14 使用人日記帳2
□月△日
お嬢様はマッサージが始まる前に、「今日こそ本を読むのよ」と、ベッドの隣のナイトテーブルに本を積んでいらっしゃいました。
日に日に増えるその冊数にギョっとしますが、もちろんそれを許すわけにはいきません。
お嬢様をしっかりと眠らせるまでが、会議で決まったわたしの役割なのです!
今日は最初こそ抵抗されましたが、お嬢様を綺麗に磨き上げるのに成功しましたわ!
えぇ予定通りぐっすりお眠りです!
本日も眠ってしまって本を読めなかったので、明日積む本の量はさらに多いでしょう。
本は毎日のように出版されていますからね。
しかしわたしは容赦しません!
婚約破棄をお聞きした時の様な後悔は、もうしたくないのです。
□月◇日
最近のマッサージでは、お嬢様が以前に比べて、女性らしく肉付きが良くなっているのが分かるようになりました。
これが腰周りに残らないようにするのもわたしの役目です。
そして表情。
目の下に合ったクマは無くなり、顔色は血色が良くなりほんのりピンクになっています。
死人の様な土色とかもう言わせませんよ!
しかしまだいけます!
お嬢様の伸びしろはまだまだあるのです。
頑張ってくださいね、お嬢様!
□月○日
感無量でございます!
本日の夜会に出かけられたお嬢様を見て、わたしは……
うぅ余りに美しくなられ、その変わりようは言葉では言い表せません。
そして打ち上げ目的で開かれたお嬢様会議では、なぜか奥様が参加されていました。
そこで奥様からは「ありがとう」と、勿体無いお言葉を頂戴しました。
使用人一同、さらにお嬢様を磨き上げる事を決意いたしました。すぐに打ち上げ気分は無くなり、再決起集会に切り替わりました。
お任せください!
お嬢様の為にも容赦しませんよ!
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