第8話 張飛の「蛇矛」は実際にあったのか?
矛は、三国志の時代、最もポピュラーな武器でした。
長い木の柄に、幅が広く尖った両刃の穂先を取り付けたものです。槍のように構えて、尖った穂先で相手を突くという使い方をしました。
馬上でも、歩兵にとっても、最も使いやすい武器だったと見られています。
矛と槍はどう違うのかと、疑問に思う方もいると思います。
その違いは、あいまいで、「矛の穂先をより鋭利で、刺すことに向いた武器」が、槍であるという定義づけがなされているようです。
製鉄技術に発達に伴って、矛をより薄くそれでいて強靭な形に進化させたのが槍だと考えていいでしょう。
槍の形状も時代を経るにつれて、様々な形のものが現れることになりますが、それらの槍の先祖に当たるのが矛だったということです。
三国志演義では、矛というと、張飛の「蛇矛」が有名です。
これは、矛の刃が蛇のようにくねくねした形状のものです。くねくねさせているのは、敵を刺した時に、傷が広がりやすく、より致命傷を与えられるようにするためであるとされています。
もっとも、現在見られる「蛇矛」のレプリカは、刃の先端が幅広く、刺すのに適していたのかは疑問があります。
むしろ、くねくねした部分で相手を薙ぎ払う方が有効打を与えられるのではないかと思われます。
いずれにしても、この「蛇矛」が登場するのは、明の時代とされており、正史三国志に記されている張飛は、普通の矛を使っていたと考えられています。
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