよろしくお願いします。」

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