2話 まずは税率を下げよう。

今日の朝食は冷めきった干し肉と味のしないスープだった。他の貴族には何かの冗談だと思われても仕方ないが事実である。


この領地に住む人々達は皆、リクは悪ガキ領主と認知されている。その認知はこの屋敷にも存在しており現在リクは皆から嫌われている。悪い噂はドンドン進化していっており、最近では誰かをいたぶって楽しんでるという噂が流れているとか。まぁ別に自分にはなんとも思わないんだけど。貴族なんて悪評広められても何も響きがない様に育てられる。実際自分は両親に強く鍛えられたから他でもこんな感じなのだろう。実際この状況は自分にとって都合が良いので悪評について触れることはしない。


今の自分は眼の前にある食事を食べきるだけだ。


「…………味がない。」


また後で料理を作ろうと思った、




・・・・




その後2人の護衛と1人のメイドを連れて、街の中央広場に向かう。当然馬車なんて物があってもいらないので徒歩で向かった。それにしても……


『おい、領主の悪ガキがきたぞ。』

『あのクソ野郎、早くおっ死んでくれねえかな?』

『ママーなんか偉そうな人がいる〜』

『だめよ、あんなクズ近寄っちゃだめ!』



……なんか一躍スターになったみたいだな。内容はクソ悪いけど。前とは違い、いつも着ている貴族の服装では無く誰もが着ている様な麻のシャツなのに誰も突っ込まなかったな。逆に人々の警戒を上げるだけだったっぽい。そして


『『『…………』』』


ここまでずっと後ろで睨んでいる護衛とメイドさんがスッゲー怖い。なんかもう親の仇と言わんばかりにに睨まれていてもう凄いね。悪ガキであったとしても人は殺していないリク君だから何であんなにも睨まれているのかが分からないね。何かあの3人に何かやったっけ?






・・・・・






そんな事を考えていればあっという間で着きました中央広場。


ここは昔父がこの場で住民の願いや不満を聞いたりする場所だったが悪ガキの自分はそんな事しなかったので人は集まらなくなってしまい、草が生えて誰もいない場所になってしまった。


「どれどれ〜?うん。ちゃんと集まっているね。」


何日か前に集まってもらうように後ろのメイドに伝えたが、ちゃんと伝わるか心配だったけど伝わったようだ。メイドが睨んでいるのもこれ関連なのかな〜?まあいいや。


台の上に乗れば民の視線がこちらを向く。嫌そうな顔、憎しみの顔、つまらなそうな顔と様々だが好意的な顔は誰一人としていなかった。


「……今からする話は今この場にいないやつは他のやつが教えてやれ。俺はそいつ等のもとに向かい説明する時間はないからな。」


わざと苛つくような話し方をすればさっきよりも視線が集まる。口調を俺に変えて舐められないようにしながら喋る。


「1度しか話せないからよく聞けよ。これから税率は4割から1.5割に変更する。後屋敷に直接来れば誰でも1度だけ金貨5枚渡す。以上だ。」


一瞬の静寂の後、騒ぎ始める民衆を尻目に台から降りて屋敷に向かう。やることはちゃんとやったからもういいだろう。


「お、おい、ちょっと待てよ!」

「……何だよ」


いやいやながらも後ろを向く。本当だったら不敬としてこいつには打ち首になってもおかしくないが昔の俺が悪いので我慢する。


「さっきの話は何だよ!」

「さっき言った通りだ。これからは税率は1.5に変える。屋敷まで直接来れば誰でも一回だけ金貨5枚くれてやるって言っただけだ。」


ちなみに銅貨、銀貨、金貨 白銀貨の順で高くなっている。


「だ、だから」

「くどい。何度も同じ事を言わせるな。不満でも言いたいなら後ろのメイドにでも言えばいいだろう?今までそうしてきたように。護衛もここまでで良いぞ、もう必要無い。」

「「「「…………」」」」


何も言わないことを確認したのでそのまま屋敷……には帰らずある場所によった。


そこで買い物を済ませた後、屋敷に戻った。


屋敷で2人分の料理を作り、目の前にいるとご飯を食べた。自分で作ったから分かっていたが美味しかった。



・・・


奴隷商店によった自分はオーナーと話し合い一人の奴隷を買った。


どれいを買った事により噂がさらに悪くなったが些細な事だった。








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