悪ガキ領主は償いをする〜頭を打った悪ガキは死んだ両親に褒めて貰えるように貴族の努めをを果たします!〜
ミコト
第一話でありエピローグ
俺はアトラル子爵の息子のリク。
俺が小さい頃に両親が他界してしまい、14歳にして領主になった。
両親が死ぬ事が嫌だった俺はあらゆる本や魔法、呪術や植物。挙げ句の果てには闇市場に向かって探したりしていたが両親を救うことができずその事を引きずってしまい、見事悪ガキになった。まあ、どれだけ頑張っても両親救う事ができないことを小さなガキが救えない現実を直視するのは無理に等しいだろうと今になって思う。しかも母が死んで心が折れかけた2年後に父も居なくなってしまったのだからよけいに心を折るのに充分だった。
その後、悪ガキになった俺は領地から集めたお金を民に使わずに溜め込んだままにして民のお願いを無視して税金を上げたりしたりとそんな事をしているせいで身勝手に噂が飛び交っていって最終的には女に手を出したりしてるなど俺の評価は地に落ちてしまった。別段気にしていなかったけど。
じゃあ何で今更になってこんなに事を俺が考えているかと言うと心変わりしたからだ。
何言ってるんだと誰もが思う事なのだが、これには深い訳……なんてものはなくある事件によって1度自分を見直す事が出来たから気づいたというだけであったりする。
ここまで考えて思った結論は自分はとんでもなくクソ野郎である事だった。
領主である以上、民の事を考えて動き民の願いをできる限り聞いて助けを求めるのが大事であると亡き父に教わったのにショックによって民の願いを聞かず挙げ句の果てには苦しめる自分に吐き気が出そうになった。出た。気持ち悪かった。何だよ税率4割って。他の領地なんて悪いところでも2割なのに。
……………まぁ
こうなってしまった以上というか自分が作り出してしまったこの状況は早急に対処しなければならないだろう。今はなき両親にあちらに行ったあとでも褒められる自分でいられるように。借りにもこんな悪ガキでも立派な貴族なのだから。貴族の努めは果たさなければならないと。
幸い、両親を助けるために様々な本を読みふけっていた為知識は他との貴族ともやり取り出来るだろうし、自分の周りには父に雇われた人達は運良く残ってくれているのだからうまく使えばどうにか出来るだろう。
回想終わり。
ベットで目が覚めた俺は今1度自分の部屋を見渡してみる。
見た目は至って貴族が使う普通の部屋だが、よくよく見てみると高そうな壺や彫刻、絵画や金色の剣だったりといかにも年頃の悪ガキが集めた様な部屋である。
「取り敢えずこれらは全て売ってしまうか。後は廊下にも豪華な壺もあったよな……アレも高値で売れるかな?」
自分が着ていた豪華な服装も一着だけ残して後は売るために外に出して置こう。そうして部屋でやることをやった自分は朝食を食べに行く前に両親の写真が入っている額縁を取った。
「………お父様、お母様。ここに宣言します。この私、リクは両親に泥を塗らず、立派に貴族の努めを果たしてきます!」
そして元の位置に戻し、改めて朝食を食べに行くのだった。
これは家族を愛している息子が両親に褒めて貰うために自分が持っている全てを投げ出して貴族の努めを果たすお話だ。
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