【KAC20229】一個目 お題「猫の手を借りた結果」夏休みでつけ忘れた日記を発見

テリヤキサンド

夏休みでつけ忘れた日記を発見

夏休みの後半にさしかかった頃、俺は隣家の幼馴染とクーラーの効いた部屋涼んでいた。

 

 「今日も暑いなあ。」

 「そうだね、こういう時は課題でもはやめに終わらせよっか。」

 「ふっ!俺は課題ははやめに終わらせてるから、自由さ!」

 「この裏切りものめ!って、日記はどうしたのよ?」

 「は?日記?」

 「そう、日記。今年から付けるように言われて、渡されてたでしょ。」


夏休みに突入してすぐに課題をほとんど、終わらせていたので安心していたからか、毎日付けるべき日記の存在を忘れていたことに気づく。


 「なんで、高校生にもなって、日記なんて書かなきゃいけないんだよ。」

 「なんでも、休みを有意義に過ごしてるかということを学校側で判断したいからだっていうよ?」

 「もう、全部、平和な一日だったで終わらせてもいいかな?」

 「さすがにそれはダメでしょ。」

 「いまから、SNSで友達の見て、それらしい一日を調べて書いていくか?」

 「時間かかるうえにみんな帰省してるから、全国を旅してるような感じになるんじゃない?そんな金あるのかって突っ込まれるよ?」

 「じゃあ、どうしたらいいんだよ!?」

 「私の日記なら見てもいいよ?」

 「え!?マジで。」

 「うん、夏休み大体あんたといたからね、みれば、その時何してたかわかるでしょ。」

 「おお、助かる!」

 「ただし、その後はお願いきいてね。」

 「あ、ああ。」


俺は後で財布の中身を確認しないと思いながら、日記を借りて、その時何があったのかを話したりして、日記を書いていった。

そんなこんなで絵に凝ったりしつつ、夏休みもお盆にさしかかる時には日記はその日まで買い終えていた。


 「ふう、なんとか今日までの分が終わったよ、ありがとう。」

 「いえいえ、こっちも課題見せてもらったしね。」

 「さて、後日記も少し書けば終了だな。」


俺は借りていた日記を返そうとして気づく。


 「あれ、後のページもう書かれてる?」

 

試しに明日のページを開く。

すると明日の日記が書かれていた。

花火を二人で見に行き、そこで私達は・・・。ってなんだこれ?

内容を追求しようと幼馴染の顔を見るとその顔は赤く染まっている。


 「な、なあ、これってなんだ。」

 「そ、それはね、日記手伝いの時にお願い聞いてっていったよね。」

 「あ、ああ。」

 「その日記さ、先に書いちゃったんだよね・・・。日記に嘘書くのはいけないんからさ、一緒にいかない?」


そういった彼女の顔は普段見る顔とは違い魅力的に見えた。


 「それはしょうがないな!じゃあ、日記通りに行くか?」

 「うん!」


にしても猫の手も借りたいと借りた隣家の猫の手は俺の手を離さなくなりそうだ。

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