閑話 とあるクラスメイト
陽気な人がとても苦手だ。
本当に人生を謳歌していそうなその笑顔も、自分たちを中心に世界が回っていると勘違いしていそうなその振る舞いも、全部全部私の癇に障る。
悪気を抱いていないのは分かっているし、私の性根が腐っているのも自覚している。それでも、どうしても受け入れられない。
これが、生理的に無理、というやつなのだろう。
私は何年何十年とかかったとしても絶対にそっち側の人種になることはないし、なりたいとも思わない。陰気な性格でも日々慎ましく楽しんでいるし、1人でも人生は幸せにできる。
だから、他者に陽気を求めるのはやめろ。あたかも陰を悪者のように扱い、陽が絶対正義であるかのような社会のシステムがこの上なく不快だ。陰だって目立たないなりに生きている。
光があれば影も当然同じだけ生じる。角度によっては影の面積が大きくなることもある。何が言いたいかというと……つまり。
「……はあ」
影の薄い私だって、生きているという意味を実感したい。
机に伏し、狸寝入りをしながら思考に耽っていた私はおそるおそる顔を上げる。意識のレベルを内部から外部へ引き上げると、突如喧騒が耳を襲った。
「次の移動教室どこ?」「えっと、第二理科室かな」「ちょっと私このオカズをジン様に献上してくる!」「お前の臭い飯渡されても前原くんが困るだろ!大人しく眺めるだけにしとけ!」「それで、電車で痴姦見ちゃってさー、男の子震えてて気の毒だったよ」「私この前猫飼い始めて、その子の名前ジンにしたんだよね」「うわきもお前」「聖也は次の小テスト大丈夫?」「俺は男だから勉強なんてしなくていいんだよ。学年一位取り続けてるお前が異常」「やっほー!昼休みにごめんね。社会の教科書忘れちゃって貸してくれない?」「……いいけど、あんたそれに
……。
「はあ」
瞬間流れ込んでくるのは、クラスメイトたちの他愛のない会話の数々。一から十まで下らない内容だけど、毎日過ごす友人との会話なんてこんなものだろう。それは分かっている。
分かっているんだけど、どうしようもなく苦痛だ。
うるさいうるさい、うるさい。騒がしいのも人が多い空間もとにかくストレスが溜まる私にとって、学校の教室という空間は最悪の気分だ。
「
「……あ、え」
私が僅かに顔を上げたタイミングを見計らってか否か、クラスメイトが話しかけてきた。私は彼女の名前は覚えていないが、彼女は私の
突然の来訪者に私の声帯が怯えたように動きを止める。一言目が上手く紡げない。唇が震え、口が凝り固まった。
「どうしたの?」
「……え、っと。わ……かりました」
「ありがとう!」
ただの1秒たりとも目を合わせずに机に視線を落としながら、何とか返答を返す。私は、彼女からしてみればさぞかし感じの悪い人間だろう。
人と目を合わせるのは苦手だ。
私が相手に認識されているという感覚。何を考え、どう思われているのか。想像するだけで身震いするくらいに恐ろしい。
大きな自信を携えてこちらを見据えてくる人間ほど陽気が大きく、私とは真反対に位置している。この目の前のクラスメイトもそうだ。
「……ふう」
私のサインが記された書類を片手に去っていくクラスメイトを視界に収めて静かに息を吐く。今の数回のやり取りだけでどっと疲れた。
「じ、仁くん!!この書類にサインもらってもいい?」
「委員会の書類?わかった」
「ありがとう!そ、それにしても今日暑いね。でも仁くんはいっつも良い匂いだよね!あ、ご、ごめん気持ち悪かった?」
「気持ち悪くないよ!僕は逐一汗を拭き取って、それから軽ーく香水つけてるからね。……春蘭は校則で香水禁止されてるから、これは2人だけの内緒だよ?」
「ふ、ふたりだけ……鼻血でそう……」
「はは。はい、これ書類ね」
「あ、ありがとう……」
名も知らぬクラスメイトが、私の次にとある男子生徒の元へと向かい、私の時とは比べるべくもないほど会話を弾ませている。ここまで顕著だといっそ清々しい。
「……」
反吐が出る。
その猫撫で声。下品な笑み。そこまでして好かれたいのだろうか。他人へそこまで思い入れを持てるその精神を一度味わってみたい。
「……仁、お前もうビッチだな」
「え、違うよ。逆になんで聖也はそんな感じなの」
「いや男は普通こうだろ……」
「ふーん。変なの」
「お前がな!」
楽しげに会話を交わすのは、クラスメイトで唯一の男子である大垣聖也。
そして、前原仁。
私が最も忌避している人物だ。
学年一位をキープし続ける知能。ほとんどの部活動から勧誘されるほどの身体能力。他の追随を許さない圧倒的な容姿。
そして分け隔てなく、女に対しても明るく接する人柄。
「なにそれ」
どこまでも胡散臭い。人としての穴という穴が何も見つからない。正に完璧人間。
でも私はそれが心底気に食わないし、なんなら不気味さすら感じてしまう。そんな人間がこの世に存在するはずがないのに、その理を覆して今高らかに笑顔を振りまく彼が近くにいることが、とても怖い。
確かにかっこいいと思う。私も女の子だから、少しも惹かれないと言えばそれは嘘になる。それでも、同じ人間だと思えない人物を好きになどなれるはずもない。
物語の主人公を第三者視点から眺めているだけ。彼から私に干渉してくることはないし、私からすることも決してない。その程度の関係性。
「陽気の頂点」
彼は正に、いわゆるスクールカーストの頂点中の頂点。対して私は下位も下位。最下層に位置している。
絶対に交わらない。関わらない。触れ合わない。
それでいい。
* * *
「それでは、本日のショートホームルームを終わります。部活の人は頑張って。帰宅する人は気をつけて帰るように」
全ての授業を終え、担任の福岡先生による締めの挨拶を聞いた私たちは一斉に帰り支度を始める。
慌ただしく騒がしい時間だが、私はこの時間の喧騒だけは嫌いではない。なぜなら部活に入っていない私は、この後図書委員として静かな図書室で少しばかり時間を潰したあと帰宅するだけだからだ。
早く帰って自室でアニメでも見よう。日々の中、唯一心が安らぐ時間である。
足早に教室を飛び出し、図書室への近道として通過するために生徒が授業以外ではあまり寄り付かない旧校舎の入口に差し掛かった。
その時。
「明日見さん!早いね、ごめんちょっといい?図書委員だよね。借りてる本の返還期限について相談があるんだけど」
後ろから掛けられる声。
肩が一度小さく震え、歩みが止まり、喉が渇く。わざわざ人がいない近道を選んだのにどうして。
この声は、女じゃない。男だとして、このクラスには2人しか男がいないため、他人に興味が無い私でも判別が可能だ。
今声をかけてきたのは、前原仁だ。あの天賦の才を与えられた、別次元の存在。
「……むり」
カーストの支配者が、私のパーソナルスペースに悠々と侵入してきた。それだけで、底辺の私は気勢を削がれ、屈服してしまう。私たちは決して関わってはいけない。
だから、できるだけ簡潔にやり取りを済ませて早くこの場を離れたい。それを実現するには、ハナから要件を蹴るのが最も手っ取り早い。
私は掠れた声を絞り出した。
「え?」
「……ッ」
その、その。
その、断られるなんて微塵も思ってなかったみたいな間抜けな表情が、この上なく憎らしい。
男として生を受けて、恵まれすぎた容姿、脳、身体、恐らく良いであろう家庭環境。それらに増長されて、世界が全て自分の思い通りになるとでも思い上がっているのだろうか。そうでなければ、こんな素っ頓狂な顔は絶対に晒さない。その表情こそが、付け上がっているという何よりの証左だろう。
あなたたちのような人間に、私の気持ちなんて一生理解できない。
人とまともに目も合わせられず、大人数が集まる場にいると冷や汗をかき、何より1人の時間を愛する私のような人間もこの世にはいるんだ。
何が『美天使』。何が『希代の美少年弓士』。あなたなんて、あなたなんて。
「……ほんときらい」
心の髄から滲み出たドス黒い何かが、口の端から意図せず漏れ出た。
それは蚊の鳴くような声で、ともすれば私の口内で完結しそうなほど、か弱い意思表明。カッコ悪く、八つ当たりのような私の失態。
「……あ」
本人を目の前に、何を口走ったんだ私は。
とてつもない失敗を自覚した私は、急いで口を抑える。既に手遅れなのは分かっていながら、せずにはいられない。
「……」
願わくば彼に聞こえてないことを祈ったが、訪れた沈黙からしてそれは望み薄らしい。恐ろしくて目どころか、顔の位置まで視線をあげられない。
こういったカースト上位の人間は、底辺に舐められることを異常に嫌う傾向がある。私のような底の者に嫌いだなんて言われた日には、怒り狂ってもおかしくない。明日からイジメの対象に抜擢されても、何ら不思議じゃない。
間違えた。立ち回りを間違えた。目立たないように、角を立てないように平穏に学生生活を送っていたのに。今までも上手くいっていたのに。
どうして、前原仁にだけこんなにも心がささくれ立つのだろう。おかげで、1年生にして私の学生生活はお先真っ暗だ。
「……なんで?」
「え?」
今すぐに胸ぐらを掴まれて振り回される未来を予想して小さくなっていた私だったが、その妄想に似つかわしくない悲しげな声が聞こえてきた。
「僕、明日見さんに何かしたかな?ごめんね」
「……」
目の前に立っていたのは、暴虐な支配者でも、隙のない超人でもなく、申し訳なさげに消沈するただの男の子だった。こちらの罪悪感を刺激する、どこまでも無垢な反応。
本当に、普通のようだった。
「い、いや今のは」
「ううん、それ本音だよね。でも僕は明日見さんと仲良くしたいよ」
「……」
意味が分からない。
なんで、あなたが、前原仁が私と仲良くしたい?何でも持っているあなたが、何もない私を意識なんてするわけが無い。
嘘をつくな。
「……わ、私みたいな陰キャラに愛想を振り撒いても意味、ないですよ。だって、と、友達もいないし、話する相手いません」
ねじ曲がった品性の私は、彼が偽善でお世辞を述べ、自分の良い噂を流させようとしているのだと邪推する。そうでないと、説明がつかないからだ。
「話……?いや、そうじゃなくて、ただ僕たちって多分似たもの同士かなってずっと思ってたからさ」
「…………は?」
この人は、何を言っている。
似た、もの?それは哺乳類として同じ分類だからとか、そういうレベルの話をしているのだろうか。そうじゃないと、そうじゃないと。絶対におかしい。
「ほら、明日見さんっておとなしいでしょ?」
いや、だから、それがどうしてあなたに似ているという結論になるのか、全く過程が分からないんだけど。
「僕、割と性格が陰気なんだよね」
「…………どこ、が」
私をバカに、しにきたの?この人は。
あの前原仁が陰気?一体どこが?私を陰気な人間だと煽って嘲笑しにわざわざ旧校舎の手前まで追いかけてきたってこと?
この手の人間は、どこまで、どこまで調子に乗れば気が済むんだろう。殊勝に過ごしている私みたいな弱者を更に除け者にして、楽しいのだろうか。
本当に、趣味が悪い。相容れない。いま、それが改めてわかった。時間の無駄だった。
もう、無視して図書室へ向かおう。明日からの自分の学校生活がどうなろうと最早どうでもいい。こんな人たちと同じ学び舎にいるというだけで、虫唾が走る。
そう結論づけて、その場を去ろうとした。
「例えば、僕、人と目合わせるの苦手なんだよね」
だけど、彼のその一言が私をその場に縫い付けた。突拍子もない告白に、意識が一気に取られる。
それは、ついさっき私が自嘲に使った悪癖。
……私と、おなじだ。
「5人以上のグループになると、発言しにくいなって思っちゃうし。人混み苦手だし」
自分勝手に自身の性格を並べ始める前原仁から、なぜか目が離せない。聞き逃せない。
これも、私と同じ。
「あと、結局1人の時間が一番落ち着くんだよね」
……これも全く一緒。私がなにより好きな時間だ。それを、まさか彼と共有できるなんて。
「明日見さんいつも早く1人になりたがってたし、僕と同じかなってずっと思ってたんだよね」
「な……んで、見て」
「あ、ごめん。明日見さんって笑ったら絶対可愛いだろうなって初めて見た時から考えてたから、つい」
「…………ありえない」
有り得ない、有り得ない、有り得ない。
あの前原仁が、私なんて存在を認識してるはずがない。だって、普通の人間は道端の紙屑なんて気にもとめないから。それくらいの生物としての差が私たちにはあるから。
有り得ない、有り得ない。
あの前原仁が、私を可愛いなんて言うはずがない。だって、可愛くないし、髪だって伸ばしっきりで目元がほとんど隠れてしまっているし、顔なんて見えないから。本当に意識して注視しないと、笑顔が似合うかどうかとか分からないはず。
有り得ない。有り得ない。
なにより、有り得ないのは。
「……ぅ」
あっけなく紅潮する私の頬と、どきんどきんと脈打ち私の体温を上げ続けるこの心臓だ。
顔を伏せて、胸部を握りしめる。おさまれ、おさまれ、ばか。ありえない。
「いつも陰気ながら必死に頑張ってるんだよね。だから、明日見さんみたいなちょっと似ている子と話すとホッとするというか」
「〜〜ッ!」
もう、やめて。これ以上、私をかき乱すのは。あなたと私は別世界の住人。それで、いいいんだ。
それで、よかったのに。
「な、んで、陽気なフリ……してるんですか。やっぱり、陰気なのはだめ、だからですか」
なんで、私はまだ話を続けようとするのだろう。本来ならさっさと切り上げて、1人の時間を作り上げるところなのに。どうして、質問して、この人を掘り下げようとしてしまうのだろう。
私は、こんなにも軽い女だったのか。嫌いだ、嫌いだといっていた顔の良い男に少し褒められたくらいで、簡単に落ちてしまう。
「……んー、ダメなことは絶対ないよ。ただ、ほら女の子ってどんな子でもやっぱり笑顔が一番可愛いでしょ?だから、男の僕もやっぱり笑顔が一番いいのかなと思って。……カッコよく見られたいし。それが陽気っぽく見られてるのかも」
「……ぁ」
普通だ。
この人、普通の人だ。
私は事ここに至って、理解した。
流石に私ほど彼が陰気だとは、今も思わない。それでも、彼は少し性格が大人しめの普通の男の子だ。周りから良く見られたくて頑張ってる、ただの男子生徒だ。
確かに容姿も能力も才能も、他とは一線を画しているのかもしれない。
「……だから、明日見さんに嫌われてるの結構落ち込む」
でも、彼が発する一言一言に、嘘はない。本気で悲しんでいるし、本気で落ち込んでいる。
私の笑顔がどうこう言っていたのも、本当の本気だ。だから、私は、照れたんだ。決して好きになったとかじゃない。でも、直球な言葉に、赤面したんだ。
「……ふ、ふふっ」
あの前原仁が、私なんかに嫌われただけで酷く落ち込んでいる。
その事実が滑稽で、でも嬉しくて、なんだかこそばゆい気持ちになった私は、久しぶりに誰かの前で笑った。同時に、リラックスしている自分に驚いた。
「やっぱり、かわいい」
「……あ、あり、がとうございます」
また、直球。
本当にこの人は。
別に好きとかではないのに、こうまで美少年に言われると流石に照れてしまう。世の女がこぞって求めて、それでも一生手に入らないであろう光栄を、同じクラスメイトという特権を活用して与えられている。
「……ふう。それで、話はなんですか?これでも、図書委員で忙しいんですけど」
前原仁くんが同じ目線に立つ仲間だと考えた途端、突然流暢に話し出す自分がおかしくて仕方ない。
ほんと、自分ってちょろい。でも、この人の前だと、そのちょろさも許せる。
クラスのみんながこの人の魅力に取りつかれているのも、今ならちょっとだけ共感できる。別に私は好きじゃないけどね。
「え?あの、嫌いって言ってたのは……」
「そんなこと、言ってないですよ?さ、要件を言ってください」
「えぇ……」
なんだこれ。なんだこれ。
楽しい。前原仁くんを振り回すのが、こんなにも楽しいなんて。数分前とは天と地ほど違う親近感。彼の本当の魅力は、この点にあるのかもしれない。
私が数いる女の1人で、前原仁くんにとって特別な存在でもなんでもないことなんて勿論分かってる。でも、二人きりの今だけは、彼は私しか見られない。
あの前原仁くんが、私しか。
「えっと、この本の返還期限なんだけど、伸ばせないかなって」
「あ、ちょっとまってください」
「え、なに?」
「図書委員として、話は聞きます」
「は、はい」
「でもその代わり、今後あなたが本を借りる時は絶対に私が受付の時にして下さい。私以外の人から借りたら、強制回収します」
「えぇ……わかった」
「わかっちゃったんですか」
冗談のつもりで言ってみたのに、妙にすんなり受け入れる彼の姿につい笑みが零れる。面倒くさい、典型的な嫌われる彼女みたいな物言いを陰キャラの私ができるのは、この人の人柄ゆえだ。
私は陰気で、コミュニケーション能力に難があって、性根がひん曲がっていて、ついさっきまで目の前の人が嫌いだったのに、こんなにも自分をさらけ出せる。
……いや、もしかしたら嫌いだったなんて嘘なのかもしれない。思い返してみれば、彼があまりにも人間として理想的で、眩しくて、妬ましくて、悪態をついていただけだったようにも思える。
過去の心境と違いすぎて、今となっては真実は分からない。
でも、こうして地に足を着いて、真摯に向かい合って話してみると、陽気だとか陰気だとか、本当にしょうもない分け方だったと自責してしまう。人間は、そんな単純じゃない。
完璧超人が自分を良く見せようと頑張ることもあるし、カースト底辺がカースト最上位をからかうこともある。きっと前原仁くんだけじゃなくて、みんなそうだ。みんな、頑張ってるんだ。私は、ほんとに馬鹿だ。
「……これまでの周囲への態度、謝ります。……反省します」
「え?何の話?」
「いえ、こちらの話です。では、手続きをしに図書室に行きましょう」
「ありがとう。僕部活あるから、手短にお願いします」
「はい?手続きしてあげませんよ?」
「ごめんなさい」
「ふふっ」
決して前原仁くんを好きというわけじゃないけど、彼をからかうのはとても面白い。希代の美少年弓士として人気沸騰中の人物を、この私がからかってるんだ。
ちょっとくらい、優越感抱いちゃってもいいよね。
私って、本当に性格悪いね。
でも、それも人間らしいって言えるのかもしれない。
「……明日見さん、性格変わった?」
「いえ?」
「そっか……」
この人は普通の男の人。
さっき私に委員会の書類を渡してきた女の子も、きっと普通の子だ。彼女は私の名前を覚えてくれていた。私も、ちゃんと名前を覚えて、明日きちんと挨拶しよう。
みんな、同じなんだから。
そんな当たり前のことに気づかせてくれた前原仁くんには、本当に感謝している。だから、これから仲良くしたいし、もっと彼を知りたい。
別に、彼を好きってわけじゃ、ないんだけどね。
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