キラキラと輝くもの

 金粉というか無数のキラキラと輝く空気に身を包まれた事が人生二度ほどあります。

 それは雪などの降らない暖かな日中で一度は屋外、もう一度は屋内。家族が見ている前での出来事。

 スマホなどはまだなかった時代。

 特に何かしらかのイベントもなかったのですが、いきなり私の周囲の空気は無数のキラキラと輝くものに包まれていました。

 素晴らしい感動体験。

 私はこれを霊とか不思議な現象だと思わず、ただ「こんな美しいもの現象を見れるだけで儲けものだ。正体とか気にせず十分に味わおう」と考えていました。

 キラキラするものは三~五分ほど私を取り巻き、やがて消えました。

 それは確かに美しいものでした。今だったら確実にスマホで撮影していました。

 これらは大量の埃が身にまとわりついたか、眼球の毛細血管に何らかの拍子で大量の光が反射し、虹色の反射光が身体の外側に投影された様に感じたかのどちらかだと思っています。いわゆる『みじんこピンピン現象』の特大版です。

 また、この二つとは直接関係ないでキラキラと輝くものに出くわした経験もあります。

 ある年の春。私は『PBM』という郵便物を媒介した郵便TRPGというべき大人数ゲームで遊んでいました。

 そして、春にそのゲーム自体を大きく左右するかもしれないある資料を作成しました。

 私はその資料を前に悩みました。「これでゲーム状況を大きく前進させるかもしれない。しかしそれは思い込みの単なる迷惑文書かもしれない。速達でなければ〆切に間に合わないだろうし、何通も配るなら郵便費もかさむ。徒労に終わる可能性は大きいし、提出は義務ではない。……それでも皆に提出するというのか?」

 私はさんざん考えました。

 結局、提出を決定。

 春のわりに肌寒い日。晴天の下で私は郵便局へ急ぎました。

 郵便局で資料を速達で郵送。

 そして郵便局から出た私を待っていたのは……。

 それは晴れた春の空から無数に舞い降りてくるキラキラと輝くしたもの……季節外れの大雪。

 まるでクイズ番組の正解の紙吹雪にしか思えないほどの大量の雪が、私の決断を讃える様に降りまくっていました。

 郵便局に入る直前までは晴天で、局に入っていた五分ほどで雪が光景を一変させたのです。

 非常に出来すぎたタイミングのハプニングでした。。

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