第4話【「ごめんなさい。今まで騙(だま)してました。」】

2021年10月25日(月)。

調停の日だ。


しかし美由は、この頃からもう外界とは接触をしようとはしなくなってきていた。

そのため、調停には、オレが毎回出席していたのだ。



調停員に、【裁判所の方へ】と書かれた美由が書いた手紙を、オレが渡した。


はじめは調停員も戸惑っていたようだったが、すぐにオレに対して話しかけてきた。


「今は…TAKUYAさん…なんですよね?」

「はい、そうです。申し訳ありませんでした──」



そしてオレは、美由が自殺しかけた事や、面会交流の事等を話した。


「あいつは、メンタル面がとても弱いですから──」



この日も正人さんが来ていなかったため、1時間ほどで終わった。



次の調停は12月13日(月)。

今度こそ、正人さんは来てくれるのだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る