3話 奴隷に説明しよう。
奴隷商店で買った奴隷。
名前をエマと言って人間と狐獣人のハーフであり戦争で両親を無くし行き場をなくしたところを奴隷商店に拾われたらしい。
身長は自分よりも背が低く、小柄で可愛らしい小顔に大きいとは言えないが目に見えて存在している胸や見るだけでわかる白く柔らかい肌を持つ彼女は現在、自分の部屋で縮こまっている。いきなり貴族様に買われたと思えばその人は悪ガキ領主とか縮こまってしまってもしょうがないだろうが、時間は有限な為無理やり話すとしよう。
「おい、エマ」
「………はい」
「お前の仕事はここで作った資料を他の奴らに渡す仕事だ。後は俺の側におり俺の命令に従え。何か用事で忙しかったとしても俺が呼んだらすぐに来い。後屋敷のメイドに何か嫌なことをやられたら俺に言え。命令ば絶対だ。」
「………それだけ……ですか?」
「…言いたいことがあるなら言え。」
言えばよそよそしくなるエマ。何が言いたいのなんとなくわかるが面倒くさいので自分から言わせる。
「よ……夜伽は…しますか?」
「いらない」
「え」
驚く顔をするエマ。まあ奴隷を買う人なんて大半夜伽目的だし悪ガキ領主だから余計にそう思うのだろう。ここはちゃんと言わなければいけないだろう。
「エマ、お前は俺の癒やしとして居てもらう。」
「癒やし、ですか?」
「そう、癒やし」
これから様々なことを一気にすればその分体も頭も疲弊する。その為にも疲れた時には彼女と過ごして疲れを取るのが狙いだ。
「後は、その、何だ。」
「?」
「一人は寂しいから、抱きまくらにしようかな…っておもった。」
「………」
子爵男性。私欲に塗れていた。
・・・
「………………」
朝になった。エマを抱きしめながら寝たからか気分はとてもスッキリしている。
「………………」
「………すぅ……すぅ」
腕の中にいるエマは熱いのか少しうなだれているが慣れてほしい。これからほとんど毎日こうなるのだから。
これから準備の為朝早くから動かないと行けないのだが…
「…………まあいいや」
今はもう少しこの時間を堪能しようと2度寝を始めるのだった。
・・・
エマと二度寝から目覚めたリクは屋敷の広間にいた。沢山の壺や彫像、絵画を床に置いたままで。
「ご主人様、この大量にあるこれらはどうしたんですか?」
これらはというのは壺や絵画とかの事を言ってるのだろう。
「これらはこの屋敷にあった高級な物であり、すべてをここに集めた。」
「何でですか?」
「勿論売るためだ。」
じゃなきゃここに集める必要はないし動かす必要すらないからな。
「売っちゃうんですか!?」
「あるだけ無駄だからな。普段使っているものは売らないからここには置いていない。」
ひとつひとつとても豪華で高そうに見えるが自分は商人では無いため相場が分からない。かと言って誰かに売ったあとそれよりも相場が高かったらと考えるとそれは嫌だ。ならばどうするか。
「失礼します。」
「どうぞ」
そう言ってゾロゾロ人が沢山入っては置いてある物を吟味し始める。いきなりのことに怖いのかエマが近づいてくる。
「あ、あのご主人様、彼らは?」
「彼らは全員商人だよ。しかもかなり大手のね。エマ、売る事に関して知識が無いものが最大限売る方法はオークションをするんだよ。」
「おーくしょん……ですか?」
「そうだよ。」
これが一番高く売れる方法だろう。
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