二十四話 バイリンガルな皇太子妃

 帝国はこの大陸の中央過半を征服している国である。帝都はその帝国のほぼ中央にあり、帝都から周辺に向けてジワジワ広がっていった事が何となく分かる。


 初代皇帝が全能神と契約して魔力を授かり、それを地に注ぎ神に奉納する事で帝国は他に抜きん出た豊さを得る事が出来るようになった。そのため、周辺の人々は率先して皇帝に従い、帝国は自然に広がり発展していったらしい。


 とは言っても、もちろん世の中には理屈が通らない連中もいる。帝国の豊かさに嫉妬した者、単に豊さを劫掠したいと考える連中は帝国に戦いを挑んで来た。


 しかし、魔力には身体機能を増幅する効果もある。皇帝とその血を引く家臣達は攻め込んで来た敵を返り討ちにし、その勢力を服従させるか滅ぼすかして帝国はかえって領域を拡大した。皇帝の血を引いた家臣達を広げた領地に封じ、領地でも魔力の奉納をさせるようにして領地を富ませる事で、服従した民族も帝国に感謝して従うようになった。


 そうやって数百年。帝国は少しずつ拡大して今に至る。帝国は現在では積極的な拡大は行っておらず、攻め込まれても撃退して賠償金を取ることで済ませているらしい。国土が拡大し過ぎて魔力の奉納が追い付かなると困るからだそうだ。


 現在では帝国は大陸を縦断していて、北と南には隣国は無い。西には小さな国が幾つもあり、概ね友好的な関係を築いていた。特に近接している国は属国と言っても良い程であり、帝国に貢納して臣従している。


 東には大きな国があってこれが帝国のライバルである。宗教指導者が率いる国で帝国では法主国と呼び習わしている。どうやら全能神とは違う神を奉じている国のようで、帝国の全能神信仰のことを邪教と呼んでいるのだとか。ただ、魔力は無く、魔力で地を肥やす方法を知らないため領域の割に国力は低く、帝国とは比べ物にならない。どう考えても全能神を信じた方がご利益がありそうなのだが。


 この他にも海の向こうにも他の国があるかもしれないとは言われているが、現在まで確認された事は無いらしい。ちなみに私は海を見たことが無い。故郷には小さな湖はあったが、あれの何千倍も大きな水溜まりで水が塩水だとか言われても全然想像も付かないわね。


 周辺国からは年中使節が送られてくる。友好国、臣従国からは貢物を携えてのご機嫌伺いが。東の法主国からは年に二度の挨拶兼偵察のための使節が。そういう使節は皇帝陛下自ら接待する場合もあるが(法主国の使節は扱いがデリケートなので両陛下が接見、接待することが多い)殆どの場合は皇太子夫妻が接待を任される。


 中でも重要性が高くない国のただのご機嫌うかがいの場合は、私が会って終わりの場合も少なくない。帝宮本館のサロンで軽いお茶会か昼食会をしてもてなすのだ。一応他国の使節なので緊張はするが、相手は友好国だし帝国の方が優位なので余程礼を逸しない限り相手が怒るような事は無いらしい。


 私はある日、西方の友好国からの使節を迎えてお茶会を開いていた。こういうお茶会は高位貴族婦人を招いた時の様に趣向に凝らないで良いから私にも容易に開催できるのが良い。形式さえ整っていれば良いのだ。


 西方にはあまり大きくない国が多いが。それは西方に少数民族が多いからだという。言語、文化が大きく異なる民族は帝国の強さ豊かさは認めても、文化的な違いが多過ぎて帝国に編入されるのには抵抗感があるらしい。


 ただ、先に帝国に加わった民族が明らかに豊かになっていることで、帝国に加わりたいとも思っている民族も多いらしい。後は心理的な抵抗感の問題なのだろう。


 帝国としてはどっちでもいい、が本音で、帝国に害を成さないなら別に積極的に編入したいとも思っていないが、帝国に加わりたいのなら面倒は見る方針である。


 その日来ていたのも少数民族の国家の使節で、帝国とは違った、襟を前で重ねる様式の服を着ていた。色合いも紋様も変わっている。ただ、私にとっては懐かしくもある衣装だった。十人いる使者の中の一人が座ったまま頭を下げる。


「フォルエバーより、まいるまして、帝国の皇妃、様にお喜びを申す」


 フォルエバーというのは当地の言葉で我が家を意味する言葉で、転じて我が民族とか我が国を意味する。片言で間違いまくりの帝国公用語だが、一年に何度も使わないのだろうから仕方が無い。


「フォルエバーのご使者様のお言葉に感謝申し上げます。遠き西の果てよりようこそいらっしゃいました。帝国皇太子妃ラルフシーヌが偉大なる皇帝陛下よりあなた方のお相手を仰せ仕りました」


 私は悠然と顔を上げたまま言った。帝国皇太子妃がお相手をしてやっているんだぞ、という態度である。帝国の方が完全に優位だからこれが通る。


「皇帝陛下はあなた方のご来訪を喜んでおられました。あなた方に感謝をと」


 フォルエバーの使者達は椅子を降り、跪く。これは私ではなく皇帝陛下の感謝に対しての敬意である。


 使者達が座り直すと私は表情を和らげた。


「さて、堅苦しい挨拶は終わりました。楽にして下さいませ。遠い所をご苦労様でした。是非、旅の話など聞かせて下さい」


 私が言うと。使者達は驚いた様な顔をした。私がいない頃は皇妃陛下か前皇太子殿下が接待していたのだろうが、その頃はそんな事を言われた事が無かったのだろう。戸惑ったように顔を見合わせている。私はニッコリ笑って言った。


『帝国公用語も難しいのなら、あなた方の言葉で話しましょうか』


 私がフォルエバーの言葉で話すと、フォルエバーの使者達はおろか侍女達全員も驚愕の表情を浮かべた。


『皇太子妃殿下は我々の言葉が話せるのですか?』


『少しね』


 そう。私はフォルエバーの言葉が話せる。なぜかというと、フォルエバーの領域はカリエンテ侯爵領に近接しているからだ。カリエンテ侯爵領から二日ほど馬車を走らせればフォルエバーの一族が住む町があるらしい。流石に行った事は無いが。


 なのでフォルエバーとカリエンテ侯爵領は交易を行なっている。その関係でフォルエバーの商人達は領都でよく見かけたのだ。彼らの服装に馴染みがあるのはそのためだ。


 そして私はその交易商人に毛皮や薬草を売り付ける必要からフォルエバーの言葉を覚えたのである。だってあいつら都合の悪い事は帝国公用語が喋れないふりをして誤魔化したりしやがるんだもの。良い取引の為には相互理解が必要で、こちらもフォルエバーの言葉が喋る事が出来なければだめだったのだ。


 そのおかげでかなり私は彼らの言葉が分かる様になり、薬草によく似たただの野草を言葉巧みに売りつけて大儲け出来たのだった。いや、真っ当な取引もしたよ?本当よ?


『それより、道中でカリエンテ侯爵領を通ったでしょう?お話を聞かせて下さい』


 私の目的はこれである。フォルエバーから来るのなら絶対にカリエンテ侯爵領を通る。半月ほど前にフォルエバーの使節の接待を頼まれてから懐かしい故郷の近況が聞けることをずっと楽しみにしていたのだ。私はウキウキしながら尋ねた。


 フォルエバーの使者達は喜んでカリエンテ侯爵領の話を聞かせてくれた。聞くところによれば今年も豊作らしく、食料品とフォルエバー特産の毛織物と宝石類の交換取引も上手く行っているらしい。聞いていると、あ、あいつかな?というような商人や農民が話の中に登場する。ああ、懐かしいなぁと私は思わず頬が緩んだ。


 フォルエバーの習俗の話も聞く。知っていることも多かったが、知らない事も多かった。フォルエバーの領域は乾燥した山岳地帯で、基本的に遊牧を生業としているらしい。副業で川に流れ着く宝石を見つけるのだとか。そのため、食料生産能力が低く、帝国との取引は非常に重要なのだそうだ。


 私は懐かしい故郷の話やフォルエバーの話が出来てご満悦だったが、フォルエバーの使節の面々も何だかとても嬉しそうであった。お別れの挨拶では私の前に跪き、感激の面持ちで感謝の言葉を述べた程である。


 離宮に帰るとエステシアが私に苦言を呈した。


「妃殿下。帝国の皇太子妃ともあろうものが、異国の卑しい言葉を口になさってはなりません」


 私を帝国の皇太子妃足らしめんといつも気を配ってくれているエステシアの有難い忠言だが、今回ばかりは私はエステシアを真っ直ぐに見つめて反論した。


「エステシア。異国の言葉は卑しくなどありません。あの言葉は彼らにとっては大事な言葉なのです。それを卑しめては彼らの反感を買い、お互いに素直に相手を理解出来なくなります」


「小国の事を理解する必要があるのでしょうか?」


「フォルエバーは帝国貴族にも人気な毛織物の産地ですよ。何種類かあそこでしか採れない宝石もある筈です。彼らの反感が高まってそれらが入って来なくなったら困るでしょう?」


 エステシアはまだ納得がいかない顔をしていた。私は彼女をジッと見つめながら言った。


「エステシア。理由も無く人を蔑んではなりません。誇りを傷付けられた者は命懸けで強者に立ち向かいます。フォルエバーが命懸けで反帝国に立ち上がるような事態になれば、帝国にも被害が避けられません。そしてその矢面に立つのは最寄りのカリエンテ侯爵領です」


 エステシアはハッとしたような顔をした。彼女はカリエンテ侯爵一族である。彼女は納得した顔をして頭を下げた。


「申し訳ございませんでした。私が浅慮でございました。お許し下さい」


「分かってくれれば良いのです。隣国とは仲良くするに越したことはありません。それに、仲良くなればその内フォルエバーも帝国に加わりたいと言い出すかもしれませんでしょう?」


 ・・・いや、予言したつもりは無かったんだけどね。


 フォルエバーの使節と面会してから半年後。離宮に帰って来たセルミアーネが首を傾げて私に言った。


「・・・君はフォルエバーの使節に何をした?」


「は?別に何もしてないけど・・・」


「フォルエバーの族長が帝国に併合して欲しいと申し出てきた」


「はい?」


 なんでも、先日訪れた使者の面々が帰国後に族長に「帝国には我々の言葉を話し、我々の文化を理解してくれる皇太子妃がいる!」と伝えたらしい。当たり前だがこれまでそんな皇族がいた事は無く、大変興奮する出来事だったようだ。国中で大騒ぎになったのだという。


 そして族長は「帝国の次期皇妃が自分達の理解者であれば、併合された後差別されたり不遇の扱いをされる事はあるまい」と、以前から検討していた帝国への帰順を決断して、申し出て来たらしい。なんとまぁ。


 実際、後で会ったフォルエバーの族長は私に向かってくれぐれも我が民族を頼むとお願いをしてきた。むぅ、私に頼まれても困るのだが、私の性格上こうやって頼られると無碍には出来ない。


 帝国はフォルエバーの併合を決め、皇帝陛下はフォルエバーの族長を一代伯爵に任じた。そして彼の地をフォルエバー伯爵領とした。族長の子息が帝国の高位貴族の血筋と結婚して家を繋げば、一代伯爵ではなく正式に伯爵に叙爵される事になるだろう。まぁ、カリエンテ侯爵領と近接しているし、交易の利益を独占したいだろうから、多分私の長兄のカリエンテ侯爵の娘の誰かが嫁に行くことになるだろうね。


 フォルエバーは帝国に加わったことにより、国境間で徴収されていた関税が無くなり(領地間にも関税があるが国境税よりは安い)、帝国から緊急時には食糧援助が期待出来るようになり、何より全能神の加護が届く様になって土地が肥える事が期待出来るようになった。


 ちなみに、併合の儀式というものを行い、全能神に併合の報告をすると、勝手にその領域まで加護が届く様になるらしい。親切設計よね。もちろん、それでは不足で、当地に神殿ないし礼拝堂を建て、祭壇と神像を安置し、貴族が魔力の奉納をする必要があるが、それはフォルエバーの族長家に帝国貴族の血が入ってからの事になる。


 この併合はもちろんフォルエバーにも利益が大きいのだが、帝国にも大きな利益がある。フォルエバーの特産品が安く手に入る様になれば、それを今度は他国に輸出する事が出来る。フォルエバーの毛織物は冬がそれほど寒くならない帝国より、寒さが厳しい法主国に売った方が高く売れる。宝石も加工して他の国に売れば高く売れる。他にも人口が少なく技術も無いフォルエバーの民族では出来なかった開発が出来れば大きな利益を生むものがあるかもしれない。


 そういう重大な事件が私がうっかりフォルエバーの言葉を話してしまった事で生じたのだった。びっくりだ。私はただ故郷の話が詳しく聞きたかっただけなんだけどね。片言の言葉じゃ細かい所が分からないと思っただけなのだ。


 だが、結果的にはどこの誰も損する話では無いし、良かったのかな?とか私は呑気な事を考えていた。魔力の奉納も特に変わる事は無かったし。しかしながら勿論、そんな事は無かったのだった。私はある日皇帝陛下に呼び出された。皇帝陛下に私だけが呼ばれるなどあんまり無い事である。私は何だろうと首を傾げながら皇帝陛下の執務室に向かった。


 皇帝陛下は少し悩んだような、というか難しいお顔をなさっていた。


「何でもフォルエバー語が出来るそうだな」


「はい。故郷で必要なので覚えました」


「ふむ。他の言葉は出来ないのか?」


 私は目を瞬いた。


「出来ません。カリエンテ侯爵領に接していたのはフォルエバーだけでしたので」


「それでは困るのだ」


 皇帝陛下の言葉に私が目を丸くすると、皇帝陛下が説明して下さった。


 なんでも、私がフォルエバーの言葉を話した事はフォルエバーの人々の間で大変話題になり、その事が西方の小国の間にはずいぶん広まっているのだという。この小国は何処も言語が違い、その言語に誇りを持っているらしい。まぁ、民族ごとに独立しているという話だからね。その小国の人々が「もしかしたら私達の言葉も分かるのでは?」と私に期待を持っているという事だった。


「・・・そんな期待をされても困るのですけど」


「だが、其方がフォルエバー語しか話せないとなると困ったことになる」


「は?」


「帝国の皇太子妃はフォルエバーを特別扱いにした、という事になってしまう」


 帝国はこれまで、西方の小国のどこも特別扱いにせず、平等に接してきたのだという。帝国が特定の国を贔屓する事で他の国から反感を呼ばないためらしい。西方諸国は少数民族同士でライバル心が強いためだ。まぁ、仲があんまり良く無いからこそ国が分かれているんだろうからね。そこへここで私がフォルエバーだけを贔屓したという事になると、他の国は帝国に反感を持ち、帝国の友好国から離脱するかもしれない。なにそれ面倒くさい。


「なので私としては帝国は別に他の民族も蔑ろにしている訳では無い事を示したいのだ」


「・・・と言いますと?」


 私は嫌な予感に後退りながら陛下に問うた。


「他の民族の言葉も話せるようになってもらいたい」


 いーやー!私は思わず叫び掛けた。ちょっと待って下さいよ。私は別に他国の言葉を覚えるのが趣味でも無いし得意でも無いんですよ。単に必要に迫られて覚えただけで。それなのに他の小国の言語だなんて!幾つ覚えなきゃいけないんですか!無理ですよ!


 ・・・だが、皇帝陛下のお願いにそんな事は言い返せない。私が言えたのはこれだけだった。


「・・・何時まででしょう」


「出来れば二ヶ月後にエブテンスから使者が来るからそれまでに」


 出来るかー!と叫び掛けて堪えた私は褒められても良い。しかし皇帝陛下のお願いは帝国国民、帝国貴族、皇太子妃としては絶対に叶えなければならない。それに皇帝陛下には私が熊退治に出たいという我儘を聞いてもらった恩もある。私は泣く泣く西方諸国の言語の習得に取り組む羽目になった。帝都に住んでいる諸国から来ている商人や、接している領地でその言語に詳しい者を招き教えてもらい、帝宮の大図書館から対訳辞典みたいなものがあったので借りて勉強した。


 私としては死ぬ思いだったが、西方諸国の言葉は文法が同じで単語も似たところがあった事もあり、必死でやっている内に何とか覚えらえた。自分の才能にびっくりだ。しかしながら二か月間は朝の脱走もせず、社交の合間にもメモを読み、寝る前にも本を開く勤勉振りだった。セルミアーネも感心していた。


 うっかり故郷の話を聞きたいと思ってフォルエバーの言葉を話してしまったがために起こった、この自業自得を絵に描いたような事態に、私は激しく後悔した。もう二度と余計な事は致しません。本当だぞ!


 猛勉強の甲斐あって、エブテンスという国から来た使節を接待する時には、そこの言葉で応答する事が出来た。彼の国の人々は感激してくれて、帝国への併合を皇帝陛下に即座に願い出て来たそうだ。・・・え?


 結局、それらの国は貧しい国が多く、帝国に助けて欲しいと思っていたものの、文化的な違いや、商人たちが帝国で差別されるなどの経験により帝国に不信感を抱いていたために、帰順に踏み切れなかったものらしい。しかしながらここに、自分たちの言葉をしゃべり文化に理解を示す、慈愛溢れる素晴らしい皇太子妃がいる。(誰の事なの?)そんな次期皇妃がいる今なら帰順しても粗略に扱われまい、とどうやら考えたらしい。そんなに期待されても困るのだが。


 結局、西方の主要7カ国の内4カ国が私と面会するなり皇帝陛下に併合を申し出てきたし、残りの3カ国も併合された国の扱いを見て、その後に申し出て来て結局併合される事になる。帝国の西に残っていた帝国以外の領域は、私がフォルエバーと面会した7年後には全て帝国に組み入れられてしまったのだった。


 戦争する訳でも無くただお茶会を開いただけで、頑なに帝国に加わらなかった西方諸国が雪崩を打って帰順して来たこの出来事は「ラルフシーヌの奇跡」などと呼ばれて面白おかしく吟遊詩人に謳われるようになってしまった。どうも私が神の秘密の力を使って西方諸国の者たちを感動させたとかいう物語らしい。ちょっと待って欲しい。そんな便利な力を使えるなら私があんなに苦労する事も無かったのではないか。そんな力があるなら神様にお願いすれば良かったわよ。


 因みに新たに併合されたこの帝国の西の外れになる地方は、私の功績を讃えて「ラルフシーヌ地方」と呼ばれる事になるのだが、それはずいぶん後の話になる。


 さて、私は死ぬ気で西方諸国の言葉を覚えて何とか西方諸国との面談を現地の言葉を駆使してこなしたのであるが、ようやくそれを終わらせてぐったりしていたある日、セルミアーネが言い難そうに言った。


「あのね。皇帝陛下が『ラルフシーヌは語学の才能があるのだな、どうせなら東の法主国の言葉も覚えてくれぬか』って言ってたんだけど」


 私が必死に聞こえないふりをした事は言うまでもない。

 



 

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