第3話 小一にして処世術を身に付ける俺っち

 やあ、みんな! 俺っちだぞ。


 今日から話は小学校時代に突入するぜ。


 一年生時の担任、山口明子先生は、若くて美人だったんだよな。


 それで俺っちは先生の気を引こうとして、入学初日にスカートめくりを敢行したんだよ。


 そしたら……







「何すんのよ! このませガキ!」


 そう言って、先生はいきなり俺っちの頭にげんこつを食らわしたんだよな。


 幼稚園ではそんなのされたことなかったから、俺っちびっくりしちゃってさ。


 もう少しで、しょんべんちびるところだったよ。ぎゃははっ!


 幼稚園と違い、小学校は甘くないことを身を以って知った俺っちは、スカートめくりはもうそこで卒業したってわけさ。


 みんなも知っての通り、学校ってとこは授業があるんだけど、俺っちはいつも退屈してたんだよな。


 その理由は問題が簡単過ぎるから。


 自分で言うのもなんだけど、俺っちって、結構頭いいんだぜ。


 だから授業中は隣の奴としゃべったりして、いつも先生に怒られてたんだよな。


 その鬱憤を晴らそうと、俺っちは体育の時間になると、いつも張り切ってやってたんだよな。


 俺っちは足に自信があったから、かけっこは誰にも負けなかったんだぜ。


 そのせいで、俺っちはクラスの女子たちにモテモテだったんだ。


 ほら、この時期って、運動神経のいい奴ってモテるだろ?


 運動神経がいいうえ頭も良かったから、俺っちはほんと、向かうところ敵なし状態だったんだ。ぎゃははっ!


 でも、そんな俺っちにも、唯一敵わない奴がいたんだ。


 そいつの名前は島崎浩二。


 こいつは頭は悪かったんだが、なんせ体が大きかったから、ケンカしてもまったく歯が立たなかったんだ。


 そんなもんだから、俺っちはこいつの前では、借りてきた猫のようにずっと大人しくしてたんだ。


 ほら、ことわざにもあるだろ? 君子危うきに近寄らずってな。


 俺っちは小一にしてその意味を理解し、それを実践してたって訳さ。ぎゃははっ!


 ということで、今日はこのくらいにするぜ。


 じゃあ、みんな。あばよ!


 


 

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