恥ずかしいが行き過ぎて...

あるところに一人の女の子がおりました。どこにでもいる普通の女の子ですが、1つだけ他の子とは違うところがありました。その子は言葉を発しません。喋れないわけではないみたいですが、その子が言葉を発するところを誰も見たことがありませんでした。その子はいつもノートパソコンを入れたスクールバッグを持ち歩いていました。ある日その子に興味を持った1人の男の子がずっと思っていた疑問を投げかけました。「なんで喋らないの?」と... 理由はこうでした。「口の中を見られるのが恥ずかしい。口の中、いわゆる「口内」は体内の一部だから内臓を見せているのと一緒だと思ってしまい、そう思い始めてからというもの人前で口を開くのが恥ずかしくなり、そうすると自ずと喋らなくなった。」とのこと(文面でね...)

何となく理解はできた男の子でしたが、新たな疑問が湧いてきました。「顔とか体とか血管が見えていたりするけどそれはいいのかな?血管もその理論で言うと体内のものだから、アウトな気がするけど?」と... そう思ってしまうと聞かずにはいられなくなり、男の子は直接聞いてしまいました。それを聞かれた女の子は途端に顔を真っ赤にしながら、教室を去ってしまいました。その日その子が教室に戻ってくることはありませんでした。次の日、女の子はセーラー服のスカートの下に体育で使うジャージを穿き、顔に目出し帽を被っていました。クラスメイトたちが騒然とする中、それを見た男の子はこう思いました。「僕が昨日あんなこと言っちゃったからだ!僕のせいであの子はあんな風に...」そう思ったと同時にまた新たな疑問が男の子の頭を過ぎりました。「今までの理論でいうと目を見せるのもアウトなんじゃないだろうか?」と... 1度そう思ってしまうと聞かずにはいられなくなってしまった男の子は昨日と同じようにその子に自分が思った疑問を投げかけてしまいました。その後は皆さんご察しの通り... 顔を真っ赤にし、女の子は教室を去ってしまいました。もちろんその後、その子が教室に戻ってくることはありませんでした。


親「...って、感じなんですよ。」

医者「それはだいぶ深刻ですね。ついでに今、娘さんはどのような格好で?」

親「スカートの下にジャージのズボン。顔には目出し帽を被り、あとはサングラスをかけています。」

医者「それはだいぶ重症ですね。あのー娘さんと直接お話したいのですが、今どちらに?」

親「今頃は多分、学校の中... いわゆる「校内」にいると思います。」

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