実は...

父「お誕生日おめでとう!お前も今年で20歳かぁー」

息「...うん」

父「お前が産まれてもう20年も経つのか... 長かったような、短かったような...」

息「...うん」

父「そんな日にしかも電話で言うのはどうかと思ったんだが、このタイミングが一番だとお父さん思ってなぁ...」

息「...うん」

父「あれ?お父さん、結構衝撃的な告白したと思うんだけど...」

息「...うん」

父「さっきから「...うん」しか言わないけども... あっ!もしかして突然のこと過ぎてまだ飲み込めてないのか?そーだろ!いや、そうに違いない!それならもう一度言うぞ!お父さん実はな... お前の本当のお父さんじゃないんだ!」

息「...うん」

父「二文字!だから何でそんな反応なの?...ってか、それはどういう感情からくる言葉なの?怒りからなの?はたまた、戸惑いからなの?」

息「いや別に、大したことないじゃん」

父「なっ...」

息「......」

父「何でそんな感じなんだよ!もっとドラマであるみたいに一回家出て実際に本当の父親と会って色々あった後... 「やっぱり、親父が本当の親父だよ!」みたいなこと言えよ!」

息「いや急に自分の中で思い描いたものを溢れ出されても...」

父「だって普通そうだろ!お父さんパニックだよ...」

息「そーいやさ、来年の正月はそっちに帰れそ...」

父「いや、サラッと話し変えようとするんじゃないよ!お父さんが今日この日まで、どれだけ思い悩んだことか... お前は知らないからそんな態度がとれるんだ!」

息「それは知らないけど...」

父「お父さん、色々考えてたんだよ。どのタイミングで言うのがいいのか... もしくはこのまま言わないほうがいいんじゃないのか?その方がお前のためには良いんじゃないのか?そんなことを思い、考えながら今日を迎えたというのに、それなのにお前は...」

息「いやあのさ、血の繋がりなんて関係ないじゃん。血の繋がりなんてなくてもさ、今まで親父とともに過ごしてきた日々は確固たる事実なわけだし、今更そういうの関係ないよ。」

父「そうか... それなら良かった。ついでにもう一つお父さん、お前に言わなきゃいけないことがあるんだ...」

息「ん?なに?」

父「実はな... お母さんも本当のお母さんじゃないんだ!」

息「えっ!両方とも違うの?」

父「あぁ、そうなんだ...」

息「それはさすがに受け止めきれないよー」

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