第12話 刺客

天海美羽が彼女になり、初デートをした日から2年後の5月。


零時と美羽は中学2年生になっていた。二人の付き合いは、まだ続いている。


学校が終わり、いつものように二人は一緒に帰宅していた。

帰路には川原があり、そこから見える夕焼けが綺麗であった為、二人は川原に座り、少し話す。


その川原から、いつもは見えない煙が夕日側から見えてきた。


何かな?焼き芋?見に行く?


よし、行こう。


二人が煙の上がる方へ行くと耳がとがり、上半身が裸の何かがたいまつを持って立っていた。


あれは!?

・・・まさかな?・・・


もう少し近づくと女性の叫び声が聞こえ、それはハッキリとしてきた。


煙を出していたのは男性だ。身体を燃やされ、その場に倒れている。


その横には女性が服を引き裂かれ、後ずさりをしながら叫んでいた。


そして、上半身が裸の何かは


コールの居場所を言えー!


と低い声でうなっていた。


零時、あれ、何?


おそらくゴブリンだ。美羽はここで、隠れていろ。絶対に出てくるなよ。

あれは、人の肉を好む。特に女はオモチャにして遊ぶ下等な種族だ。


マジ?


美羽はゆっくり後ろに下がり、木陰に隠れた。

零時は立ち上がり、ゴブリンに近づいた。


おい!なぜ、お前がこの世界にいる?


ギャ~!お前がコールか?

ケケッ、こっちの世界ではザコだと聞いたんでな!


と話すと体勢を低くして両手を地面につき、戦闘体勢になった。


で、俺に何の恨みがある?それとも誰かから頼まれたか?


いんや、個人的な事しゃ~!お前の規律が気に入らねーのしゃ!

お前さえ死ねば、それも無くなる~

おしゃべりはここまで!コロス!


ゴブリンは腰に付けたダガーを抜いて飛びかかってきた。


ヒュンヒュンヒュンと風を切る音が鳴り響く。

零時は全ての攻撃をかわし、右手でゴブリンの顔面を捉える。


バゴン!と鈍い音がしてゴブリンが川の方へ吹っ飛んだ。


すぐに零時が片手に魔力を込め風を作った。


待て!待て!帰るから許ししぇ


零時が手に作った風を刃のようにし飛ばすとゴブリンの首を跳ね飛ばした。


お前のような下級な刺客が我を倒せるわけがなかろう。こちらの世界の風もヨイ物であろう?


首が飛び身体だけになったゴブリンはポケットからスイッチを取り出し、押した。


ゴブリンは自爆した。


あとは!


そして零時は服を引き裂かれた女性の所へ行き頭に手をかざすと記憶を消した。


全てを見ていた美羽がかけよってきた。


零時、あの話しってマジだったの?


見ての通りだ。美羽も忘れたいなら記憶を消してやるぞ。

俺との全ての記憶をな。


いや、零時は零時だもん!消さないで!


承知した。では帰るか。


うん♡


じゃーさ、零時って本当はおじさんなんだ~?笑

アタシもおばさんになれる?


魔界へ行けば大人の姿にはなるかもだな。

ただ、俺と命約を結ばねば魔界では生きれん。

それに永久に同じ容姿だぞ?


魔界樹から流れる魔素の影響で歳をとらんからな。

ただ、魔素はこっちの人間には毒になるようだ。

故に連れて行くには、俺の魔力を分け与える命約が必要になる。

この世界は、子供の姿から大人の姿に変わっていき歳をとれるヨイ世界だな。

俺は、この世界が気に入っている。


・・・また、刺客が来るかもだな。早く仲間集めをせねば!しかし、あのゴブリンはどうやってこちらへ来たのか?・・・


現在、魔王軍100人たらず。

魔獣30匹。魔導兵20機。

で、コールの城と町は持ちこたえていた。


ね、魔人ってどうやって子供を作るの?


人形に魔力を流し込み魂を入れるのだ。


じゃーさ、あれ、しないの?


あれ?

理解で習った交尾とゆうやつか?

我々には、必要ない。










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